舌苔の原因とは?舌が白くなる理由と口臭を防ぐ正しい舌の磨き方
結論:舌苔(ぜったい)は、はがれ落ちた口の粘膜の細胞などが舌の表面にたまったもので、よくかまない食事や唾液の減少、口の清掃不足などで増えやすくなります[2][3][4]。舌苔は口臭のもとになる物質が最も多く作られる場所とされ、口臭の大きな原因です[1][2]。取るときは舌ブラシなどで奥から手前へ軽くなで、起床時に1回程度にとどめるのが基本です[2]。
舌苔とは?舌が白く見える正体
舌苔とは、舌の表面に付着する白い苔のようなもので、口の粘膜からはがれた細胞などがたまったものです[2][3]。
日本歯科医師会は、口の粘膜の細胞がはがれ落ちて舌に白くたまり、腐敗したものが舌苔であると説明しています[3]。舌の表面には細かな凹凸があるため、こうした汚れがとどまりやすくなります。
舌苔のつき方には個人差があり、同じ人でも時間帯や体調によって変わります[2]。とくに起床時や、食事をとっていない時間が長いときに多くなる傾向があります[2]。朝起きたときに舌が白く見えるのは、珍しいことではありません。
舌苔の原因|舌が白くなる主な理由
舌苔が増える主な原因は、「よくかまないこと」「唾液の減少」「口の清掃不足」の3つに整理できます。
| 原因 | 舌苔が増える理由 |
|---|---|
| よくかまない食事 | かむ動きが少ないと舌の表面がこすれず、汚れがたまりやすい。流動食だけを4週間とった人の舌全体に厚く舌苔がたまったという例が示されている[3] |
| 唾液の減少(口の乾き) | 唾液が減ると口の中を洗い流す自浄作用が弱まる。ドライマウスでは粘つきや口臭などがみられる[4] |
| 長時間の絶食・睡眠中 | 起床時や絶食時は舌苔が多くなる傾向がある[2] |
| 口の清掃不足 | 口の清掃状態が悪いと、においのもとが作られやすくなる[1] |
| 体調の変化 | 舌苔のつき方は体調によっても変わる[2] |
よくかまない食生活
やわらかい物ばかり食べていると、舌苔が増えやすくなります。日本歯科医師会は「食事を歯できちんとかまなければ舌苔が増え口臭の原因になる」とし、よくかむことで舌がきれいになると説明しています[3]。
唾液の減少・口の乾き
唾液には口の中を洗い流す働きがあり、減ると汚れがとどまりやすくなります。日本歯科医師会は、ドライマウス(唾液が減って口が乾く状態)の原因として、糖尿病や腎不全、ストレス、筋力の低下、薬の副作用などを挙げています[4]。口で呼吸する癖があると口の中が乾きやすいため、気になる方は歯科医師に相談しましょう。
舌苔と口臭の関係|舌が白いと口臭が出やすい理由
舌苔は口臭の最大の発生源とされており、舌が白い状態が続くと口臭が出やすくなります[2][3]。
厚生労働省の情報サイトによると、口臭の80%以上は口の中に原因があります[1]。主な原因物質は「揮発性硫黄化合物(VSC)」と呼ばれるガスで、硫化水素とメチルメルカプタンがその約90%を占めます[1]。
VSCは、口の中の酸素を嫌う細菌(嫌気性菌)が、はがれた上皮細胞や食べかすなどに含まれるアミノ酸を分解するときに生じます[1]。舌苔はまさにこの材料と細菌がたまった場所です。そのため、VSCは舌の上で最も多く作られるとされています[2]。
- 日本歯科医師会:口臭の6割が舌苔から発生する[3]
- 厚生労働省の情報サイト:舌苔と歯周病が口臭の大半を占め、舌苔からの産生量の方が多いといわれる[1]
なお、朝起きたときや空腹時に口臭が強くなるのは、多くの人に起こる「生理的口臭」で、舌苔が主な要因です[2]。口臭の1日の変動は食事のリズムと対応しているとされます[2]。
舌苔の正しい取り方|舌の磨き方の手順
舌苔は、専用の舌ブラシを使い、舌の奥から手前に向かって軽くなでるように取るのが基本です[2]。
厚生労働省の情報サイトでは、次の手順が紹介されています[2]。
- 鏡を見ながら舌を前に突き出し、舌の後ろのほうに舌苔がついていないか確認する。
- 鏡で見える一番奥に舌ブラシを軽くあて、手前に引く。力を入れすぎないようにする。
- ブラシを水道水でよく洗い、汚れがつかなくなるまで2を繰り返す。
舌の奥にブラシをあてると「オエッ」となりやすい方は、数秒間息を止めながら行うと嘔吐反射(吐き気の反応)が出にくくなります[2]。
舌ブラシがない場合は?
専用の舌ブラシが効果的ですが、小児用のやわらかい歯ブラシや目の粗いタオルで代用することもできます[2]。毛のかたい歯ブラシで強くこすると、舌を傷つけるおそれがあるため避けましょう。
舌苔除去の注意点|舌を傷つけないために
舌の清掃は、起床時に1回で十分とされています。やりすぎは舌の粘膜を傷つける原因になります[2]。
- 回数:起床時の1回で十分。繰り返しすぎると粘膜を傷つけるおそれがある[2]
- 力加減:力を入れすぎず、軽くなでる程度にする[2]
- 中止の目安:舌に傷や潰瘍(ただれ)があるときは清掃をやめる[2]
- 完全に白さを取らない:汚れがつかなくなったら終了する[2]。舌本来の色や表面のざらつきまで取ろうとしない
舌苔をすべてなくそうとして何度もこすると、かえって舌がヒリヒリしたり、傷ができたりすることがあります。毎日少しずつ、やさしく続けることが大切です。
舌苔をためにくくする生活習慣
舌苔をためにくくするには、舌のケアに加えて、よくかんで規則正しく食事をとることが基本です[2][3]。
- よくかんで食べる:かむことで舌の表面がきれいになりやすい[3]
- 食事を規則正しくとる:口臭の変動は食事のリズムと対応している[2]
- 口の乾きに気をつける:唾液の減少は口臭などの原因になる[4]。こまめな水分補給を心がけ、口の乾きが続くときは相談する
- 歯みがきとあわせて行う:舌のケアだけでなく、歯や歯ぐきの汚れも落とす
舌の白さや口臭が気になるときの受診の目安
舌のケアを続けても口臭が気になる場合や、家族から口臭を指摘された場合は、歯科医院で原因を調べてもらいましょう[2]。
口臭の原因は舌苔だけではありません。歯周病は口臭の代表的な原因で、大きなむし歯や粘膜の潰瘍、副鼻腔炎なども原因になります[2]。日本歯科医師会は、鼻の病気や扁桃腺炎が原因のこともあるため、必要に応じて耳鼻科での検査を勧めています[3]。また、胃の不調が原因とされる口臭は、ほとんどが誤解だとしています[3]。
次のような場合は、自己判断で舌をこすり続けず、早めに受診してください。
- こすっても取れない白い部分や、まだらな部分がある
- 舌に痛み、ただれ、しこりがある
- 口の乾きや粘つきが続いている
- 歯ぐきからの出血や腫れがある
舌が白く見える原因は舌苔以外のこともあり、見た目だけでは判断できません。歯科医師が口の中を診察して判断します。
よくある質問
舌苔は毎日取ったほうがよいですか?
舌の清掃は、起床時に1回で十分とされています[2]。何度も繰り返すと舌の粘膜を傷つけるおそれがあります[2]。舌苔は起床時に多くなる傾向があるため、朝のケアが効率的です[2]。
舌が白いのは病気ですか?
舌苔は多くの人にみられ、起床時や体調によって量が変わります[2]。ただし、こすっても取れない白い部分や痛みがある場合は、舌苔以外の原因も考えられます。見た目だけで判断せず、歯科医師にご相談ください。
歯ブラシで舌を磨いてもよいですか?
専用の舌ブラシが効果的ですが、小児用のやわらかい歯ブラシで代用することもできます[2]。毛のかたいブラシで強くこすると舌を傷つけるおそれがあるため、軽い力で奥から手前に動かしましょう。
舌苔を取れば口臭はなくなりますか?
舌苔は口臭の大きな原因のため、適切なケアで軽くなることが期待できます[2][3]。ただし、歯周病やむし歯、鼻の病気などが原因の場合もあります[2][3]。ケアを続けても気になるときは、歯科医院で原因を確認しましょう。
舌苔が厚くなりやすいのはどんな人ですか?
よくかまない食事が多い人や、唾液が減って口が乾きやすい人は、舌苔がたまりやすいと考えられます[3][4]。唾液が減る原因には、ストレスや薬の副作用、糖尿病などがあります[4]。
舌の白さや口臭の原因は人によって異なります。気になる症状が続く場合は、詳しくは歯科医師にご相談ください。