インプラントのリスク
インプラント治療のリスクについて解説しています。
ここで解説するリスク要因に当てはまるものがある場合、担当の歯科医師に相談し、連携をとりながら治療を進めていくことが大切です。
インプラントのリスク要因
健康な状態であれば、インプラントは安全性が高い治療法です。
しかし患者さまにリスク要因がある場合、治療のリスクが高くなります。
インプラントの治療前にしっかりと確認しておく必要があります。
リスク要因の種類
安全性の高いインプラント治療を行うには、次の2つのリスク要因が大きく影響を与えます。
手術に対するリスク要因
インプラントの手術の途中、何らかの問題が起こると手術が続行できなくなってしまいます。
手術中に起こる合併症や偶発症を引き起こす要因は、インプラント手術を妨げる代表的なリスク要因といえます。
骨結合に対するリスク要因
インプラント治療時、インプラントと骨が結合する「オッセオインテグレーション」と呼ばれる状態が取れないと、インプラントの脱落につながります。
大きな力が加わるような物理的な要因や、血流を悪化させる要因はオッセオインテグレーションを妨げるリスク要因となります。
上記2つは、歯科医院と施術をする歯科医師の実績と経験に大きく左右される要因と言えます。
インプラントの主なリスク要因
インプラントのリスク要因は、「全身的リスク要因」と「局所的リスク要因」の2つに分類されます。
全身的リスクファクター
・喫煙
タバコにより体内が酸素不足に陥るため、インプラントの骨結合に対するリスクが高くなってしまいます。
タバコに含まれるニコチンの影響で血管の収縮が起こると、血流が悪くなります。
インプラント治療を受ける場合は、喫煙によるリスクを理解しておく必要があります。
・糖尿病
インプラント治療を受ける際には、血糖値のコントロールを行う必要があります。
糖尿病はストレスによって症状が悪化するので、手術中の低血糖や高血糖には注意しなければなりません。
インプラント治療が可能かどうかは、HbA1cという値が基準値未満かどうかが重要となります。
・高血圧症
動脈硬化とつながりがある高血圧症は、手術に対するリスク要因です。
薬の服用によって血圧が安定している状態でも、手術中のストレスにより血圧が上がることがあります。
その場合、出血が止まらなくなったり、術後に出血が起こる恐れもあります。
血圧の上昇はさまざまな合併症のひきがねとなることから、生体情報モニターの監視下での治療が必要です。
ストレスや緊張による血圧の上昇を防ぐには、静脈内鎮静法を使用する方法があります。
・貧血
貧血の自覚症状がない方でも、貧血によりインプラント治療ができない場合があります。
貧血になると細胞内の酸素が不足した状態になるので、骨結合だけでなく治療部分の治癒が妨げられてしまいます。
ヘモグロビン(Hb)の数値が1g/dL未満の場合は、インプラント治療は難しくなります。
・骨粗鬆症
骨粗しょう症の場合は骨の強度が低下するため、リスクが大きくなります。
骨粗しょう症治療に用いられるビスフォスフォネート系薬剤を服用している場合、インプラント埋入は禁忌とされています。
もし服用している場合は必ず歯科医師にその旨を伝える必要があります。
局所的リスクファクター
・虫歯と歯周病
口腔内に虫歯や歯周病の症状がみられる場合、細菌感染による炎症が顎の骨に広がって骨結合の妨げとなるほか、インプラント周囲炎を引き起こす恐れがあります。
インプラント治療を開始する前に、虫歯や歯周病の治療をしっかり行うことが大切です。
・パラファンクション
パラファンクションとは歯ぎしりや食いしばり、片噛みなどのことです。
頻繁に行われると、インプラントの骨との結合に対してリスクとなります。
就寝中にナイトガードを装着するなどして、パラファンクションを防ぐ必要があります。
・噛み合わせ
インプラントに人工歯を装着した際、噛み合わせが悪いとインプラントに無理な力が加わって、人工歯の破損につながる恐れがあります。
噛み合わせは随時変わるので人工歯の装着時だけでなく、定期検診できちんと確認することが大切です。
・骨量や骨質
骨が薄かったり骨質が悪い方のインプラント治療では、骨との結合が正常に行われない可能性があります。
骨量や骨質については、歯科用のCTスキャンやレントゲンでによって見逃さないことが重要です。
・前歯のインプラントと顔貌の関係
前歯のインプラント治療をする場合、見た目に大きな影響を与えることから十分な検討が必要です。
前歯のインプラントの経験が乏しい歯科医院だと、見た目が悪くなるリスクがあります。
リスクを配慮したインプラントをご希望の方
治療のリスクに最大限配慮したインプラントをご希望の方は、静岡歯科までご相談ください。