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インプラントの寿命が来たらどうする?交換する前に知っておきたい費用と注意点

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インプラントは自分の歯とほとんど変わらない使い心地を得られるため、多くの方が検討する歯科治療法の1つです。しかし、インプラント治療が一度きりの施術で済むものとは限りません。

上部構造(人工歯)やアバットメント(上部構造とインプラント体の連結部分)、そしてインプラント体(人工歯根)のいずれかが損傷やトラブルを起こした場合、部分的に、あるいは全体を交換する必要が出てくることがあります。インプラントは高額な治療であるだけに、交換が必要になるタイミングや費用を把握しておくことが非常に重要です。そこで今回は、インプラントの寿命や交換が必要となる主な原因、交換時にかかる費用と注意点を詳しく解説していきます。

インプラントを交換する主な理由

インプラントが長期間にわたって安定して機能するためには、メンテナンスや生活習慣など複数の要素が影響します。平均寿命は10年以上ともいわれ、適切にケアすれば20年、あるいは30年近くも使い続けられるケースも少なくありません。しかし、以下のような要因で交換が必要になる場合があります。

インプラント周囲炎によるトラブル

インプラントは虫歯の心配がない代わりに「インプラント周囲炎」と呼ばれる炎症が深刻な問題を引き起こしやすいとされています。歯周病の10〜20倍の速さで進行するといわれるほど、周囲炎が起きると短期間で骨が溶けてしまうリスクがあり、最終的にインプラントの脱落につながることも珍しくありません。もしインプラント周囲に腫れや出血、違和感などの症状がある場合は、早期の検診と治療が重要です。適切な治療を行わず放置すると、インプラント体の再埋入が必要になるなど、交換の範囲が大きくなる可能性が高まります。

物理的損傷やかみ合わせの不具合

インプラントは天然の歯と同様に、強い衝撃や不適切なかみ合わせの力が加わると損傷を起こすことがあります。例えば「上部構造(人工歯)が破損する」ケースでは、新しい上部構造に交換するだけで対処できる場合も多いです。一方で、アバットメントやインプラント体の破損となると、さらに大掛かりな処置・交換が必要になる場合があります。

メンテナンス不足

インプラントを長く使うためには、定期的なメンテナンスと日常的なケアが欠かせません。毎日の歯磨きやデンタルフロスの活用、歯科医院での定期健診を怠ると、プラークがインプラント周囲に溜まりやすくなり、インプラント周囲炎を招く大きな要因となります。患者自身のケア不足が原因で不具合が起きた場合は、交換費用も自己負担になるケースが多いため、注意が必要です。

インプラント交換にかかる費用の目安

インプラント交換費用は保険適用外の自由診療となるケースが一般的です。一口に交換といっても、交換するパーツや治療内容によって金額は大きく変動します。以下はおおまかな目安です。

交換部位 費用目安
のみ 数万円~10万円台
上部構造とインプラント体の連結部分+人工歯 10万円~20万円以上
インプラント体(人工歯根)を含む交換 1本あたり30~50万円前後

メーカーや歯科医院によって異なる保証制度があるため、事前に確認しておくことが大切です。一般的には5~10年程度の保証期間を設けているところが多く、期間内のトラブルであれば無償交換または費用の一部負担で対応してもらえる場合があります。ただし、定期メンテナンスに通っていることが保証適用の条件となっていることが多いため、保証制度を利用するには日頃のケアが欠かせません。

交換前に押さえておきたい注意点

他院での再治療は可能?

原則として、最初にインプラント治療を受けた歯科医院で交換や再治療を行うのが望ましいとされています。なぜなら「施術を行った歯科医院が持つ治療データが、再治療をスムーズに進めるカギとなる」からです。骨の状態や埋入時の角度など、詳細なデータに基づいて治療を行うことでリスクを低減できます。もし仮に通っていた歯科医院に足を運べない場合でも、前医から治療データを取り寄せることで他院での再治療が可能です。

インプラントを放置すると起こるリスク

インプラントに違和感やトラブルを感じているにもかかわらず、歯科医院での診察を先延ばしにしてしまうと、次のようなリスクを伴います。

  • 歯列全体や咬み合わせの乱れ
  • 顎関節症の進行
  • 全身への悪影響(炎症の拡大など)
  • 審美性の低下によるコンプレックス

インプラントだけでなく他の歯や顎にも負担が広がる恐れがあるため、早期発見・早期治療が肝心です。痛みや腫れ、ぐらつきなどがある際は速やかに歯科医へ相談しましょう。

インプラント寿命を延ばす予防策とメンテナンス方法

専門性の高い歯科医院の選択

インプラント治療を始める段階から、専門性の高いクリニックを選ぶことは非常に重要です。治療前にしっかりと検査を行い、骨の量や質、かみ合わせ、患者の全身状態などを把握することで、インプラント周囲炎のリスクを大幅に減らすことができます。熟練した医師の技術と十分なカウンセリングは、長期的なインプラント成功に直結するポイントと言えます。

毎日の口腔ケアと定期メンテナンス

インプラントを長持ちさせるためには、天然の歯同様、あるいはそれ以上に丁寧な口腔ケアが必要です。以下のようなケアを意識しましょう。

  • 歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシを活用
  • インプラント周辺を中心に、優しく確実に汚れを落とす
  • 歯科衛生士による専門的なクリーニングを定期的に受ける

また、定期メンテナンスではレントゲンやCT撮影、かみ合わせのチェック、歯周ポケットの検査などが行われ、「問題の早期発見と適切な対処により、インプラント周囲炎の進行を防ぐ」ことができます。年に2~3回の受診を目安にすると良いでしょう。

生活習慣の見直し

喫煙や糖尿病などの全身疾患は、インプラントの成功率に大きく影響します。喫煙者は非喫煙者に比べてインプラント周囲炎が進行しやすく、手術後の治癒も遅れる傾向があります。さらに、栄養バランスの乱れや過度の飲酒なども、免疫力の低下を招き、インプラント周囲炎のリスクを高めます。健全な生活習慣を続けることがインプラントの寿命をのばす秘訣です。

インプラント交換の流れ

実際にインプラントの交換が必要になった場合、基本的には以下の流れで治療が進みます。交換手術は局所麻酔下で行われることが多いです。

  1. 術前検査
    レントゲンやCTを使ってインプラント周囲の骨の状態を把握し、交換の可否や治療プランを立てます。必要に応じて血液検査などを行い、全身状態も考慮します。
  2. インプラント除去
    部分交換の場合は上部構造やアバットメントのみを外します。全体交換の際にはインプラント体を含めて除去しますが、骨吸収が進んでいる場合は骨再生処置(骨移植)を行うこともあります。
  3. 新規インプラントの埋入
    骨の回復状態や患者の口腔環境を考慮しながら、新しいインプラント体を埋入します。再び安定するまで数ヶ月の治癒期間を要することがあります。
  4. 上部構造の装着
    アバットメントを装着し、その上にを取り付けます。かみ合わせの調整を丁寧に行うことで、長期的な安定性を高めます。

まとめ

インプラントは正しいケアを続けることで10年以上、さらに長期にわたって機能を保つことが可能です。しかし、インプラント周囲炎や物理的な損傷、メンテナンス不足などによって交換が必要になるケースもあります。「交換が必要なサインを見逃さず、早めに歯科医へ相談すること」がトラブル拡大を防ぐ最善策です。インプラントは高額な治療ですが、メーカー保証や医療費控除の利用などによって費用を抑えられることもあります。まずは定期的なメンテナンスを欠かさず、疑問や不安があれば専門家に相談する習慣を身につけましょう。

今後インプラントの交換を検討している方や、現在インプラントトラブルで悩んでいる方は、今回ご紹介した注意点や費用目安、予防策を参考に、早めに歯科医と相談して適切な治療を受けてください。長持ちするインプラントは、日頃のケアと定期的なチェックがあってこそ実現できるものです。寿命を迎える前に早期対応と予防ケアを徹底し、快適な口腔環境を保ちましょう。

日本歯科グループのクリニックでは、豊富な治療実績と先端の技術力を活かし、患者さまの希望に沿ったオーダーメイドのインプラント治療を提供しています。専門スタッフのチーム医療と充実したサポート体制で、術前の疑問や不安をしっかりと解消しながら、安全・安心の治療を目指します。まずはお気軽にご相談ください。

この記事の監修

今本院長

日本歯科札幌 院長 今本 芳彦

北海道出身。
卒後、自由診療専門のクリニックで研鑽を積む。
10年間、自由診療専門のクリニックで院長として活躍。
北海道でトップクラスのインプラント実績を誇る。
他にもマウスピース矯正、審美治療を得意とする。

この記事の監修

日本歯科静岡 院長 戸田 紀章

静岡県出身。
卒後、埼玉医科大学口腔外科で研鑽を積む。
その後、静岡歯科で10年間研鑽を積んだ後、日本歯科静岡の院長に就任。
静岡県トップクラスのインプラント治療実績を持つ。
審美治療やマウスピース矯正も得意とする。

この記事の監修

早川理事長

日本歯科グループ 代表 早川 好昭

東京都出身。
静岡県で静岡歯科を開業。
高度先進歯科医療クリニックとして日本歯科グループを開設。
同グループとして静岡歯科、日本歯科札幌、日本歯科静岡、日本歯科名古屋などがある。
日本歯科グループの代表として全てのクリニックを統括。

この記事の監修

稲津副院長

日本歯科名古屋 院長 稲津 由美子

大手歯科グループの院長として長年活躍。
その後静岡歯科の副院長として8年間研鑽を積み、日本歯科名古屋の院長に就任。
女性歯科医師として全国でトップクラスのインプラント実績を持つ。
マウスピース矯正と審美治療を得意とする。