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インプラントのソケットリフトとは?サイナスリフトとの違いも解説!

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インプラント治療を考えている方、あるいは骨量不足を理由にインプラント治療を断られてしまった方、また「本当に骨造成が必要なの?」「サイナスリフトとソケットリフトってどう違うの?」などの疑問を持っている方は多いのではないでしょうか。

インプラント治療における「骨量不足」の課題とは

インプラント治療を行うためには、インプラント体がしっかりと骨の中に固定される必要があります。しかし、加齢や歯周病、長期間歯が欠損した状態になったことで上顎の骨量が不足している場合は、インプラントを入れることが難しくなります。そこで行われるのがサイナスリフトやソケットリフトといった骨造成技術です。

骨造成を含むインプラント治療の全体像

骨造成を検討する段階では、まず歯科医師が詳細な検査(レントゲンやCT撮影など)を行い、上顎洞(副鼻腔の一部)の状態や骨の高さ・厚みをチェックします。骨造成法には、次の2種類が用いられることが多いです。

  • サイナスリフト(Sinus Lift)
  • ソケットリフト(Socket Lift)

いずれも「上顎洞の粘膜を慎重に持ち上げ、骨補填材や自家骨などを用いてインプラントを安定させるための骨を増やす方法」です。しかし、適応範囲や手術の大きさ、費用はそれぞれ異なります。サイナスリフトとソケットリフトの大まかな違いは以下のようになります。

方法 適応範囲 骨の厚みの目安 手術回数 費用の目安 治療期間
サイナスリフト 広範囲の骨欠損、多数歯欠損 5mm未満 2回(骨造成とインプラント埋め込みを分けることが多い) 15~30万円 約3~6ヶ月
ソケットリフト 単独歯欠損、小範囲 5mm以上 1回(同時に埋め込みが可能) 3~10万円 約3~4ヶ月

サイナスリフトとソケットリフトは骨量や欠損範囲に応じて使い分けられるのが一般的です。骨の厚みが5mmに満たないような大きな欠損にはサイナスリフト、5mm以上の骨がある場合にはソケットリフトが適用されることが多いです。

ソケットリフトとは?特徴とメリット

ソケットリフトは、上顎洞粘膜をあげて、骨補填材を挿入しながら、「インプラント埋入を同時に行う」方法です。既存の骨の厚みが5mm程度以上確保できていれば、ソケットリフトで十分な骨造成が期待できます。

ソケットリフトの主な流れ

ソケットリフトは次のような流れで進行します。

  1. 局所麻酔
  2. インプラント窩(穴)の形成
  3. 特殊なドリルや器具を使用して上顎洞粘膜を慎重にあげる
  4. 骨補填材を挿入
  5. 同時にインプラントを埋め込む

ソケットリフトでは、頬側からアプローチするサイナスリフトと比べて切開が少なく、また粘膜を大きく剥離する必要もありません。そのため、患者さんへの負担が軽減され、術後の腫れや痛みが比較的少ないとされています。

ソケットリフトのメリット

  • 同時に埋め込みが可能であり、治療期間を短縮できる
  • 比較的小規模な手術で済むため患者さんの負担が軽い
  • 術後の腫れや痛みが抑えられやすい
  • 骨の厚みがが5mm以上あれば適応しやすい

ソケットリフトであっても骨が全くないケースでは適応できません。骨の厚みが5mm未満しかない場合はサイナスリフトを検討することになります。

ソケットリフトの費用相場と治療期間

ソケットリフトの費用は、3~10万円程度とされています。ただしこれは骨造成のみにかかる費用の目安で、インプラント本体の費用や上部構造(被せ物)費用などは別途必要になります。

治療期間は、骨造成からインプラントの埋め込みを同時に行うため、サイナスリフトよりも短くなる傾向があります。通常、術後3~4ヶ月ほどインプラントと骨が結合する期間を置き、その後、上部構造(クラウン)を装着して治療完了となります。場合によってはさらに長引くこともありますが、サイナスリフトのように2度手術を行う必要がないのは大きなメリットといえるでしょう。

サイナスリフトとの違いを再確認

一方のサイナスリフトは、頬側(側面)から上顎洞へアプローチして、広範囲に骨補填材を入れる方法です。高度な骨造成が可能ですが、骨補填だけを先に行う「二期的手術」になる場合が多く、ソケットリフトに比べると患者さんの負担も大きく、治療期間も長くなります。その分、骨が著しく足りない場合でもしっかりと骨を再生できるので、大きな欠損のある方には有効です。

費用は15~30万円程度で、これも骨造成のみにかかる費用の目安とされています。実際の治療費はインプラント治療の総額として見る必要があるため、クリニックによって提示される見積もりをよく確認してみてください。

骨造成と組み合わせる「PRP治療」とは

近年では、骨造成の際に「PRP治療」(自己血液から採取した成長因子を利用する治療法)を組み合わせることも増えてきました。PRP(Platelet-Rich Plasma)は血小板を多く含む血漿成分で、傷の治癒を促進する効果が期待できます。

  • 自己血液を採取するため副作用のリスクが少ない
  • 骨補填材と混ぜ合わせることで、骨の再生を助ける
  • 術後の治癒期間を短縮できる可能性がある

PRP治療は自由診療となるため、別途費用がかかりますが、より確実な骨再生を望む場合には検討してみるとよいでしょう。

ソケットリフトを選択する際の注意点

ソケットリフトは比較的負担が軽い手術ですが、いくつか気を注意したい点もあります。

1. 骨量の正確な診断が必須

事前にCT撮影やレントゲンを用いて「上顎洞の位置や粘膜の厚さ、骨量を正確に把握する」ことが求められます。骨の厚みが5mmほどあると思っていても、実際にはそれ以下だったという場合もあり得ますので、慎重な検査が欠かせません。

2. 技術的な難易度

ソケットリフトはサイナスリフトに比べると傷が小さい分、上顎洞粘膜を破らないように注意深く操作しなければなりません。術中に粘膜が破れてしまうと、手術のやり直しや回復の遅れにつながる可能性があります。そのため、ソケットリフトを行う歯科医師には、十分な経験と技術が求められます。

3. 術後のケア

ソケットリフトやサイナスリフトに限らず、骨造成を伴うインプラント治療後は、日常のケアに加えて定期的な検診が重要です。特に手術後は「感染予防とインプラント周囲炎の防止」が大切になるので、歯科医院でのメンテナンスを怠らないようにしましょう。

一度断られた方でも治療の可能性はある

骨量不足を理由にインプラント治療を断られてしまった方でも、サイナスリフトやソケットリフトといった骨造成技術を活用することで「再びインプラント治療を受けられるチャンスがある」かもしれません。ただし、どの程度の骨造成が必要かは個人差が大きいため、専門の歯科医院で診察を受けることが大切です。

また、骨の状態だけでなく、全身疾患の有無や喫煙習慣、歯ぎしりの癖など、さまざまな要因がインプラント治療の適応を左右します。総合的に判断し、歯科医師としっかり相談したうえで治療方針を決定しましょう。

インプラント治療の不安を解消するために

骨造成を伴うインプラント治療というと、どうしても「費用が高い」「痛そう」といったイメージがあります。自由診療のため保険は適用されませんが、治療後のクオリティ・オブ・ライフ(QOL)向上を考えると、選択肢として検討する価値があります。

また、痛みに関しては、適切な麻酔や術後ケアによってコントロールすることが可能です。術中・術後の痛みが不安な場合は、歯科医師に遠慮なく相談してみましょう。鎮静法を併用できる歯科医院もあり、リラックスして手術を受けられる場合もあります。

まとめ

ソケットリフトは、上顎の骨量がある程度残っている方にとって、強い味方となる骨造成法です。

  • ソケットリフトは上顎洞粘膜をあげて骨補填材を充填し、同時にインプラントを埋め込むする方法
  • 5mm以上の骨の厚みがあれば適応しやすい
  • 手術が一度で済むことが多く、患者さんの負担や費用がサイナスリフトより少なくなる傾向がある
  • 術前の正確な診断と歯科医師の技術が非常に重要
  • 一度断られた方でも、再評価によって治療可能となるケースがある

費用の面や治療期間、術後の経過など、気になる点はいろいろあるかと思いますが、まずは信頼できる歯科医師に相談してみましょう。「上顎の骨が足りないからインプラントは無理」と決めつけず、骨造成技術を活用すればあなたに合った治療法が見つかるかもしれません。ぜひ専門医の意見を聞き、納得のいく治療プランを立てましょう。

インプラントは長期的なメインテナンスが必要ですが、その分自分の歯に近い機能と見た目を取り戻せる優れた治療法でもあります。骨造成も含めたインプラント治療を検討することで、快適な食生活や自信を持った笑顔を取り戻すことができるかもしれません。

日本歯科グループのクリニックでは、豊富な治療実績と先端の技術力を活かし、患者さまの希望に沿ったオーダーメイドのインプラント治療を提供しています。専門スタッフのチーム医療と充実したサポート体制で、術前の疑問や不安をしっかりと解消しながら、安全・安心の治療を目指します。まずはお気軽にご相談ください。

この記事の監修

今本院長

日本歯科札幌 院長 今本 芳彦

北海道出身。
卒後、自由診療専門のクリニックで研鑽を積む。
10年間、自由診療専門のクリニックで院長として活躍。
北海道でトップクラスのインプラント実績を誇る。
他にもマウスピース矯正、審美治療を得意とする。

この記事の監修

日本歯科静岡 院長 戸田 紀章

静岡県出身。
卒後、埼玉医科大学口腔外科で研鑽を積む。
その後、静岡歯科で10年間研鑽を積んだ後、日本歯科静岡の院長に就任。
静岡県トップクラスのインプラント治療実績を持つ。
審美治療やマウスピース矯正も得意とする。

この記事の監修

早川理事長

日本歯科グループ 代表 早川 好昭

東京都出身。
静岡県で静岡歯科を開業。
高度先進歯科医療クリニックとして日本歯科グループを開設。
同グループとして静岡歯科、日本歯科札幌、日本歯科静岡、日本歯科名古屋などがある。
日本歯科グループの代表として全てのクリニックを統括。

この記事の監修

稲津副院長

日本歯科名古屋 院長 稲津 由美子

大手歯科グループの院長として長年活躍。
その後静岡歯科の副院長として8年間研鑽を積み、日本歯科名古屋の院長に就任。
女性歯科医師として全国でトップクラスのインプラント実績を持つ。
マウスピース矯正と審美治療を得意とする。