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インプラントの金属ねじが見えたら?知っておきたいトラブル対策とケアのポイント

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インプラントは、天然歯に近い機能と見た目を得られるため、多くの方に選ばれています。しかし、治療後しばらくしてから「インプラントの金属ねじが歯ぐきから見えてしまった…」というトラブルに悩むケースも少なくありません。なぜ金属ねじが露出してしまうのか、どのように対処・予防すればよいのでしょうか。

放置するとインプラントがぐらついたり脱落したりする可能性もあるため、早めの受診やケアが大切です。この記事では、インプラントの金属ねじが見える原因と対処法、そして日常生活で気をつけたいポイントについて詳しく解説します。ぜひ最後まで読んで、正しい知識を身につけてください。

インプラントの金属ねじが見える原因

インプラント治療は、あごの骨にインプラント体(人工の歯根)を埋め込み、その上に上部構造(人工の歯)を装着することで、失った歯の機能と見た目を補う先進的な歯科治療です。一般的には骨の中にしっかりと埋め込まれるため、通常はインプラントの金属ねじ部分が見えることはありません。しかし、何らかの原因で歯ぐきや骨が減ってしまうと、金属ねじが露出してしまうことがあります。

金属ねじが見えると「このまま使えなくなるのでは」「脱落してしまうのでは」と不安になるかもしれません。実際、歯ぐきがやせてくるとインプラント周囲炎などのリスクが高まり、重症化するとインプラントが脱落する可能性も否定できません。問題の進行を防ぐためには、原因をきちんと把握し、早めに歯科医院へ相談して適切なケアを行うことが重要です。

歯ぐきのやせ(歯肉退縮)

インプラントの金属ねじが見えてしまう背景には、歯ぐきのやせ(歯肉退縮)が大きく関わっています。歯肉退縮は加齢や不適切なブラッシング、生活習慣などによって進行しやすく、歯ぐきが下がるほどインプラントの表面が露出しやすくなります。特に歯ぐきの炎症やブラッシング圧の強さが続くと、歯肉退縮が加速してしまうため注意が必要です。

インプラント周囲炎とは?

インプラント周囲炎は、インプラント周辺の歯ぐきや骨が細菌に感染して炎症を起こす病気です。歯周病と似たメカニズムで進行し、放置すると徐々に骨が溶け、最終的にインプラントが脱落する恐れもあります。

歯周病菌がインプラント周囲に入り込みやすくなると、歯ぐきの腫れや出血、膿が出るなどの症状が現れ、歯肉退縮のリスクも高まります。

歯ぐきがやせる最大の原因

インプラント周囲炎が進行すると、歯ぐきや骨へのダメージが深刻化し、歯肉退縮をさらに悪化させるケースが少なくありません。細菌感染で炎症が続くと組織が破壊され、歯ぐきが下がって金属ねじが見えやすい状態に陥ります。こうした状態になってしまうと、クリーニングや薬剤による除菌、時には外科処置や再生療法が必要になる場合もあります。

インプラント周囲炎の進行ステップ

インプラント周囲炎は段階的に進行します。以下のように軽度から重度まであり、重症化すると簡単なクリーニングでは対処しきれない場合も少なくありません。

ステージ 主な症状
軽度 歯ぐきの軽い腫れや出血が見られる。痛みが少ないため気づきにくい。
中度 歯ぐきの腫れ、出血、膿の排出など。あごの骨が溶け始め、歯ぐきが下がりやすい。
重度 インプラントがぐらつき、脱落の危険がある。大きく骨が吸収されている状態。

金属ねじが見えている場合、中度以上に進行している可能性が高いため、一刻も早く歯科医院へ相談しましょう。

インプラント周囲炎の治療法

インプラント周囲炎の治療は進行度によって異なり、複数のアプローチを組み合わせることも一般的です。以下では代表的な治療手段について解説します。

クリーニング・スケーリング

最も基本的な治療は「クリーニング」です。歯科衛生士や歯科医師が専用の器具を用いて、歯周ポケット内の歯垢や歯石を徹底的に取り除きます。インプラント周囲炎はプラークコントロールが肝心なので、まずは専門家の手によるクリーニングが不可欠です。

スケーリングで歯石を取り除きます。必要に応じて研磨材を使ってインプラント表面を滑らかにし、細菌が付着しにくい状態にします。

薬剤・レーザーによる殺菌

インプラント周囲の広い範囲で細菌が繁殖している場合は、薬剤による洗浄やレーザー照射で殺菌処置を行います。専用の薬を歯周ポケットに注入したり、薬剤入りの洗口液でうがいを行うことで、細菌の数を減らせます。また、「PDT(光線力学療法)」と呼ばれるレーザー治療を併用して、効率的に細菌を死滅させる方法も取られています。

正しい歯磨きと生活習慣の見直し

治療に加えて欠かせないのが、患者自身による日々のケアです。歯科医院での歯磨き指導を受けることで、適切なブラッシングの方法や磨き残しが起きやすい部位を学べます。間違った磨き方が続くと、歯ぐきを傷つけてさらに退縮を進める可能性があるため、注意が必要です。

また、食生活や喫煙習慣なども歯ぐきの健康に深く関わってくるため、生活指導を受けて改善していくことも重要となります。

かみ合わせの調整

かみ合わせに問題があると、一部の歯やインプラントに過度な負荷がかかり、周囲の組織を傷める原因になります。特に歯ぎしりや食いしばりがクセになっている方は、ナイトガード(就寝時に装着するマウスピース)を使い、インプラントへの強い力を逃がす工夫をすることが推奨される場合があります。

歯肉切開による外科処置

進行度が高くなり歯周ポケットが深くなっている場合、歯肉を切開してインプラント体を直接目視できる状態にして清掃する方法があります。切開して歯垢や歯石を取り除き、インプラント表面を徹底的に磨いて殺菌します。歯肉を縫合して閉じる際に、ポケットを再び深くしないように調整する場合もあります。

再生療法(歯肉移植・骨移植など)

大きく歯ぐきや骨が失われている場合には、切開治療だけでは見た目の回復や機能維持が難しい場合があります。その際に「再生療法」を行う場合があります。代表的な方法としては、上あごから採取した歯肉を移植する「遊離歯肉移植」や、結合組織のみを移植する「結合組織移植」、溶けた骨を補う「骨移植」、特殊なメンブレンで骨の再生を促す「GTR法」などが挙げられます。

再生療法には高度な技術と費用、そして時間がかかるケースが多いため、できるだけ重症化を防いでおくことが理想です.

歯ぐきのやせを防ぐためのポイント

インプラントの金属ねじが見えてしまうほど歯ぐきがやせても、適切な治療を行えば再び健康な状態を取り戻せる可能性があります。ただし、外科的な治療や長期の通院が必要になる場合も多く、身体面や費用面での負担が大きくなる可能性もあります。

そこで重要なのは、日頃から歯ぐきがやせにくい環境を整えることです。次のポイントに留意し、リスクをできるだけ低く保ちましょう。

定期メンテナンスの受診

インプラント治療を行ったら、その後も定期的に歯科医院でメンテナンスを受けることが大切です。数カ月ごとにクリーニングを行えば、歯周ポケットにたまった歯垢や歯石を早期に除去できるため、インプラント周囲炎の発症や進行を予防できます。定期検診を怠ってしまうと、小さなトラブルを見逃して重症化させるリスクが高まるので注意しましょう。

また、多くの歯科医院ではインプラント治療後に保証制度を設定しており、再治療が必要になった際の費用を軽減する仕組みを用意しています。保証を受ける条件として定期検診が必須となるケースも多いため、経済的なリスクを避けるという意味でもメンテナンスは欠かせません。

正しいブラッシングと補助的ケア

治療した歯科医院で歯磨き指導を受け、自宅でも正しいブラッシングを実践しましょう。インプラント周囲はもちろん、残っている天然歯や歯間のすき間も清潔に保つことが大切です。歯ブラシに加えて、デンタルフロスや歯間ブラシ、マウスウォッシュなどを活用するのも効果的です。

また、インプラントは人工物のため神経が通っておらず、痛みなどの自覚症状を感じにくいという特徴があります。自覚症状が出にくく異変に気づきづらいので、常に丁寧なブラッシングを心がけ、少しでも血や腫れなどの異変があればすぐに受診するようにしてください。

禁煙や生活習慣の改善

タバコに含まれるニコチンや一酸化炭素は歯ぐきの血行を妨げ、免疫力を下げることでインプラント周囲炎のリスクを高めます。そのため、喫煙者の方は禁煙が強く推奨される場合が多いです。完全にやめられない方も、本数を減らすだけでも歯ぐきへのダメージは軽減されるでしょう。あわせて、栄養バランスの良い食生活や適度な運動など、全身の健康を意識した生活を心がけることも重要です。

まとめ

インプラントのネジ締め後に痛みや圧迫感が続く場合は、早めの対処が重要です。様子見は避け、必ず歯科医師に相談しましょう。特に炎症が疑われる場合は、インプラント周囲炎などの深刻な問題に発展する可能性があります。

日々の丁寧なケアと定期的なメンテナンスを継続することで、多くの症状は改善できます。また、硬いものを控えめにする、片側だけで噛まないなど、負担を抑える工夫も大切です。不安や疑問点があれば、担当医に相談することで、快適なインプラントライフを実現できます。

日本歯科グループのクリニックでは、豊富な治療実績と先端の技術力を活かし、患者さまの希望に沿ったオーダーメイドのインプラント治療を提供しています。専門スタッフのチーム医療と充実したサポート体制で、術前の疑問や不安をしっかりと解消しながら、安全・安心の治療を目指します。まずはお気軽にご相談ください。

この記事の監修

今本院長

日本歯科札幌 院長 今本 芳彦

北海道出身。
卒後、自由診療専門のクリニックで研鑽を積む。
10年間、自由診療専門のクリニックで院長として活躍。
北海道でトップクラスのインプラント実績を誇る。
他にもマウスピース矯正、審美治療を得意とする。

この記事の監修

日本歯科静岡 院長 戸田 紀章

静岡県出身。
卒後、埼玉医科大学口腔外科で研鑽を積む。
その後、静岡歯科で10年間研鑽を積んだ後、日本歯科静岡の院長に就任。
静岡県トップクラスのインプラント治療実績を持つ。
審美治療やマウスピース矯正も得意とする。

この記事の監修

早川理事長

日本歯科グループ 代表 早川 好昭

東京都出身。
静岡県で静岡歯科を開業。
高度先進歯科医療クリニックとして日本歯科グループを開設。
同グループとして静岡歯科、日本歯科札幌、日本歯科静岡、日本歯科名古屋などがある。
日本歯科グループの代表として全てのクリニックを統括。

この記事の監修

稲津副院長

日本歯科名古屋 院長 稲津 由美子

大手歯科グループの院長として長年活躍。
その後静岡歯科の副院長として8年間研鑽を積み、日本歯科名古屋の院長に就任。
女性歯科医師として全国でトップクラスのインプラント実績を持つ。
マウスピース矯正と審美治療を得意とする。