歯列矯正はローンで払える?医療ローンの種類と注意点まとめ
歯並びにコンプレックスがあったり、噛み合わせをしっかり整えたいと思っても、高額な費用がネックとなって治療を躊躇してしまう方は少なくありません。そこで検討したいのが、歯科治療専用のローンやカードローンなどを利用した支払い方法です。実は歯列矯正でも、医療ローンや医療費控除を利用できる場合があります。
保険診療と自費診療
歯科治療には「保険診療」と「自費診療(自由診療)」の2種類が存在します。どちらを選ぶかによって、治療方法や費用、さらには通院期間が異なる場合もあります。
保険診療の特徴
保険診療は、健康保険が適用される治療全般を指します。虫歯の治療や抜歯などは保険が適用されることが多く、自己負担は一般的に3割(年齢や条件に応じて1~2割になることも)です。費用の負担が少なく済むため、家計への影響を抑えられるのが大きなメリットといえます。一方、保険適用の治療には使用素材や治療方法の制限があるため、選択の幅が限られることが多いため注意が必要です。
自費診療の特徴
自費診療は、健康保険が効かず、治療費の全額を自己負担で支払う治療を指します。セラミック素材を使った虫歯治療やインプラント、そして歯列矯正も多くの場合は自由診療に該当するため、高額になる傾向があります。ただし自由診療は素材や方法を選択できるメリットがあり、より高度な治療が期待できます。歯科医師と相談しながら、最適な治療プランを立てられる点が魅力です。
デンタルローン
歯列矯正は自由診療に含まれることが多く、治療費が高額になりがちです。そのため、一括払いでは難しい場合に利用されることが多いのが「デンタルローン」と呼ばれる支払い方法です。
歯科矯正専用に準備されているわけではありませんが、歯科医療費を対象とする専用ローンとして提供される場合もあるため便利です。
概要
デンタルローンは、銀行や信販会社などの金融機関が提供する医療ローンの一つです。歯科治療費を立て替えてもらい、後日、契約者が分割で返済していく仕組みと考えるとわかりやすいでしょう。デンタルローンの特徴としては、カードローンやクレジットカードの分割払いより金利が低めに設定されていることが多いです。
高額な矯正治療を長期にわたって支払いたい場合は、デンタルローンの選択も検討価値があります。
利用時の注意点
デンタルローンを使う際には、以下のような点に注意しておきましょう。
- 利用条件・審査基準は金融機関によって異なる
- 金利や手数料などの負担がある
- 歯科医院によっては提携していない場合がある
特に、提携先の歯科医院以外ではデンタルローンが利用できない場合もあるため、事前に医院側への確認が必須
です。申し込み前に、必ず治療費の総額やローンの上限金額などを比較検討し、返済プランを明確に立ててから決定するのがおすすめです。
その他の選択肢
歯列矯正の治療費を支払う方法は、デンタルローン以外にも複数あります。高額な治療費を一気に用意できない場合は、自身の経済状況や返済プランに合わせて最適な方法を選ぶことが重要です。
カードローン
銀行や消費者金融などが提供するカードローンは、使用目的が自由であるため、歯列矯正費用に充てることも可能です。審査をクリアすれば借入限度額の範囲内でお金を引き出し、月々決まった額を返済していく形になります。
デンタルローンに比べると金利が高くなりやすい傾向がありますが、最短即日融資に対応している業者もあり、急な出費にも対応しやすいでしょう。
大手消費者金融は、利便性が高く、Web完結で申し込みがしやすいなどのメリットがあります。一方で、借り過ぎや長期的な返済計画の甘さによる利息負担増には注意が必要です。
クレジットカード
普段から利用しているクレジットカードがある方は、歯列矯正をクレジットカードで支払う方法も考えられます。以下のポイントを確認しておきましょう。
- クレジットカードの利用可能枠(限度額)
- 分割払いやリボ払いへの変更が可能か
- 支払い方法による手数料や金利
カードのポイントを貯められるメリットがある一方で、リボ払いや高回数の分割払いを選ぶと金利負担が大きくなる恐れもあります。金利設定が意外と高い場合もあるため、メリット・デメリットのバランスをよく検討してください。
支払い方法の比較
歯列矯正費用をどの方法で支払うか、悩む方も少なくありません。それぞれの特徴を紹介します。
支払い方法 | 使途目的 | 金利の目安 | 融資スピード | 追加借り入れ |
---|---|---|---|---|
デンタルローン | 歯科治療費に限定 | 比較的低め(例:5%程度) | 審査に数日かかる | 不可 |
カードローン | 基本的に用途は自由 | 14~18%前後 | 最短即日融資も可能 | 可能 |
クレジットカード | ショッピング枠内なら用途自由 | 15%前後(リボ払いや分割払い手数料) | 即時決済 | 追加分は利用枠内で対応 |
上記のように、低金利や高額治療への適性を重視するならデンタルローン、スピード重視ならカードローン、手持ちのカードでポイントを貯めたい・すぐに決済したいならクレジットカードといった形で比較検討すると良いでしょう。いずれにしても、契約の前に支払い総額や金利負担の大きさを十分確認することが大切です。
歯列矯正ローンの審査のポイント
歯列矯正の費用をローンで賄う場合、必ず「審査」を通過しなければなりません。審査項目はローンの種類や金融機関によって細かく異なりますが、一般的には以下のような点がチェックされます。
安定した収入と返済能力
ローン審査では、申込者の返済能力が重視されます。特に安定した収入の有無は重要です。会社員の場合は勤務年数や給与明細、源泉徴収票などによって収入証明を求められる場合があります。
フリーランスや自営業者は、確定申告書や納税証明書など、収入を示す書類の提出が必要になる場合もあるでしょう。
既存借り入れの状況
すでに他社からの借り入れが多くあると、新たなローン審査に通りづらくなる可能性があります。消費者金融の貸金業法では「総量規制」が適用され、年収の3分の1を超える借入は原則できません。住宅ローンや自動車ローンなどは別扱いとなりますが、クレジットカードのリボ残高なども合わせて総借入額を確認されるため、借り過ぎには注意が必要です。
信用情報の確認
金融機関は信用情報機関を通じて、申込者の過去のクレジットやローン利用履歴を確認します。延滞歴や債務整理の記録がある場合は審査に不利となるため、歯列矯正のローンを申し込む前に、支払い遅延の有無やクレジット履歴を見直しておくことが大切です。
費用の目安
歯列矯正の費用は治療方法や歯科医院、個人の症例によって大きく変動しますが、大まかな費用相場としては以下の通りです。
治療法 | 費用目安 |
---|---|
表側ワイヤー矯正 | 50万円~100万円前後 |
裏側ワイヤー矯正 | 80万円~150万円前後 |
マウスピース矯正 | 50万円~100万円前後 |
これに加えて、検査費用や調整費用などがかかることがあります。また、大人の矯正は期間も長めになりやすく、トータルの通院費がかさむこともあります。かなりの金額になる場合もあるため、ローンや分割払いなども含めて慎重に計画を立てましょう。
医療費控除の仕組み
高額になりがちな歯列矯正ですが、医療目的の矯正であれば医療費控除が適用される可能性があります。医療費控除とは、1年間に支払った医療費(自己負担額)が10万円を超える場合に、超過分を所得から差し引ける制度です。所得税の還付が受けられる可能性があるため、大きな支出を抑える一助となるでしょう。
対象範囲
歯列矯正をはじめとする治療目的の歯科診療費は医療費控除の対象となります。ただし、審美目的のホワイトニングや美容整形目的の矯正は対象外になるため注意が必要です。さらに、ローンを利用して治療費を支払った場合、利息や手数料部分は医療費控除の対象外です。
申請する際の流れ
医療費控除を申請したい場合は、確定申告が必要となります。サラリーマンや公務員など給与所得者の場合でも、年末調整だけでは医療費控除が反映されませんので、以下の手順で進めましょう。
- 医療機関からの領収書やクレジットカード・ローン支払い明細を保管する
- 年間の医療費が10万円を超えたかどうかをチェックする
- 確定申告書に医療費の詳細を記入して提出する
家族の医療費も合算して10万円を超える場合は、まとめて申告することで控除額を増やすことができる点も覚えておきましょう。
まとめ
歯列矯正の費用は決して安くはなく、保険が効かないことが多いため、高額な治療費に不安を感じる人が多いのも事実です。しかし、デンタルローンやカードローン、クレジットカードなどを上手に活用し、支払いの負担を減らすことも可能です。さらに、医療費控除の制度を活用すれば、実質的な負担を軽減できる場合もあります。まずは信頼できる歯科医院で治療内容や費用を確認し、自身にあった支払い方法を選択して、計画的に歯列矯正を進めていきましょう。
日本歯科グループのクリニックでは、豊富な治療実績と先端の技術力を活かし、患者さまの希望に沿ったオーダーメイドのマウスピース矯正を提供しています。専門スタッフのチーム医療と充実したサポート体制で、術前の疑問や不安をしっかりと解消しながら、安全・安心の治療を目指します。まずはお気軽にご相談ください。