歯列矯正で抜歯すると顔変わる？輪郭や横顔への影響を検証

歯列矯正を考えている方の中には、「抜歯をすると顔が変わってしまうのではないか」と不安を感じる方も少なくありません。たしかに、抜歯を伴う矯正では口元や輪郭に変化が生じることがあります。しかし、その変化は必ずしもマイナスではなく、むしろ理想的なバランスへと近づくことも多くあります。

抜歯矯正で本当に顔が変わるのか？

結論から言うと、矯正で顔立ちが変わる可能性はあります。しかし、必ずしも悪い方向とは限りません。歯列矯正は、歯並びの改善だけでなく、口元や横顔を含めたトータルバランスの改善を目的として行われるため、治療後の印象はむしろ良くなる傾向があります。

ただし、治療途中の段階では、歯の移動によって歯列や口元が一時的に不自然に見えたり、ほうれい線が目立ったりすることがあります。これはあくまで一時的な現象であり、最終的に歯が正しい位置に落ち着けば口元や輪郭も整うことがほとんどです。

顔立ちが変化しやすい症例

以下のような症例では、口元や横顔の変化が比較的はっきりと感じられる場合があります。歯列の改善によってスペースを確保するため、抜歯を勧められることも少なくありません。

• 出っ歯
• 口ゴボ
• 乱ぐい歯
• 受け口

それぞれの症例で抜歯がどのように判断されるのか、また顔立ちにどの程度影響が出るのかを順に見ていきましょう。

出っ歯

上の前歯が前方に大きく突出している「出っ歯」は、日本人に比較的多い症例と言われています。出っ歯の場合、歯並びが前へ押し出されているために口元が膨らんだ印象を与え、口を完全に閉じにくいといった問題が生じやすくなります。

抜歯をして歯を後ろに移動させるスペースを確保できると、前歯の突出を改善できるため横顔のラインがすっきりして口元の突出感も和らぎ、全体的に上品な印象に近づきます。しかし治療途中で歯が倒れたり隙間が見えたりして、一時的に違和感を覚えることもあります。

口ゴボ

「口ゴボ」とは、上あごと下あごの骨格的バランスや歯の向きの影響で、横から見ると口元が前方に突き出て見える状態です。一見、歯並びが良く見えても、口閉じがしにくく、表情が硬くなったり口呼吸になりがちだったりといった問題が起こりやすい症例でもあります。

出っ歯と同様に、前歯の位置を後方へ動かす必要があり、抜歯矯正が検討されることが多いです。口ゴボによって強調されていた口元が後退すると、鼻や顎とのバランスが取れ、横顔やフェイスラインが整った印象に変わる可能性が高いです。

乱ぐい歯

乱ぐい歯は歯が重なり合って凸凹になっている歯列を指し、八重歯も乱ぐい歯の一種です。歯並びの乱れは見た目の問題だけでなく、歯磨きが十分に行き届かず虫歯や歯周病のリスクが上がる原因にもなります。

乱ぐい歯は顎のスペースが足りず、歯が整列できない状態なため、抜歯によってスペースを作ることがよくあります。出っ歯や口ゴボほど口元の大きな変化は感じにくいかもしれませんが、歯並びが整うことで笑顔の印象が大きく向上し、顔全体のバランスも良くなるでしょう。

受け口

受け口は、下あごが上あごよりも前に出ている噛み合わせの状態です。「しゃくれ」と呼ばれることもあり、横顔や顎のラインに特徴が出やすい症例と言えます。噛み合わせの問題で顎関節に負担がかかったり、発音しにくい音が出てきたりといったトラブルも起こりやすいです。

受け口では、下の前歯を後方へ移動させるためのスペースが不足している場合に抜歯を行うことがあります。顎自体の骨格が原因となっている場合は外科的な治療が必要なこともありますが、単純に歯並びの問題であれば矯正治療のみでも改善が期待でき、しゃくれの印象が和らぐことがあります。

「ブサイクになる」って本当？

インターネット上の口コミや体験談を見ていると、抜歯をして矯正を始めたら「ブサイクになった」「老けた」という声を目にすることがあります。高い費用をかけて行う治療であれば、不安に思うのは当然でしょう。ここでは、なぜそうした印象を持つ方がいるのか、主な理由を紹介します。

ほうれい線が目立つようになった

出っ歯や口ゴボの方が矯正によって前歯を後退させると、以前は前方に引っ張られていた皮膚や筋肉が元に戻り、余剰部分にたるみが生じやすくなります。その結果、ほうれい線が目立ちやすくなるのです。

しかし、もともと歯の突出が原因で深いほうれい線ができていた方は、逆に矯正によって解消する場合もあります。つまりほうれい線の変化は、個々の骨格や歯の状態によって異なり、一概に悪化するとも言えません。

矯正途中の見た目の変化と違和感

抜歯を含む歯列矯正では、歯と歯の位置関係を大きく変化させる必要があるため、治療初期〜中盤にかけては「歯が離れる」「倒れたように見える」「口元がこける」といった一時的な変化が目立つことがあります。この段階で鏡を見ると、今までとは異なる違和感から「顔が変になった」と思ってしまうことがあるのです。

多くの場合、最終段階に向けて徐々に歯が正しい位置に誘導されていき、最終的にはきれいに整列します。治療途中の見た目の変化はあくまでも一時的なものと考えましょう。

マイナスな印象を最小限にする対策

抜歯矯正で「ブサイクになった」という印象を感じにくくするには、日常生活の中でもいくつか気をつけられるポイントがあります。以下の対策を取り入れることで、治療中のマイナスな変化をやわらげたり、老け見えを予防したりすることが期待できます。

顔のマッサージや表情筋トレーニング

抜歯矯正によって口元の皮膚が緩むと、シワやたるみが目立ちやすくなる可能性があります。そこで、定期的に顔のマッサージや表情筋トレーニングを行うと、血行促進や筋肉の活性化により、ほうれい線や口角のたるみが緩和されやすくなります。

マッサージは、頬骨の下あたりを指の腹で円を描くように押し流す方法が手軽です。痛気持ちいい程度の力加減で1日数回行うと良いでしょう。

舌トレーニング（舌回しエクササイズ）を行う

口元や顎周りの筋肉を鍛える方法として「舌回し」がよく紹介されます。やり方は口を閉じた状態で舌先で歯の表面をなぞるようにぐるぐる回すだけです。右回り、左回りそれぞれ10回ずつを目安にして、毎日続けてみてください。

このトレーニングを行うことで口呼吸の改善やドライマウス予防、口周りの筋肉強化にも役立ちます。抜歯矯正中は特に口内環境の変化が起こりやすいので、積極的に取り組むと良いでしょう。

クリニック選びにもこだわる

抜歯矯正を行う場合、歯科医師の経験や技術、カウンセリング時の説明の丁寧さなどが結果を左右する大きな要素となります。信頼できる歯科医師は、抜歯の必要性や治療方針を明確に示し、抜歯による顔立ち変化のシミュレーションも細かく行ってくれます。

納得のいくまで相談し、万全の体制で矯正をスタートできるかどうかはとても重要です。以下の点をチェックしながら、安心して相談できるクリニックを選びましょう。

クリニックを選ぶ際の比較ポイント

こうした比較ポイントをふまえながら複数のクリニックを検討し、自分が納得できる環境で矯正治療を受けることが、美しい仕上がりと満足度につながります。気になる医院があればまずはカウンセリングを受け、疑問や不安をしっかり解消してからスタートを切るとよいでしょう。

まとめ

歯列矯正と顔立ちの変化は切り離せない存在です。抜歯を伴う矯正では、一時的に口元や輪郭に変化が見られる場合がありますが、歯並びが整うことで表情が柔らかくなり、横顔のラインがきれいになるなどポジティブな面が多いとされています。

矯正途中で口元がこけて見えたり、ほうれい線が強調されるように感じたりすることがありますが、最終的な仕上がりをイメージできるようなシミュレーションを行い、信頼できる矯正医や歯科クリニックで治療を進めれば、後悔の少ない結果につながりやすいでしょう。

また、顔のマッサージや舌トレーニング、保湿ケアなどを取り入れることで、抜歯矯正中の「老け見え」やたるみ感を軽減することもできます。大切なのは、歯並びだけでなくライフスタイル全体を見直し、健康的で魅力的な口元と表情を手に入れること。ぜひ、納得のいくクリニック選びと日々のケアに取り組んでみてください。

日本歯科グループのクリニックでは、豊富な治療実績と先端の技術力を活かし、患者さまの希望に沿ったオーダーメイドのマウスピース矯正を提供しています。専門スタッフのチーム医療と充実したサポート体制で、術前の疑問や不安をしっかりと解消しながら、安全・安心の治療を目指します。まずはお気軽にご相談ください。