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歯列矯正中に噛み合わない時期がある?ズレの原因と修正方法

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歯科矯正は、歯並びや噛み合わせを整えるために行われますが、治療の途中で「どうも噛み合わない気がする」という時期があります。矯正中に一時的に噛み合わせに違和感を覚えるのは、実は珍しいことではないのです。綺麗な歯並びを目指して始めたのに、「治療が失敗したのでは?」と不安を感じる方も少なくありませんが、歯列矯正において噛み合わない時期が生じる原因と、その対処法・予防策を知っておきましょう。

噛み合わせの違和感とは

歯列矯正では、装置を使って歯を少しずつ動かす過程で「片側だけ噛み合わない」「全体的に浮いた感じがある」といった違和感を覚えることがあります。これは歯が移動を続けている証拠であり、治療過程の1つだと考えられます。

治療を始めた頃や装置を調整した直後、もしくは新しいマウスピースに交換したばかりの時期は特に違和感が生じやすく、数日から1週間ほどは慣れない噛み合わせを不便に感じることがあるでしょう。長期間にわたって症状が続いたり、強い痛みを感じる場合は、トラブルが生じている可能性があるので歯科医師に相談することをおすすめします。

矯正中に噛み合わない時期が生じる3つの理由

歯列矯正では、歯に力を加えて計画的に動かすため、どうしても 一時的に噛み合わせが不安定になる時期が出てきます。 ここでは、主に3つの理由について解説します。

歯の移動過程で一時的に噛み合わせが変化する

歯列矯正はワイヤー矯正やマウスピース矯正などの装置で歯を計画的に移動させ、 理想的な位置に並べ直す治療です。移動途中は歯列が不安定な状態にあるため、 噛んだときに上下の歯がきちんと接触しないことがあります。 このため一時的に「今までと異なる噛み合わせ」と感じる時期がどうしても生じます。

マウスピース矯正では奥歯の沈み込みが起こりやすい

近年増えているマウスピース矯正では、マウスピース装着時の厚みの影響や食いしばり・歯ぎしりによって、奥歯が歯茎方向に沈み込むことがあります。奥歯が沈み込むと、噛んだときの高さにズレが生じるため、前歯だけが当たる、あるいは奥歯ばかり当たるなどの噛み合わせのアンバランスが 発生しやすくなります。 歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は特に要注意
です。

調整直後はワイヤー矯正でも噛み合わせが変わりやすい

ワイヤー矯正の場合は、通院のたびにブラケットやワイヤーを調整し、歯にかかる力の方向や大きさを変化させます。調整後は前回の状態とは微妙に歯の位置が変わるため、噛み合わせの違和感を感じやすいです。数日すると慣れてきますが、 特に調整直後は圧迫感や痛みを伴うこともあるため注意が必要です。

具体的な原因

歯の移動スピードや方向が個人差によって異なる

矯正治療では、歯を動かすスピードや方向は患者さん一人ひとり異なります。顎の骨の硬さ、歯の根の長さ、遺伝的な要素などによって、治療開始時に立てられた計画と実際の進行状況にズレが出ることも珍しくありません。その際、上下の歯の動きに差があると一時的に噛み合わない状態になります。

装置の破損や不適合

ワイヤー矯正ではワイヤーが外れたり、ブラケットが破損したりすることがあります。マウスピース矯正の場合でも、マウスピースに亀裂が入る、きちんとはまらなくなるなどのトラブルが起これば、予定通り歯を動かせないため、噛み合わせに違和感が生じます。こうした装置のトラブルはそのまま放置すると治療効果が十分に得られないだけでなく、歯列に大きな影響を与える可能性があるため、発見次第早めに歯科医院に連絡しましょう。

自己管理不足による後戻り

特にマウスピース矯正で注意が必要なのが装着時間の管理です。1日20時間以上など、歯科医師から指定された装着時間を守らないと、歯が元の位置に戻ろうとする「後戻り」が起こり、噛み合わせが安定しにくくなります。また、ワイヤー矯正でも通院を怠って調整時期が遅れると、治療の進行に滞りが生じます。計画通りに矯正が進まないことで、噛み合わない状態が長引くこともあるので注意が必要です。

対処法

まずは様子を見る

矯正装置を新しくしたり調整を行ったりした直後には、ほとんどの方が何らかの違和感を覚えるものです。多くの場合は3日~1週間ほどで落ち着きます。歯がゆっくり動き始め、顎や口腔内の筋肉が新しい噛み合わせに慣れる期間だと考えられますので、強い痛みがなければ、まずは数日様子を見て状態を観察してみましょう。

長引く場合や痛みが強い場合は歯科医師へ相談

1週間以上経っても噛み合わせの違和感がなくならない、あるいは痛みが増しているなど、生活に支障をきたすほどのトラブルを感じる場合は、歯科医院に連絡しましょう。次の通院日を待たず、できるだけ早めに相談することが大切です。調整のし直しや装置の交換など、適切な処置を受ければ問題が解消する可能性が高いです。

マウスピースの装着時間を守る

マウスピース矯正の場合、指示された装着時間を守らなかったり、自己判断で長時間外したりすると、歯の移動に支障が出たり後戻りが起こったりします。違和感がある場合は外したくなるかもしれませんが、特別な指示がない限りは処方された時間を厳守しましょう。装着時間を記録しておくと管理しやすくなります。

噛み合わせの調整を早めてもらう

治療中、どうしても噛み合わせが安定しない場合や、ブラケットやワイヤーが違和感の原因になっている場合は、歯科医師に早めの調整をお願いするとよいでしょう。装置を微調整することで、噛み合わせの不具合が改善する場合もあります。ただし、やみくもに調整回数を増やすのではなく、きちんと歯科医師の説明を聞いたうえで判断しましょう。

矯正中に気を付けたいトラブル

虫歯・歯周病のリスクが高まる

矯正中はブラケットやワイヤーなどの装置がついている分、歯磨きがしにくくなります。食べかすやプラークが溜まりやすいため、虫歯や歯周病のリスクが上昇し、これらが悪化すると矯正治療を中断して一時的に虫歯治療や歯周病治療をしなければならないこともあります。また、詰め物や被せ物によって歯の形態が変わると、そのぶん矯正装置の作り直しが必要になる場合もあるので注意が必要です。

顎関節症や顎の痛み

矯正中は歯や顎への負担が増えやすく、噛み合わせの変化によって顎関節に痛みや疲労感を覚えることがあります。強い痛みがある、痛みが長期化する、大きく口を開けるのが困難になるなどの症状があれば、矯正治療で顎への力のかかり方が偏っている可能性もありますので、一度診察を受けましょう。

装置の破損

ワイヤーやブラケットが外れる、マウスピースにひびが入るといったトラブルがあれば、治療効果を十分に得られません。装置の破損に気づいたら、自己判断で装着をやめたり放置したりせず、まずは歯科医院に連絡しましょう。応急処置を行うか、次回の通院時まで様子を見るかなど、適切な対応を案内してもらえます。

後戻り

矯正中から起こる「後戻り」は、特にマウスピース矯正で装着時間が守れない方によくみられます。せっかく動かした歯が元に戻ろうとすると、治療効果が薄れるだけでなく治療期間が延びる原因にもなります。後戻り防止のためには歯科医師の指示通りに装置を使用し、定期的に噛み合わせをチェックしてもらうことが重要です。

正しい噛み合わせがもたらすメリット

矯正中はどうしても「今噛み合わないから不安…」とネガティブな気持ちになりがちですが、最終的に正しい噛み合わせが得られれば、多くのメリットが待っています。。

メリット
咀嚼力の向上:しっかり噛めることで胃腸への負担が減り、消化・吸収がスムーズになる
虫歯・歯周病のリスク低減:歯並びが整うことで歯磨きしやすくなり、トラブルの予防につながる
顎関節への負担軽減:噛み合わせが正しくなると顎関節症のリスクを下げられる
発音の明瞭化:歯のすき間から空気が漏れづらくなり、発音がはっきりする
口元の美しさや自信の向上:笑顔に自信を持てるだけでなく、顔の印象も明るくなる

歯列矯正を最後まできちんと続けてゴールに近づけば、様々なメリットを得られます。途中の「噛み合わない時期」をどのように乗り越えるかが、スムーズな矯正生活のカギとなるでしょう。

正しい噛み合わせとは

矯正中の方やこれから矯正を検討している方にとって、「そもそも正しい噛み合わせってどんな状態なの?」と思う方は多いでしょう。一般的に、次のような状態が「理想的な噛み合わせ」とされています。

理想的な噛み合わせ
上下の歯の正中線(中央のライン)が揃っている
上下の歯を噛み合わせたときに大きな隙間ができない(5mm以下)
上の前歯が下の前歯よりも2~3mm程度外側にある
無理なく口が閉じられる
奥歯同士がしっかりと噛み合っている

不正咬合とは

理想的な噛み合わせとは反対に、歯並びや顎の骨格の問題などで不正咬合が起こることがあります。主な不正咬合には、以下の7種類があります。

不正咬合の種類 主な特徴
上顎前突 いわゆる出っ歯で、上顎前歯が前方に突出している
下顎前突 いわゆる受け口で、下顎が前に出ている
空隙歯列 歯と歯の間に隙間ができる「すきっ歯」の状態
過蓋咬合 上の歯が深く下の歯にかぶさる深い噛み合わせ
交叉咬合 奥歯の噛み合わせが上下逆転している状態
叢生(そうせい) 歯が重なり合ってガタガタに生えている状態
開咬 奥歯を噛み合わせたときに前歯が噛み合わない状態

これらの不正咬合を改善し、正しい噛み合わせを得るために行う矯正治療は、外見的な審美面だけでなく咀嚼機能や発音、さらには顎関節への負担を軽減するなど、多方面の健康維持にも良い影響を与えます。途中で噛み合わせに違和感があっても、最終的に望ましい状態を得るための一時的な過程だと理解しておくことが大切です。

ズレを最小限にするセルフケア

食事のとり方に気をつける

矯正中は硬いものや粘着質のものを無理に食べると、装置が外れてしまうことがあります。装置トラブルは噛み合わせのズレを引き起こす原因になるため、硬い食べ物は小さく切る、ガムやキャラメルのように粘り気の強い食品は避けるなどの工夫をしましょう。

毎日の歯磨きを入念に行う

虫歯や歯周病は矯正中の大敵です。ブラケットが付いている場合は歯と装置のすき間、マウスピース矯正ならマウスピースの内側など、歯ブラシや歯間ブラシを駆使して清潔に保ちましょう。虫歯や歯周病が進行すると矯正計画が狂い、余計な治療期間が発生してしまいます。

ストレスや歯ぎしりをケアする

日常のストレスや睡眠時の歯ぎしりは、矯正装置に過度な力を加えてしまい、奥歯の沈み込みや装置の破損を誘発する要因となります。マウスピース矯正中の方はこまめなマウスピースのチェックをするなどして、歯ぎしりによる悪影響を抑えましょう。

まとめ

歯列矯正中に「噛み合わないな…」と感じる時期があるのは、珍しいことではありません。歯並びや噛み合わせを理想的な状態に近づけていく過程で、一時的に違和感を覚えるのは自然な現象です。

ただし、違和感が長引く、痛みが強くなる、あるいは装置が壊れているといった場合は、速やかに歯科医師へ相談しましょう。途中で放置すると、矯正の質が下がり、治療期間の延長や仕上がりに影響を及ぼす可能性があります。
また、矯正中は正しいセルフケアと歯科医師の指示を守ることが何より大切であり、一時的な違和感を乗り越えれば、綺麗で機能的な歯並びを手に入れることができます。美しく健康的な口元を目指して、日々のケアを続けながら治療のゴールを目指しましょう。

日本歯科グループのクリニックでは、豊富な治療実績と先端の技術力を活かし、患者さまの希望に沿ったオーダーメイドのマウスピース矯正を提供しています。専門スタッフのチーム医療と充実したサポート体制で、術前の疑問や不安をしっかりと解消しながら、安全・安心の治療を目指します。まずはお気軽にご相談ください。

この記事の監修

今本院長

日本歯科札幌 院長 今本 芳彦

北海道出身。
卒後、自由診療専門のクリニックで研鑽を積む。
10年間、自由診療専門のクリニックで院長として活躍。
北海道でトップクラスのインプラント実績を誇る。
他にもマウスピース矯正、審美治療を得意とする。

この記事の監修

日本歯科静岡 院長 戸田 紀章

静岡県出身。
卒後、埼玉医科大学口腔外科で研鑽を積む。
その後、静岡歯科で10年間研鑽を積んだ後、日本歯科静岡の院長に就任。
静岡県トップクラスのインプラント治療実績を持つ。
審美治療やマウスピース矯正も得意とする。

この記事の監修

早川理事長

日本歯科グループ 代表 早川 好昭

東京都出身。
静岡県で静岡歯科を開業。
高度先進歯科医療クリニックとして日本歯科グループを開設。
同グループとして静岡歯科、日本歯科札幌、日本歯科静岡、日本歯科名古屋などがある。
日本歯科グループの代表として全てのクリニックを統括。

この記事の監修

稲津副院長

日本歯科名古屋 院長 稲津 由美子

大手歯科グループの院長として長年活躍。
その後静岡歯科の副院長として8年間研鑽を積み、日本歯科名古屋の院長に就任。
女性歯科医師として全国でトップクラスのインプラント実績を持つ。
マウスピース矯正と審美治療を得意とする。