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歯周病は治る?治らない?進行度別の治療法と再発を防ぐケア【静岡歯科が解説】

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結論:歯周病は、炎症が歯ぐきだけにとどまる「歯肉炎」の段階なら、正しい歯みがきと歯科医院でのクリーニングで健康な状態に戻すことが期待できます。歯を支える骨まで失われる「歯周炎」に進むと、骨は基本的に元に戻らないため、治療で炎症を抑えて進行を止め、良い状態を保つことが目標になります。どの段階でも、治療後の定期的なメンテナンスが再発予防のカギです。

この記事では、歯周病の症状と進行度、段階別の治療法、再発を防ぐケアの方法について、静岡歯科が解説します。

歯周病とは?主な症状と進行のしかた

歯周病は、歯ぐき・歯根膜・歯槽骨など、歯を支える組織に起こる病気の総称で、主な原因は歯垢(プラーク)です。[1]

歯科疾患実態調査では、歯周ポケット(歯と歯ぐきの間の溝が深くなった状態)がある人の割合は年齢とともに高くなり、45歳以上では過半数を占めるとされています。[2]

歯周病の主な症状

  • 歯みがきのときに出血する
  • 歯ぐきが赤く腫れる
  • 口臭が続く
  • 歯ぐきが下がり、歯が長く見える
  • 歯ぐきから膿が出る
  • 歯がぐらつく、かむと痛い

初期には自覚症状が少ないことも多く、気づかないうちに進行することがあります。[3]症状があるかどうかだけでは進行度は分からないため、検査で歯周ポケットの深さや骨の状態を確認することが大切です。自治体によっては歯周病検診を実施しており、歯ぐきの出血や歯周ポケット、歯石の有無などを調べられます。[1]

歯肉炎と歯周炎の違い

歯周病は、炎症の広がりによって「歯肉炎」と「歯周炎」に分けられます。[1]

段階 状態 治療の目標
歯肉炎 炎症が歯ぐきにとどまり、歯を支える骨は壊れていない[1] 炎症をなくし、健康な状態に戻す
歯周炎 炎症が深い組織に広がり、歯周ポケットが深くなって骨が失われていく[3] 炎症を抑えて進行を止め、良い状態を保つ

健康な歯ぐきの溝の深さは1〜3mm程度とされています。[3]歯周炎が進むと溝が深くなり、重い場合は歯がぐらついて抜歯が必要になることもあります。[3]

歯周病は治る?進行度による違い

歯周病が「治る」かどうかは、進行度によって意味が変わります。

歯肉炎の段階なら、健康な状態に戻すことが期待できる

歯肉炎は、歯を支える骨がまだ壊れていない段階です。原因となる歯垢や歯石を取り除き、毎日の歯みがきを改善することで、炎症が治まり健康な歯ぐきに戻ることが期待できます。早期に受診することが何より大切です。

歯周炎は「進行を止めて保つ」ことが目標

歯周炎で失われた骨は、基本的に自然には元に戻りません。そのため、治療で炎症を抑え、進行を止めて安定した状態を保つことが目標になります。条件が合う場合には、再生手術や骨移植によって骨の回復を促すこともあります。[4]

日本歯周病学会会誌の解説では、治療後に炎症がなく歯周ポケットが3mm以下になった状態を「治癒」、深いポケットが一部残っていても安定している状態を「病状安定」と呼び、中等度以上の歯周炎では病状安定となることも多いとされています。[5]

受診の目安

次のような変化があれば、早めに歯科医院で検査を受けましょう。

  • 歯みがきのたびに出血する
  • 歯ぐきの腫れや口臭が続いている
  • 歯が以前より長く見える、すき間が広がった
  • かむと違和感がある、歯が動く気がする

段階別:歯周病の治療法

歯周病の治療は、まず原因となる汚れを取り除く基本治療から始め、その効果を確認しながら次の段階へ進むのが一般的です。[5]

歯肉炎・軽度の歯周炎

  • 歯みがき指導:一人ひとりに合った正しいみがき方を身につけます
  • スケーリング:歯の表面や歯ぐきの際についた歯石を取り除きます
  • 専門的なクリーニング:自分では落としきれない汚れを除去します

中等度の歯周炎

  • スケーリング・ルートプレーニング(SRP):歯周ポケットの奥の歯石や汚れを取り除き、歯の根の表面をなめらかにします。歯周炎の治療の第一段階です。[4]
  • 抗菌薬:深いポケットが残る場合などに、必要に応じて使われます。[4]

基本治療の後は、歯周ポケットの深さなどを再び検査(再評価)し、改善の程度を確認します。[4][5]

重度の歯周炎

  • 歯周外科治療:歯ぐきを開いて、奥の歯石を直接見ながら取り除き、清掃しやすい形に整えます。[4]
  • 歯周組織再生療法:条件が合う場合に、失われた骨などの回復を促す治療です。[4]
  • かみ合わせの調整・固定:ぐらつく歯を固定したり、かみ合わせを調整したりすることがあります。[4]

外科治療や再生療法が適応になるかどうかは、骨の形や全身の状態などを検査したうえで歯科医師が判断します。治療に伴う腫れや痛み、歯ぐきが下がるなどの変化が起こることもあるため、事前に説明を受けてください。

歯を失った場合

重度の歯周炎で歯を失った場合は、ブリッジ・入れ歯・インプラントなどで補います。[6]歯周病のある方がインプラントを検討する場合は、先に歯周病の治療を行うことが推奨されています。喫煙者や歯周病のある方では、インプラントが長く残る割合が低いと報告されているためです。[7]

インプラントは健康保険が適用されない自由診療です。治療内容は検査・埋入手術・骨と結合するまでの待機(下あごで2〜3か月、上あごで4〜6か月程度が目安)・人工歯の装着・定期メンテナンスで、手術に伴う腫れや痛み、インプラントのまわりの骨が失われる「インプラント周囲炎」などのリスクがあります。[7]日本歯科グループの公式サイトでは、インプラント1本あたりの費用は、ストローマン(10年保証)35万〜45万円、ネオデント(5年保証)25万〜35万円、バイオテム(1年保証)15万〜25万円(上部構造の材質により異なり、レントゲン・CTスキャン・手術代を含む)と掲載されています(税込・公式サイト記載の料金、症例により別途費用あり)。詳しくは日本歯科グループのインプラント治療ページをご覧ください。

再発を防ぐための歯周病ケア

歯周病は再発しやすいため、治療で良くなった状態を保つための毎日のセルフケアと定期的なメンテナンスが欠かせません。[5]

毎日のセルフケア

  • フッ化物配合の歯みがき剤で、1日2回ていねいに歯をみがく[3]
  • 歯と歯ぐきの境目に毛先を当て、小刻みに動かす
  • デンタルフロスや歯間ブラシで、歯と歯の間も毎日清掃する[3]
  • 歯間ブラシは、歯科医院でサイズを選んでもらう

定期的なメンテナンス

メンテナンスでは、歯周ポケットや出血の有無などを検査して変化を確認し、歯石の除去や専門的なクリーニングを行います。日本歯周病学会会誌の解説では、一般的に3か月ごとの来院が望ましく、リスクに応じて間隔を調整するとされています。[5]

メンテナンスは、問題が起きてから受診するのではなく、良い状態を保つための通院です。治療が終わって症状がなくなっても、歯周ポケットの中では変化が起きていることがあるため、続けることが大切です。

生活習慣の見直し

リスク因子 ポイント
喫煙 歯周病の最も大きなリスク因子とされ、治りを遅くし治療の効果も下げる。禁煙で治療結果が改善する[3]
糖尿病 歯周病との関連が報告されている。血糖のコントロールも大切[1][4]
ストレス・加齢など 歯周病のリスク因子として挙げられている[3]

静岡歯科でのご相談について

歯ぐきの出血や腫れ、口臭、歯のぐらつきが気になる方は、静岡歯科(静岡市葵区追手町2-15 MRKビル3階、JR静岡駅から徒歩5分・新静岡駅から徒歩1分)にご相談ください。歯周病治療は保険診療で行っており、歯周ポケットの検査やレントゲン・CT検査で進行度を確認し、現在の状態と治療の流れ、メンテナンスの方法についてご説明します。歯を失った場合の治療法についても、それぞれの特徴やリスクを含めてご案内します。詳しくは日本歯科グループの歯周病治療のページをご覧ください。

よくある質問

歯周病は自然に治りますか?

歯周病の主な原因は歯垢(プラーク)や歯石で、歯石は歯みがきでは取れないため、自然に治ることは期待できません。歯肉炎の段階でも、正しい歯みがきと歯科医院でのクリーニングが必要です。歯ぐきの出血や腫れに気づいたら、早めに受診しましょう。

歯周病で失われた骨は元に戻りますか?

歯周炎で失われた骨は、基本的に自然には戻りません。条件が合う場合には、歯周組織再生療法などで骨の回復を促すことがあります。適応になるかどうかは、検査をしたうえで歯科医師が判断します。

歯周病の治療にはどのくらい通院が必要ですか?

進行度やお口の状態によって異なります。歯石除去などの基本的な治療を行った後、再評価をして、必要に応じて外科治療に進みます。治療が終わった後も、再発を防ぐために定期的なメンテナンスが続きます。

タバコを吸っていると歯周病は治りにくいですか?

喫煙は歯周病の大きなリスク因子で、治りを遅くし、治療の効果も下げるとされています。歯周病の治療を受ける際は、禁煙もあわせて検討することをおすすめします。

メンテナンスはどのくらいの間隔で通えばよいですか?

日本歯周病学会会誌の解説では、一般的に3か月ごとの来院が望ましく、リスクに応じて間隔を調整するとされています。実際の間隔は、お口の状態に合わせて歯科医師と相談して決めます。

参考情報

  1. 厚生労働省「歯周病検診について」
  2. 厚生労働省 e-ヘルスネット「歯周病の有病率」
  3. 米国国立歯科・頭蓋顔面研究所(NIDCR)「Periodontal (Gum) Disease」
  4. MSDマニュアル プロフェッショナル版「歯周炎」
  5. 茂木美保「メインテナンス・SPTにおける3つのポイント」日本歯周病学会会誌 57巻3号(2015)
  6. 日本口腔インプラント学会「入れ歯やブリッジとの違いは」
  7. 日本口腔インプラント学会「よくあるご質問」