矯正が痛くて食べれないのはいつまで?痛みのピークと対処法を解説
歯列矯正を始めるにあたって、多くの方が心配するのが「装置をつけた後の痛み」です。特に矯正装置をつけ始めた直後や調整直後には歯が動く感覚に慣れず、食事が痛くてしづらいと感じる人も少なくありません。
矯正中の痛みがどのくらい続くのか、痛みのピークや対処法、痛みがあるときに食べやすい食事の工夫などを知ることで、無理のない矯正ライフを送りましょう。
矯正中に痛いと感じる原因
歯列矯正は歯に力をかけてゆっくり移動させる治療方法です。治療の特性上、以下のような理由で痛みが生じることがあります。
歯が動く圧力による痛み
矯正ワイヤーやマウスピースで歯を動かすとき、歯根や歯茎には一定の圧力がかかります。これは歯並びをきれいに整えるために必要な力ですが、慣れるまでは歯に鈍い痛みや違和感が生じることがあります。ワイヤー矯正ならワイヤーやブラケットの装着直後、マウスピース矯正なら新しいマウスピースに交換した直後に痛みが出やすく、食事のときに強く噛めないという方が多いです。
矯正中の痛みに対する不安を早期に解消することはとても大切です。痛みのメカニズムを知ったうえで、対処法や食事の工夫を取り入れると、ストレスを大きく軽減できます。
口内炎や歯肉炎による痛み
ワイヤー矯正では、ブラケットやワイヤーが唇や頬の内側、舌に当たって口内炎を起こすことがあります。マウスピース矯正でも、マウスピースの縁が尖っている部分があれば、それが粘膜にこすれて口内炎になってしまう場合があります。口内炎ができると食事のときにしみたり痛みを感じたりするため、痛みが強いときは歯科医院で装置の調整をしてもらいましょう。
痛みのピークは2~3日
「矯正が痛くて食べれないのはいつまで?」と不安になる方は多いですが、痛みはずっと続くわけではありません。一般的にはワイヤーの調整直後や新しいマウスピースを装着してから2~3日ほどが痛みのピークで、1週間程度かけて徐々に和らいでいくことが多いです。
もちろん個人差があるため、痛みがほとんどない人もいれば、1週間以上続く人もいます。ただし、強い痛みが長引くときは歯科医師に相談し、矯正装置の調整や痛み止めの処方などの対応を検討してもらいましょう。
痛みが和らぐまでの対処法
痛みが気になるときは、歯科医師の指示に従って市販の鎮痛剤を服用したり、歯科医院で痛み止めを処方してもらったりすると一時的に楽になる場合があります。ただし、痛み止めを頻繁に使いすぎると歯の移動を遅らせる可能性があるため、痛み止めを服用する場合は医師と相談しましょう。
口内炎で痛む場合は、ワックスを使用して装置と粘膜の擦れを減らしたり、うがい薬や口内炎用のパッチなどを活用したりすると症状が和らぎます。食事が取りづらいと感じる場合は、柔らかい食材や飲み込みやすいメニューを中心に選ぶと良いでしょう。
矯正中の食事のコツ
矯正中は、「硬いものを噛めない」「食事がしづらい」といった悩みがつきものです。痛みに配慮しつつ、栄養バランスを保った食事がおすすめです。
柔らかい食材を中心に取り入れる
矯正中で痛いときは、硬い食材や粘着性の高い食材は避けるのが無難です。以下のような柔らかい食材を上手に活用してください。
- お粥・雑炊・リゾット
- 豆腐・湯豆腐・茶碗蒸し
- 玉子料理(スクランブルエッグ、オムレツ)
- スープ・シチュー・野菜ジュース
- ヨーグルト・プリン・ゼリー
特に矯正装置をつけ始めたばかりや調整後の数日は、噛む力が加わるだけで痛みが走ることもあります。そのため、噛まなくても飲み込みやすいメニューを選ぶとストレスなく食事をとりやすいでしょう。
調理方法で食べやすさを工夫する
人参や大根などの根菜類は細かく刻んだりすりおろしたりして煮込むと、柔らかくなって食べやすくなります。また、硬いお肉もひき肉を使ってハンバーグにする、野菜を煮込んでポタージュにするなど、調理方法によって痛みの負担を軽減することが可能です。
粘膜を保護するビタミンを摂取する
口内炎や歯肉の炎症が起きると痛みが増すため、粘膜を守るビタミンB群を積極的に摂りましょう。
- ビタミンB2が豊富なレバー、のり、玉子、納豆、牛乳
- ビタミンB6が豊富なまぐろ、かつお、バナナ、にんにく
どの食材も、噛みやすく食べやすい形状に調理するのがおすすめです。例えばレバーやまぐろは柔らかく加熱してほぐしたり、かつおをたたきにしたりすると食べやすくなります。
ワイヤー矯正中の食事で気を付けたいこと
ワイヤー矯正の場合、装置をつけたまま食事を行うため、装置への負担や歯への衝撃に注意する必要があります。特に以下のような食材には気をつけましょう。
硬いものや粘着性の高い食材に注意
硬い食材の例 | 粘着性の高い食材の例 |
---|---|
フランスパン、せんべい、ステーキ | 餅、ガム、ソフトキャンディ |
りんご(丸かじり) | ラーメンやパスタ(長い麺類は装置に絡みやすい) |
硬い食べ物は装置の破損やワイヤーの変形につながる恐れがあります。また、粘着性の高い食材はブラケットやワイヤーにくっついて外れる原因になる場合もあります。どうしても食べたい場合は、細かく切る・小さく刻むなどの工夫をして食べましょう。
歯磨きやうがいを徹底する
矯正装置をつけていると、食べかすが普段よりもはさまりやすくなります。そのまま放置すると虫歯や歯肉炎の原因になるので、食後は必ず歯磨きやうがいを行うことが重要です。外食やデートの際も、小さめの歯ブラシや歯間ブラシを携帯しておくと便利です。
マウスピース矯正なら痛みによる食事制限はほぼなし
マウスピース矯正の場合は、食事のときにマウスピースを取り外せるため、ワイヤー矯正よりも自由度が高いといわれており、以下のようなメリットがあります。
- 矯正装置を外した状態で食べられるので、基本的に食事制限がない
- ワイヤーやブラケットと違い、装置に食べかすが挟まる心配が少ない
- 歯磨きがしやすく、お口の衛生状態を保ちやすい
マウスピースを外して食事や間食をすると、そのぶん装着時間が短くなる点には注意が必要です。所定の装着時間(1日20時間前後など)を守らないと、矯正期間が延びたり計画どおりに歯が動かなかったりすることがあります。痛みが強いときも無理をせず、食事の際にマウスピースを外して口内をリラックスさせることができますが、外しすぎには注意しましょう。
外食やデートを楽しむためのポイント
矯正中でも、外食やデートなど人と食事をする機会は楽しみたいものです。ワイヤー矯正・マウスピース矯正ともに、以下のような工夫をすることでストレスを軽減できます。
口に運ぶ前に小さくカットする
前歯で噛みちぎらなければならない料理は、ナイフやフォーク、箸であらかじめ小さく切っておきましょう。見た目も上品で、口の中に食べかすが残りにくくなります。
小さな口で噛む・笑うときは口元に手を添える
大きく口を開けると矯正装置が目立ったり、挟まった食べかすが見えたりするリスクが高まります。外食時は口元をなるべく隠すようにすると、装置や食べかすが人目に触れにくくなり安心です。
食後は歯磨き、時間がないときはうがいやマウスウォッシュ
可能であれば歯ブラシを使って食べかすをしっかり除去するのが望ましいですが、時間がないときや人の目が気になるときは、マウスウォッシュなどで簡単にうがいをして、帰宅後は丁寧に歯磨きを行いましょう。
矯正期間を短くしたいなら治療プランの見直しも検討
矯正の痛みに対するストレスは、期間が長くなるほど大きくなるものです。一般的に歯列矯正は1~2年程かかるといわれますが、歯並びの状態や治療方針によって期間には差が出ます。治療効率の高い矯正法を選べば、矯正期間を短くできる可能性もありますので、カウンセリング時に納得するまで相談してみてください。
また、痛みに弱いという方は、装置を取り外せるマウスピース矯正も選択肢のひとつです。歯科医院によっては部分矯正を取り扱っているところもあるため、なるべく負担を減らしたい場合は治療プランをしっかり検討しましょう。
まとめ
矯正が痛くて食べれない期間は、いつまで続くか分からず不安になるかもしれません。しかし多くの場合、痛みのピークは2~3日ほどで、1週間程度で和らぎ始めます。痛みが強いときは柔らかい食材を中心に選び、調理方法や食事の仕方を工夫するなどして少しでも快適に過ごす工夫をしてみてください。ワイヤー矯正と比べて痛みの軽減や食事制限の少なさを優先したい方は、マウスピース矯正を検討するのもおすすめです。気になることがあれば遠慮なく歯科医師に相談し、安心して矯正を続けていきましょう。
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