矯正中の食事はどうする?おすすめ食材と避けたいものを詳しく紹介
矯正治療中の食事制限について、「美味しいものを思い切り食べられなくなるのでは?」と不安に感じていませんか。確かに装置の種類や治療段階によって注意が必要な食べ物はありますが、少し工夫をするだけで意外と快適に過ごせるものです。矯正中に気をつけたい食材やおすすめのメニューを参考に、理想の歯並びと充実した食生活の両立を目指しましょう。
矯正中の食事制限が必要な理由
矯正治療では、歯が少しずつ移動するために一定の力を加えています。そのため無理な力がかかると装置が破損し、治療期間が延びるリスクが高まります。また、歯に装着した装置の周りは歯垢(プラーク)がたまりやすく、適切にケアしないと虫歯や歯周病のリスクが高くなることもあります。食事制限は、装置を破損させない・歯の健康を守るためにも重要なポイントといえます。
装置別の食事制限の違い
矯正治療と言っても、ワイヤー矯正・裏側矯正・マウスピース矯正などさまざまな装置や方法があります。それぞれの特徴によって、食事の際に気をつけたいポイントにも違いがあります。
ワイヤー矯正の場合
歯の表面にブラケット(小さな装置)を装着し、ワイヤーで歯を動かすワイヤー矯正は、もっとも一般的な矯正方法です。食事の際にはブラケットやワイヤーに硬い食べ物が当たることで破損しやすくなり、また粘着性のあるものが挟まってしまうと清掃が困難になるというデメリットがあります。カレーやコーヒーなど色素が強い飲食物を頻繁に摂取すると、ブラケットやワイヤー部分が着色して目立ちやすくなることもあるため注意が必要です。
裏側矯正の場合
裏側矯正はブラケットを歯の裏側(舌側)に装着するため、外からはほとんど装置が見えないというメリットがあり、審美性の高さで人気を集めています。ただし、歯の裏側に装置がある分、慣れるまでに舌が装置に当たって痛みを感じたり、発音しづらくなることも少なくありません。食事中は表側矯正同様に装置への強い力や食べかすの詰まりに注意が必要です。見た目は目立ちにくいものの裏側矯正の場合も硬い食材や粘着性のあるものを無理に噛むと破損やトラブルが起こりやすく、清掃の際にも装置が舌側にあるため慣れが必要となります。
マウスピース矯正の場合
マウスピース矯正(インビザラインなど)は、透明なマウスピース型の装置を使用して歯を動かす方法です。最大の特徴は取り外しができる点で、食事の際は基本的にマウスピースを外せば、装置に影響を与えず好きなものを食べられます。ただし、マウスピースをつけたまま食べると装置が破損・変形しやすくなるだけでなく、着色や衛生面のリスクも高まります。食後は装置を装着する前に歯磨きを行い、しっかりと口内と装置を清潔に保つことが大切です。
矯正中に避けたい食べ物とは?
「食事制限」と聞くとストレスを感じる方もいるかもしれません。しかし、矯正中に「絶対に食べられない」というわけではなく、注意が必要な食べ物を知っておくことでトラブルを予防しやすくなります。ここでは矯正中に避けたい食べ物の特徴を見てみましょう。
主に避けたい食べ物は「硬い」「粘着性がある」「装置に挟まりやすい」「着色しやすい」の4つです。
特徴 | 例 |
---|---|
硬い食べ物 | フランスパンの硬い皮、ナッツ、固焼きせんべい、氷、骨付き肉、硬い果物(リンゴや梨の丸かじり)など |
粘着性のある食べ物 | キャラメル、ガム、グミ、餅、飴など |
挟まりやすい食べ物 | トウモロコシ、繊維の多い野菜(ごぼう、たけのこ等)、ポップコーンなど |
着色しやすいもの | カレー、コーヒー、紅茶、ケチャップ、ソース、赤ワインなど色素の濃い飲食物 |
矯正中は、可能な限りこれらの食べ物を避けるか、食べる場合は細かく切るなどの工夫をすることが大切です。装置の破損や汚れの原因になるだけでなく、痛みや治療期間の延長につながる可能性もあるため注意してください。
矯正中におすすめの食材と料理
「硬い」「粘着性がある」「挟まりやすい」「着色しやすい」といった食べ物を気にしていると、どうしても食べられる物が限られるのではないか、と不安に感じるかもしれません。しかし、矯正期間中でも食べやすく工夫されたメニューはたくさんあります。
主食:柔らかくアレンジしやすいものを選ぶ
うどん・そうめん・パスタ:
麺類は比較的やわらかく、調理もしやすいため矯正中でも人気です。特に温かいスープに入れて柔らかくしたうどんやそうめんは、歯や装置への負担が少なく安心して食べられます。パスタはソースを選べば飽きがこないので便利です。
おかゆ・リゾット:
しっかりと煮込まれたお米料理は、噛む力が弱いタイミングでも安心して食べられます。味付けやトッピングを変えるだけでバリエーションが広がるのも魅力です。
パン粥:
パンを牛乳やコンソメなどのスープでふやかして作るパン粥は、優しい味わいで朝食にもぴったり。忙しい朝でも短時間で作れるので、矯正中にはありがたいメニューです。
主菜:たんぱく質をしっかり摂ることが大切
煮魚・蒸し魚:
骨をしっかり除いてあれば食べやすい魚料理。煮魚や蒸し魚は柔らかいため、歯や装置に負担をかけません。脂質が少なく、良質なたんぱく質やオメガ3脂肪酸も摂取できるので健康面でもおすすめです。
鶏肉のソテー・ハンバーグ:
鶏肉は脂肪が少なくたんぱく質が豊富。ハンバーグは野菜をすりおろして混ぜ込むことで、柔らかさと栄養価を同時にアップさせることができます。噛む力が弱いときには小さめのサイズに成形するとさらに食べやすいです。
卵料理:
卵焼きや茶碗蒸し、スクランブルエッグなどバリエーション豊富。卵は良質なたんぱく質やビタミンが含まれ、成長期の子どもから大人まで幅広く取り入れたい食材です。
副菜:野菜や豆類でビタミン・ミネラルを補給
温野菜:
にんじんやブロッコリー、かぼちゃなど、茹でたり蒸したりした野菜は柔らかく食べやすいだけでなく栄養も抜群。歯応えが必要ない程度に火を通すことで、装置への負担を軽減できます。
豆腐:
冷奴、湯豆腐、炒り豆腐などアレンジしやすく、たんぱく質とカルシウムが豊富。副菜として一品追加するだけで、お腹も満たされます。
スープ:
野菜や肉をたっぷりと煮込んだスープは栄養バランスがよく、温かい汁物は痛みがあるときでも口にしやすいです。好みの具材を選んで飽きずに楽しめます。
デザート・おやつ:甘いものも楽しもう
ヨーグルト・プリン・ゼリー:
柔らかい食感で口当たりが良く、歯に負担をかけにくいデザートは、フルーツをのせたり、蜂蜜をかけたりとアレンジが簡単なのも魅力です。
スムージー:
ミキサーで材料を混ぜるだけで、果物や野菜の栄養をまるごと摂取できるスムージー。忙しい朝や間食として、さっと作れて便利です。
アイスクリーム:
冷たさが痛みをやわらげる効果も期待できます。ただし、糖分が多いため食後の歯磨きは丁寧に行いましょう。
矯正中の食事を快適に楽しむためのコツ
矯正装置をつけていると、どうしても食事のストレスを感じやすくなります。しかしいくつかの簡単な工夫によって矯正中でも日常の食事を十分に楽しめるようになります。
食材を小さく切る・薄くスライスする:
一口で噛み切りにくい食材はあらかじめ小さく切る、もしくは薄くスライスしておくと装置に与えるダメージを抑えられます。歯応えがあるものでも噛み切りやすくなるので、トラブルを減らすことができます。
ゆっくり噛んで食べる:
装置に慣れないうちは噛むときに痛みを感じることもあります。ゆっくりよく噛み、唾液とよく混ぜることで消化が促進され、さらに少量でも満腹感を得やすくなります。
痛みが強いときは無理をしない:
調整直後や治療開始初期は歯が動いている影響で痛みを感じやすい時期。硬いものを避け、スープやおかゆ、豆腐など柔らかいものを中心に献立を組んでみましょう。どうしても食事がつらい場合は無理をせず、歯科医に相談してください。
外食時はメニューを事前にチェック:
レストランやカフェで食事をする場合は、あらかじめ柔らかめのメニューや麺類・煮込み料理などを選ぶと安心です。お店のスタッフに一言相談すれば、料理を細かくカットしてくれるところもあります。
歯磨き・口腔ケアを徹底する:
矯正中は装置の周りに食べ物が詰まりやすく、虫歯や歯周病になりやすい環境です。食事のあとはなるべく早めに歯磨きをし、装置に食べかすが残らないようにケアを行いましょう。マウスピース矯正の場合は、歯磨き後にマウスピースも洗浄すると清潔に保てます。
まとめ
矯正中の食事制限は、装置や歯を守るだけでなく、虫歯や歯周病を予防し治療をスムーズに進めるためにも重要です。硬いものや粘着性のあるものを控え、柔らかく作る、細かく切るなどの工夫を取り入れれば、意外とストレスなく食生活を楽しめるでしょう。食事のたびに「何を食べよう…」と悩むのではなく、矯正期間ならではのヘルシーなメニューに挑戦する機会と捉えてみるのも一つです。
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