歯列矯正の費用はいくら?気になる平均相場と内訳を徹底解説
歯列矯正に踏み切りたいと思っても、費用がどのくらいかかるのか曖昧なままだと、不安を感じてしまう方も多いのではないでしょうか。実際、歯列矯正は保険が適用されることが少なく、結果として治療費が高額になることもあります。
ただ、高い治療費だからこそ、失敗や後悔は絶対に避けたいところです。歯列矯正における平均的な相場や費用の内訳、さらに治療方法による違いなどを理解して、後悔のないクリニック選びや治療計画を立てましょう。
歯列矯正の費用相場が高くなる理由
歯列矯正は、見た目の美しさだけではなく、歯並びや噛み合わせを整えることで長期的な口腔内の健康維持にも繋がる重要な治療です。しかし、実際に治療をスタートすると、他の歯科治療と比較して高めの費用がかかる傾向にあります。なぜ矯正費用は高くなってしまうのでしょうか。
1.保険が適用されない自由診療
基本的に歯列矯正は「自由診療」に分類されます。骨格的な問題に起因する顎変形症の手術を伴う場合や、先天的な疾患に関係する場合など一部例外はあるものの、多くの方が受ける歯列矯正は保険が適用されません。そのため、患者さま自身が全額費用を負担することになります。結果として、通常の虫歯治療や歯周病治療に比べ、治療費全体の相場が高くなる傾向があるのです。
2.高額な材料費と専門的な技術料
矯正治療には、ブラケットやワイヤー、マウスピースなど特殊な装置が必要です。装置には複雑な設計と高度な製造技術が求められるため、材料費が他の一般的な治療器具より高額になりやすい特徴があります。加えて、矯正治療を行う歯科医師にも高い専門知識と技術が求められます。この「特殊装置の開発コストと専門医の高水準な技術料」が重なり、治療費が高額になりやすいのです。
3.長期的な通院・メンテナンス
歯列矯正は、短期間の治療で終わるわけではなく、全体矯正の場合は1年~2年以上かけて少しずつ歯を動かしていく場合が多くあります。その間、装置の調整や経過観察のために定期的に通院し続ける必要があります。治療が長引けば、その分だけ費用もかさんでしまうため、総額が大きくなります。
治療方法別の費用相場
歯列矯正と言っても、矯正装置や矯正方法は多岐にわたります。主な矯正方法として、ワイヤー矯正やマウスピース矯正が挙げられ、それぞれ費用も異なります。
ワイヤー矯正の相場
ワイヤー矯正は、歯の表面や裏側にブラケットを装着し、そこにワイヤーを通して歯を動かす方法です。最も歴史が長く、多くの症例に対応できる点がメリットとされますが、見た目が目立ちやすい・装置が複雑であるなどのデメリットもあります。表側矯正と裏側矯正では費用相場に大きな差があります。
- 表側矯正:およそ30万~130万円
- 裏側矯正:およそ40万~170万円
裏側矯正は、表側に比べて施術の難易度が高く、技術料も高額になりやすいことから、全体的に費用は上がる傾向があります。また、上下の矯正方法を組み合わせる「ハーフリンガル矯正」では、裏側矯正のみよりも費用がやや抑えられることも特徴です。
マウスピース矯正の相場
薄く透明なマウスピースを使用する矯正方法で、見た目の目立ちにくさが大きなメリットとして挙げられます。近年は若い世代を中心に利用者が増加している治療方法です。
- 部分矯正:10万~40万円程度
- 全体矯正:60万~100万円程度
ワイヤー矯正に比べて費用を抑えられることが多いですが、「マウスピース矯正の経験が豊富な歯科医師に担当してもらうこと」がとても重要です。担当医の技術力や診断力によっては、治療が長引いたり思うような結果が得られなかったりすることもあるため、依頼するクリニック選びがポイントになります。
矯正範囲や治療ステップごとの費用
歯列矯正の費用は、矯正装置の代金だけではありません。以下のように費用がかかるタイミングが複数あります。
ステップ | 主な費用 | 目安 |
---|---|---|
矯正前 | 初診・精密検査費用、虫歯治療や抜歯など | 0円~3万円 |
矯正中 | 矯正装置の装着費用、定期調整料 | 10万円~170万円程度 |
矯正後 | リテーナー(保定装置)費用、保定観察費 | 数万円程度 |
1.矯正前にかかる主な費用
歯列矯正を始める前には、カウンセリングや精密検査を行います。これらの費用はクリニックによって無料~数万円と差があります。また、虫歯や歯周病などが見つかれば保険診療でカバーできる場合もあれば、矯正を見据えた抜歯などは保険対象外になることもあるため、事前にしっかり確認する必要があります。
2.矯正中にかかる主な費用
矯正装置そのものの費用や、定期的な調整のための通院費(調整料)が該当します。ワイヤー矯正の場合は1か月に1回程度、マウスピース矯正の場合は2~3か月に1回程度の通院が多く、調整料は1回あたり3,000円~5,000円が目安です。さらに、矯正期間中が長引くほど通院回数が増えるため、その分費用がかかりやすくなります。
3.矯正後にかかる主な費用
歯並びを理想の位置に動かしたあとは、その状態を維持するための「保定期間」に移行します。ここでリテーナーという保定装置を装着し、後戻りを防ぐのが一般的です。リテーナーの作製費や定期的なチェックにかかる費用が必要になるため、矯正終了後もいくらかの費用が発生します。
費用を抑えながら治療を成功させるポイント
歯列矯正の費用は決して安くはありませんが、できるだけ納得のいくかたちで治療を始めるには、以下のようなポイントを意識してみるのがおすすめです。
1.複数のクリニックでカウンセリングを受ける
自由診療であるからこそ、クリニックごとに費用設定や支払い方法に違いがあります。矯正医の経験や使用する装置、歯並び状況によっても変わるため、1つのクリニックだけで即決せず、複数の歯科医院でカウンセリングを受けて、費用と治療の提案内容を比較することが大切です。
2.トータルフィー制か処置別払い制かを確認
矯正費用の支払い形態には、大きく「トータルフィー制(総額制)」と「処置別払い制」の2種類があります。トータルフィー制は最初に治療計画を立て、まとまった費用を提示するため、追加費用の心配が少ない点がメリットです。一方、処置別払い制は通院や調整ごとに支払いが発生します。どちらが自分に合っているか、治療を始める前にしっかり確認しましょう。
3.分割払いやデンタルローンの活用
クリニックによっては、分割払い(医療ローン)やクレジットカード払いに対応しているところもあります。分割にすることで、月々の負担額を抑えながら矯正治療を進めることが可能です。ただし、分割払いを利用する場合は利息や手数料の有無を含め、総額がどのくらいになるのかをしっかり把握しておきましょう。
医療費控除は適用される?
高額になることの多い歯列矯正ですが、目的によっては医療費控除が適用される可能性があります。医療費控除は1年間で一定以上の医療費を支払った際に、所得から控除される制度です。戻ってくる金額は個人の所得や支払った税金によって異なりますが、少しでも負担を軽減したい方はチェックしておきましょう。
医療費控除の対象となりやすい場合
歯列矯正が「咀嚼機能の改善」や「発音障害の改善」など、あくまで歯の機能回復を目的としている場合、医療費控除の対象になることが多いです。一方、審美目的が強い場合は対象外と判断される可能性があります。詳細は担当医に確認し、必要に応じて診断書を取得しておくと良いでしょう。
歯列矯正の費用に関するQ&A
Q1:歯列矯正にかかる期間はどれくらい?
一般的には、部分矯正なら6か月~10か月程度、全体矯正の場合は1年~2年以上かかることが多いです。治療期間が長ければ長いほど、調整料なども増えるため、トータル費用が高額になる傾向があります。事前におおよその期間と費用を見積もっておくのがおすすめです。
Q2:治療中の痛みの対処に追加費用は発生する?
装置調整時やマウスピース交換時など、歯が動き始めるタイミングで痛みを感じることが多いです。痛みへの対処法として鎮痛剤の服用などを行う場合は、保険適用内で対応できることが多いので、大きな追加費用はかからない場合がほとんどです。どうしても耐え難い痛みがある場合は遠慮なく歯科医院に相談してください。
まとめ
歯列矯正の費用は、装置の種類や治療範囲、期間、クリニックの方針によっても大きく変動します。高額な治療費とはいえ、歯並びと口腔機能を整えることで得られるメリットは長期的にみると非常に大きいものです。自分の歯並びに合った治療方法を選択するためにも、複数の歯科医院でカウンセリングを受け、治療の詳細や費用を十分に比較・検討することをおすすめします。
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