歯が一本引っ込んでいる人の矯正の値段は?部分矯正で直す場合の費用
「歯を一本だけ矯正を検討しているけれど、費用はどのくらいかかるのだろう?」と悩んでいませんか。例えば、歯が一本だけ引っ込んでいる場合でも、矯正治療にはさまざまな方法と費用相場があり、部分矯正によるピンポイントの治療や全体を視野に入れた矯正など、歯科医院によっても提案内容は異なります。
歯が一本だけ引っ込んでいる原因
なぜ歯が一本だけ引っ込んでしまうのか、その原因によっては治療方針が異なる場合もあります。
歯が一本だけ引っ込んでいる主な原因
歯が一本だけ引っ込んでしまうのは、以下のような要因が考えられます。
- 顎のスペース不足:他の歯のサイズや顎の成長バランスにより、前歯が整列するスペースが足りなくなる
- 乳歯の抜け方:早期に抜けたり遅く抜けたりすることで永久歯が正しい位置に萌出しにくくなる
- 噛み合わせの不良:上下の歯の噛み合わせが悪いと、歯列に影響を与えて部分的に歯が引っ込む
- 習慣的なクセ:指しゃぶりや舌のクセ、口呼吸などの影響
遺伝や成長過程、日常のクセなど、さまざまな要因が複合的に絡んで一本だけ歯が引っ込む場合があります。
放置した場合のリスク
「たかが一本だけだから」と放置すると、以下のようなトラブルを招く恐れがあります。
- 歯並び全体が崩れる:引っ込んだ歯が他の歯列を乱し、複数の歯に影響を与える場合がある
- 咀嚼効率の低下:噛み合わせにズレが生じ、食事の際にしっかり噛めない・噛み合わせのバランスが崩れる
- 歯の清掃が難しくなる:歯が部分的に凹んでいるために磨き残しが増え、虫歯や歯周病リスクが上がる
少し気になる程度の歯並びでも、引っ込んでいる歯を放置すると長期的には口腔内トラブルを増やすリスクが高まります。1本だけのズレでも軽視せず、早めに歯科医に相談しましょう。
部分矯正で直す場合
歯が一本だけ引っ込んでいる場合では、「部分矯正」というピンポイントの矯正治療が適応できる場合があります。部分矯正は、歯列全体を動かす必要がないため、費用や期間を抑えやすいのが特徴です。
部分矯正のメリット
部分矯正は、主に前歯や小臼歯などの限られた範囲を動かす矯正方法です。歯全体を動かさない分、治療期間が短縮しやすく、費用も抑えられるのが大きなメリットです。
部分矯正の注意点
部分矯正が適用できるかどうかは患者さんの噛み合わせやスペースの有無によって異なるため、歯科医師の正確な診断が不可欠です。
また、部分矯正を行う場合でも、歯と歯の間に小さな隙間を作る「インタープロキシマルリダクション(IPR)」が必要になることがあります。これは、歯と歯の間を0.2mm〜0.5mmほど削り、引っ込んだ歯を前に出すスペースを確保する手法です。健康な歯を削るリスクを伴うため、専門家による丁寧なカウンセリングと慎重な施術が求められます。
費用の目安
矯正治療費はクリニックや地域によって幅がありますが、目安は以下の通りです。
矯正方法 | 費用の目安 | 治療期間 |
---|---|---|
部分ワイヤー矯正(表側) | 約22万円〜44万円(税込) | 6ヶ月〜1年 |
部分ワイヤー矯正(裏側) | 約44万円(税込) | 6ヶ月〜1年 |
マウスピース矯正 | 約38.5万円〜99万円(税込) | 7ヶ月〜2年 |
部分矯正の費用だけを見れば比較的安く感じられるかもしれませんが、矯正に付随する通院費やメンテナンス費用、診断用のレントゲン撮影費などが別途かかる場合もあるため、事前にしっかりと確認しましょう。
ワイヤー矯正
部分矯正でも広く用いられるのが「ワイヤー矯正」です。歯の表面(もしくは裏側)にブラケットを装着し、ワイヤーを通すことで歯を理想的な位置へと動かしていきます。
表側ワイヤー矯正
銀色のブラケットやワイヤーというイメージが強いですが、近年は白やセラミックなど歯の色に近い素材を使用して、見た目のデメリットを軽減するクリニックも増えています。装置が目立ちにくく、かつ確実に歯を動かせるのがメリットです。一本だけ引っ込んでいる歯を少しずつ前に出す際にも力がコントロールしやすく、部分矯正としては実績豊富な方法と言えます。
裏側ワイヤー矯正
歯の裏側にブラケットとワイヤーをつけるため、正面からは装置がほぼ見えません。見た目への配慮が大きいのが特徴ですが、装着当初は舌が装置に当たって発音がやや難しくなる場合があります。また、歯磨きがしづらい点もあるため、丁寧なお手入れが必要です。裏側矯正を部分的に行う場合はそこまで多くありませんが、審美的な要求が高い場合や、矯正装置を目立たせたくない方に選ばれています。
マウスピース矯正
透明なマウスピースを装着して歯を動かす「マウスピース矯正」は、近年多くの人々に選ばれている矯正方法です。矯正中も装置が目立たない点や、取り外し可能で衛生的にも優れているため人気があります。歯が一本だけ引っ込んでいる場合では、部分矯正でも適応になることがあります。
マウスピース矯正の流れ
治療を希望する場合、まずは歯科医によるカウンセリングとレントゲン・口腔内スキャンを行い、3Dシミュレーションで歯がどのように動くのかを確認します。その後、治療計画に基づいた一連のマウスピースが作られ、1日20時間以上の装着を継続しながら、数週間ごとに新しいマウスピースへ交換していきます。
マウスピース矯正は取り外しが可能であることから、食事や歯磨きなどの際にはストレスなく過ごせる点が魅力的です。装着時間が短くなると治療結果が十分に得られない恐れがあるため、自己管理が重要となります。
費用の目安
一般的なマウスピース矯正の費用は、全体矯正を含む場合で約38.5万円〜99万円程度が目安とされます。部分的に適用する場合でも診断料や調整料、リテーナー(保定装置)代などが加算されるため、最終的な総額はカウンセリングで確認しましょう。また、通院は1〜3ヶ月に一度の頻度で行い、歯の動きやマウスピースのフィット感をチェックしながら進めていきます。
セラミック矯正による短期的な解決策
歯が一本だけ引っ込んでいる場合に、「とにかく最短で見た目を良くしたい」「歯の色や形もまとめて改善したい」という希望をお持ちの方には、セラミック矯正も選択肢となります。
セラミック矯正の特徴
セラミック矯正では、引っ込んでいる歯の表面にシェルを貼り付けるラミネートベニア法や、歯を削って被せ物をするクラウン法などがあります。最短で1ヶ月〜2ヶ月程度の期間で歯並びを整えられる点がメリットです。
ただし、健康な歯を削るリスクがあるため、歯の寿命への影響を慎重に考える必要があるのも事実です。また、歯が大きく引っ込んでいる場合は、隣の歯も含めて削る必要があったり、歯の神経処置や抜歯が必要になったりする場合もあるため、診断段階でしっかりと治療のメリット・デメリットを確認してください。
自力で歯を動かすリスク
歯並びで悩む人の中には、自宅で歯並びを改善しようと市販グッズを使用したり、指や舌を使って歯を無理やり動かそうとする方もいるようです。しかし、自力で歯を動かすことは危険な行為で、かえって歯並びを悪くしてしまう可能性もあります。
歯並びや歯茎を痛める危険性
強い力を短期間で加えると、歯茎に負担がかかり、歯の神経にも悪影響を及ぼす可能性があります。専門家の指導なしに行うと、矯正治療に必要な「適切な力の加え方」や「口腔内全体のバランス」を無視してしまい、かえって歯並びが悪化したり、抜歯リスクを高める結果になることもあります。
歯根吸収のリスク
矯正では持続的に弱い力を加えて歯を動かしますが、素人判断で力加減を誤ると「歯根吸収」と呼ばれる現象を引き起こすリスクが高まります。歯の根が短くなると、将来的に歯がグラグラして抜け落ちる可能性もあるため、必ず歯科医のもとで安全に矯正を進めることが重要です。
まとめ
歯が一本だけ引っ込んでいる症状は、軽度の歯列不正に思われがちですが、放置すると歯並び全体や噛み合わせに影響を及ぼす可能性があります。治療には部分矯正やワイヤー矯正、マウスピース矯正、セラミック矯正など複数の選択肢があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。自分に合った方法を見つけるためには、まず歯科医師に相談して、適切な診断と治療計画を受けることが大切です。
日本歯科グループのクリニックでは、豊富な治療実績と先端の技術力を活かし、患者さまの希望に沿ったオーダーメイドのマウスピース矯正を提供しています。専門スタッフのチーム医療と充実したサポート体制で、術前の疑問や不安をしっかりと解消しながら、安全・安心の治療を目指します。まずはお気軽にご相談ください。