大人の反対咬合の矯正費用はいくら?外科矯正を含む治療法別の相場
反対咬合(受け口)の矯正治療を大人になってから考える方が、実は結構いらっしゃいます。矯正では費用面が大きな関心事ですが、治療法によって金額に大きな差があります。
この記事では、大人の反対咬合矯正にかかる費用の相場を治療法別に詳しく解説します。矯正方法の選び方や保険適用の可能性についてもご紹介しますので、治療を検討されている方はぜひ参考にしてください。
反対咬合(受け口)とは?
反対咬合とは、一般的に「受け口」と呼ばれる状態で、下の前歯が上の前歯より前に出ている歯並びのことです。通常の噛み合わせでは上の前歯が下の前歯を覆うように並びますが、反対咬合ではこの関係が逆転しています。
反対咬合には主に以下の種類があります。
- 歯性反対咬合:歯だけが傾いてできる軽度の受け口
- 顎骨性反対咬合:上下の顎の位置関係や形に問題がある骨格的な受け口
- 混合型:歯と顎の両方に問題がある受け口
大人の反対咬合は子どもと違って成長による自然改善が期待できないため、症状の程度に応じた適切な治療が必要になります。放置すると、咀嚼障害や顎関節症、発音問題などの機能的な問題だけでなく、見た目の悩みにもつながります。
大人の反対咬合矯正の費用相場
大人の反対咬合矯正の費用は治療法によって大きく異なります。主な治療法と費用相場を紹介します。
治療方法 | 費用相場 | 保険適用 | 特徴・対象症例 |
---|---|---|---|
マウスピース矯正 | 約60〜100万円 | ×(自費診療) | 軽度~中等度の症例向け・目立ちにくい |
ワイヤー矯正(表側) | 約60〜130万円 | ×(自費診療) | 幅広い症例に対応・一般的な矯正方法 |
ワイヤー矯正(裏側) | 約100〜170万円 | ×(自費診療) | 見た目を気にする方向け・高額 |
外科矯正(保険適用時) | 約40〜65万円 | ○(条件あり) | 重度の骨格性症例・手術+矯正併用 |
外科矯正(自由診療) | 約140〜400万円 | ×(自費診療) | 保険適用外の場合・高額 |
これらはあくまで一般的な相場です。医院によって価格設定は異なりますので、詳細な金額はカウンセリング時に確認が必要です。
各治療法の特徴
マウスピース矯正
マウスピース矯正は透明なマウスピースを使用して歯を少しずつ動かしていく方法です。
- 費用相場:60〜100万円程度
- 治療期間:約1.5〜2年
- メリット:目立ちにくい、取り外し可能で衛生的
- デメリット:複雑な症例には適さない、自己管理が必要
マウスピース矯正は歯のみの軽度から中等度の反対咬合に適していますが、顎の骨の大きな不調和がある場合は効果に限界があります。歯の部分的な移動による改善が見込める場合に選択されます。
ワイヤー矯正(表側矯正)
表側矯正は歯の表面にブラケットを装着し、ワイヤーで歯を動かす従来からある方法です。
- 費用相場:60〜130万円程度
- 治療期間:約2〜3年
- メリット:幅広い症例に対応可能、調整の自由度が高い
- デメリット:装置が目立つ、食事制限がある
表側矯正は矯正の基本となる方法で、中等度までの反対咬合であれば効果的に治療できるケースが多く、コストパフォーマンスも比較的良好です。金属ブラケットだけでなく、白色やクリアなど目立ちにくいタイプもあります。
ワイヤー矯正(裏側矯正)
裏側矯正は歯の裏側にブラケットを装着する方法で、表からはほとんど見えないのが特徴です。
- 費用相場:100〜170万円程度
- 治療期間:約2〜3年
- メリット:見た目に配慮できる、表側と同等の治療効果
- デメリット:高額、装着当初は発音しにくい、調整が技術的に難しい
裏側矯正は矯正中の見た目を重視する方に人気がありますが、治療費が高額になる点と、技術的に難しいため対応できる歯科医院が限られる点がデメリットです。
外科的矯正治療(顎変形症手術)
重度の骨格性反対咬合では、顎の骨を外科手術で修正する必要がある場合があります。
- 費用相場(保険適用時):40〜65万円程度
- 費用相場(自由診療):140〜400万円以上
- 治療期間:約3〜5年(術前矯正、手術、術後矯正を含む)
- メリット:重度の骨格的問題も改善可能
- デメリット:手術によるリスク、長期間の治療
外科的矯正は顎変形症と診断されれば健康保険が適用される可能性がありますが、保険適用には厳格な条件があります。保険適用外となると高額な費用がかかるため、事前に詳しく確認しましょう。
保険が適用される条件
反対咬合の矯正治療は基本的に自由診療(自費診療)ですが、以下の条件を満たすと保険適用となる可能性があります。
- 「顎変形症」と正式に診断される
- 咀嚼や発音など機能的な障害がある
- 上顎前突や下顎前突の程度が一定基準を超えている
- 矯正歯科治療と外科手術を併用する治療計画である
保険適用となるのは主に外科手術を伴う重度の骨格性反対咬合のケースで、審美目的のみの場合は保険適用外となります。保険適用の条件は厳格で、該当するかどうかは歯科医師の診断が必要です。
治療期間について
反対咬合の矯正治療にかかる期間は症状の程度や治療法によって異なります。
- 軽度の反対咬合(マウスピース/ワイヤー矯正):約1.5〜2年
- 中等度の反対咬合(ワイヤー矯正):約2〜3年
- 重度の骨格性反対咬合(外科矯正):約3〜5年以上
外科矯正の場合は、術前矯正(約1〜2年)、手術、術後矯正(約1〜2年)と長期にわたります。治療開始前にはこうした治療期間についても医師からしっかり説明を受け、生活スタイルや仕事への影響も考慮した上で判断することが大切です。
反対咬合矯正の費用以外にかかる費用
矯正治療の基本費用以外にも、以下のような追加費用が発生する可能性があります。
- 初診料・検査料:5,000〜30,000円程度
- 抜歯費用(必要な場合):1本あたり5,000〜10,000円程度
- リテーナー(保定装置)費用:30,000〜50,000円程度
- 定期メンテナンス費用:1回あたり3,000〜8,000円程度
- 装置破損時の修理費用:状況により異なる
これらの費用が矯正治療の基本料金に含まれているか別途かかるかは医院によって異なります。治療開始前に、どの費用が含まれていて何が別途必要になるのか、明確に確認しておくことが重要です。
矯正治療を始める前に確認したいポイント
反対咬合矯正治療を始める際には、以下のようなポイントを確認しておきましょう。
- 症状の程度と適切な治療法のマッチング
- 費用と支払い方法(分割払いやデンタルローンの有無)
- 治療期間と通院頻度
- 医師の経験と実績
- 医院の設備や衛生管理
特に重要なのは医師選びです。反対咬合の矯正治療は複雑なケースが多いため、専門的な知識と豊富な経験を持つ矯正歯科医を選ぶことが成功の鍵となります。複数の医院でセカンドオピニオンを受けることもおすすめです。
まとめ
大人で反対咬合(受け口)を矯正する場合の費用は、治療法によって大きく異なります。軽度から中等度の場合はマウスピース矯正やワイヤー矯正で60〜170万円程度、重度の骨格性の場合は外科的矯正が必要となり、保険適用で40〜65万円、自費診療だと140〜400万円以上かかる可能性があります。
治療法の選択は症状の程度や希望する審美性、費用負担能力などを総合的に考慮して決めるようにしましょう。最適な治療法を選ぶには、経験豊富な矯正歯科医に相談し、複数の医院でセカンドオピニオンを得ることも大切です。
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