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インプラント手術の流れを徹底解説!事前に知っておくべきことは?

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インプラント治療は失った歯の機能と見た目を自然に回復できる優れた治療法ですが、手術に対する不安や疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。この記事では、インプラント手術の事前準備から術後のケアまで、一連の流れを詳しく解説します。

インプラント手術とは?基本的な理解から

インプラント治療は、失った歯の代わりに人工歯根(インプラント体)を顎の骨に埋め込み、その上に人工の歯を装着する治療法です。天然の歯に最も近い機能と見た目を取り戻せる方法として広く認められています。

インプラントの構造

インプラントは主に3つの部分から構成されています。まず骨に埋め込む「インプラント体(人工歯根)」、その上に取り付ける連結部分の「アバットメント」、そして最終的に装着する「上部構造(人工の歯)」です。インプラント体はチタン製が主流で、生体親和性が高く骨と結合する特性(オッセオインテグレーション)を持っています。

インプラントには様々な種類があり、形状(ストレートタイプ、テーパードタイプなど)や表面処理、サイズなどが異なります。患者さんの骨の状態や埋入部位に最適なインプラントを選択することが、治療成功の重要な要素となります。

インプラント治療を受ける前に注意するべきこと

インプラント治療は多くの方に適応がありますが、すべての人に向いているわけではありません。治療に適した条件としては、顎の骨が十分にあること、全身の健康状態が良好であること、口腔内が清潔に保たれていることなどが挙げられます。

一方、禁忌となる場合もあります。重度の糖尿病や骨粗しょう症などの全身疾患がある場合、喫煙習慣がある場合、顎の骨が極端に少ない場合などは、治療が難しいケースや追加的な処置が必要となることがあります。これらの条件は絶対的なものではなく、医師との十分な相談を通じて判断することが大切です。

従来の治療法との比較

インプラント治療の他に、失った歯を補う方法としては、ブリッジや入れ歯があります。インプラントの最大の特徴は、天然歯のように単独で機能し、隣接する健康な歯を削る必要がないことです。また、顎の骨への負担が自然な形で伝わるため、骨の吸収を防ぐ効果もあります。

一方で、手術が必要であることや、治療期間が比較的長いこと、費用が高額になることなどがデメリットとして挙げられます。治療法の選択は、口腔内の状態、予算、希望する機能性や審美性などを総合的に考慮して行うことが重要です。

インプラント手術前の準備

インプラント手術を成功させるためには、綿密な事前準備と詳細な検査が欠かせません。この段階でしっかりと計画を立てることで、手術のリスクを低減し、より良い治療結果を得ることができます。

まずは初診時のカウンセリングから始まり、各種検査を経て、個々の患者さんに最適な治療計画を立案していきます。この過程で患者さん自身も準備すべきことがいくつかありますので、順を追って説明していきます。

初診時のカウンセリング

インプラント治療の第一歩は、詳細なカウンセリングから始まります。この段階では、患者さんの希望や不安、生活習慣、既往歴などを詳しく聞き取ります。特に重要なのは、現在服用している薬や全身疾患の有無です。

血液をサラサラにする薬(抗凝固剤・抗血小板剤)を服用している場合や、骨粗しょう症治療薬(ビスフォスフォネート製剤)を使用している場合は、手術のリスクや治療計画に大きく影響するため、必ず医師に伝えることが重要です。また、糖尿病や高血圧などの基礎疾患についても正確に申告しましょう。

術前検査の種類

インプラント治療では、様々な検査を通じて顎の骨の状態や口腔内環境を詳細に把握します。一般的に行われる検査には、以下のようなものがあります。

  • 口腔内診査:歯や歯茎の状態、噛み合わせなどを確認
  • レントゲン検査:パノラマX線写真で全体的な顎の状態を把握
  • CT検査:三次元的に顎の骨の量や質、神経や血管の位置を詳細に確認
  • 歯周検査:歯周病の有無や程度を確認
  • 血液検査:全身の健康状態を確認(必要に応じて)

これらの検査結果は、安全にインプラントを埋入できる位置や角度、サイズの決定に不可欠です。また、骨の量が不足している場合には、骨造成の必要性も判断します。精密な検査に基づいた治療計画は、手術の安全性と成功率を高める重要な要素となります。

治療計画の立案とシミュレーション

検査結果をもとに、歯科医師は詳細な治療計画を立案します。最新のデジタル技術を用いると、CT画像からインプラント埋入のシミュレーションを行うことも可能です。これにより、より精密で安全な手術計画を立てることができます。

この段階で、治療期間、費用、予想されるリスクなどについても詳しく説明を受けます。患者さんは不明点や不安な点があれば、遠慮なく質問することが大切です。十分な理解と納得のもとで治療を進めることが、良好な結果につながります。

手術前の生活でしてはいけないこと

手術の1~2週間前から、良好な口腔内環境を整えるための準備が必要です。歯科医師の指示に従い、歯のクリーニングや歯周病治療を受けることがあります。また、喫煙者は可能な限り禁煙することが推奨されます。喫煙は血行を悪くし、傷の治りを遅らせるためです。

手術当日は、軽い食事を摂り、指示された常用薬以外の服用は控えるようにします。アルコールは出血リスクを高める可能性があるため、前日からの摂取は避けましょう。リラックスした状態で手術に臨むことも、スムーズな治療につながります。

インプラント一次手術

インプラント治療の核心部分である一次手術では、顎の骨にインプラント体(人工歯根)を埋め込みます。この手術がどのように行われるのか、実際の流れや痛みの対処法、所要時間などについて詳しく解説します。

一次手術当日の流れ

手術当日は、まず血圧測定などの基本的な健康チェックを行います。続いて、口腔内を消毒し、手術の準備に入ります。局所麻酔を施した後、実際の手術が開始されます。

一般的な一次手術の流れは以下の通りです。まず歯肉を切開して骨を露出させ、専用のドリルで徐々に穴を形成していきます。この際、骨に熱が加わらないよう注水しながら慎重に行います。適切な大きさの穴ができたら、インプラント体を埋入し、必要に応じて歯肉を縫合します。治療法によっては、インプラント体の上に治癒キャップを装着する場合と、完全に歯肉で覆う場合があります。

麻酔の種類

インプラント手術では、基本的に局所麻酔を使用します。麻酔が効いている間は痛みをほとんど感じませんが、麻酔注射時の痛みを軽減するために、表面麻酔を事前に行うことが一般的です。

不安や恐怖心が強い方には、笑気ガス鎮静法や静脈内鎮静法などの鎮静方法を併用することもあります。これにより、リラックスした状態で手術を受けることができます。手術中に不快感や痛みを感じた場合は、遠慮なく医師に伝えることが大切です。追加の麻酔などで対応することが可能です。

骨造成が必要なケース

顎の骨の量や質が不足している場合、インプラント埋入と同時に「骨造成」と呼ばれる処置が必要になることがあります。骨造成には主に以下のような方法があります。

  • GBR法(骨再生誘導法):骨補填材を用いて骨の再生を促す方法
  • サイナスリフト:上顎の奥歯部分の骨が少ない場合に、上顎洞の底を持ち上げて骨を造成する方法
  • 骨移植:自家骨や人工骨を用いて不足している部分を補う方法

骨造成を行う場合は、手術時間が長くなり、治癒期間も延長することがあります。また、費用も追加で発生するため、事前に十分な説明を受け、理解しておくことが重要です。

一次手術の所要時間

一般的なインプラント一次手術の所要時間は、1本あたり30分~1時間程度です。骨造成などの追加処置が必要な場合は、さらに時間がかかることがあります。

一次手術直後の状態

手術直後は麻酔の効果で痛みを感じにくいですが、数時間後から腫れや痛みが出てくることがあります。医師の指示に従い、処方された鎮痛剤や抗生物質を服用し、安静に過ごすことが大切です。また、出血を抑えるため、ガーゼを噛んで圧迫する必要があります。手術当日は激しい運動や入浴、アルコール摂取は避け、軟らかい食事を心がけましょう。

術後の治癒期間とケア

インプラント一次手術後の治癒期間は、治療の成功を左右する重要な時期です。この期間にインプラント体と顎の骨が結合(オッセオインテグレーション)するため、適切なケアと注意が必要となります。

治癒期間中の過ごし方や注意点、起こりうるトラブルへの対処法などを理解しておくことで、スムーズな回復を促し、良好な治療結果につなげることができます。

術後の腫れや痛みの経過

インプラント手術後の腫れや痛みは個人差がありますが、一般的には手術翌日から2~3日後にピークを迎え、その後徐々に軽減していきます。術後1週間程度で日常生活に支障のない程度まで回復することが多いです。

痛みに対しては処方された鎮痛剤で対応し、腫れに対しては冷却(手術当日のみ)が効果的です。痛みや腫れが1週間以上経っても強い場合や、38度以上の発熱がある場合は、早めに担当医に連絡することが重要です。これらは感染などのトラブルのサインである可能性があります。

日常生活での注意点

術後の生活では、以下のような点に注意が必要です。

  • 手術当日は安静に過ごし、激しい運動は避ける
  • 術後3日間程度は入浴ではなくシャワーにする
  • 手術部位は優しく清潔に保ち、うがいは静かに行う
  • アルコールや喫煙は治癒を遅らせるため控える
  • 硬い食べ物や熱い飲食物は避ける
  • 手術部位に舌や指で触れないようにする

また、処方された抗生物質は感染予防のために指示通りに服用することが大切です。術後の過ごし方を守ることで、合併症のリスクを減らし、スムーズな治癒を促すことができます。

オッセオインテグレーションの期間

インプラント体と顎の骨が結合するオッセオインテグレーションには、一般的に下顎で3~4ヶ月、上顎で4~6ヶ月程度の期間が必要です。骨造成を行った場合は、さらに長い期間(6~8ヶ月以上)が必要となることがあります。

この期間は個人差が大きく、骨の質や量、全身状態、喫煙習慣などによって変わります。定期的な通院でX線写真などを撮影し、骨結合の状態を確認しながら、次のステップに進むタイミングを判断します。焦らず、骨がしっかりと結合するのを待つことが長期的な成功につながります。

合併症とその対処法

インプラント手術後に起こりうる主な合併症と対処法について理解しておくことも重要です。

合併症 症状 対処法
感染 強い痛み、腫れ、発熱、膿の排出 すぐに担当医に連絡し、抗生物質治療や洗浄処置を受ける
神経損傷 唇や舌のしびれ、知覚異常 担当医に報告し、経過観察または専門的治療を検討
インプラント動揺 インプラントのぐらつき 担当医に連絡し、状態に応じて再埋入などの対応を検討
周囲炎 インプラント周囲の歯肉の炎症、出血 専門的クリーニングと口腔ケアの改善

合併症の多くは早期発見と適切な対応により改善可能です。異常を感じた場合は自己判断せず、速やかに担当医に相談することが大切です。予防のためにも、定期的な通院と適切な口腔ケアを心がけましょう。

二次手術と上部構造装着

オッセオインテグレーションが完了すると、いよいよ二次手術と上部構造(人工の歯)の装着へと進みます。この段階では、インプラント体の上に人工の歯を取り付けるための準備と、最終的な歯の形態を決定する重要なプロセスが行われます。

二次手術は一次手術に比べて負担が少なく、上部構造の装着までのステップも比較的スムーズに進みます。しかし、機能性と審美性を両立させた理想的な結果を得るためには、細部へのこだわりが重要となります。

二次手術の内容と流れ

二次手術は、埋入したインプラント体の上部を露出させ、アバットメント(連結部)を装着するための手術です。一次手術で治癒キャップを装着した「1回法」の場合は、この二次手術が不要となることもあります。

二次手術の一般的な流れは以下の通りです。局所麻酔を行った後、インプラント体の上の歯肉を小さく切開し、インプラント体の上部を露出させます。その後、治癒用アバットメントと呼ばれる部品を取り付け、歯肉を整えて縫合します。一次手術に比べて短時間(15~30分程度)で終わり、痛みや腫れも少ないのが特徴です。

型取りと仮歯の装着

二次手術後、歯肉の治癒を待って(約1~2週間)、上部構造製作のための型取り(印象採得)を行います。精密な型取りによって、噛み合わせや隣接歯との関係など、細部まで考慮した上部構造を製作することができます。

型取り後、上部構造が完成するまでの間(約1~2週間)、必要に応じて仮歯を装着します。仮歯は見た目を整えるだけでなく、最終的な上部構造の形や色、噛み合わせを確認・調整するための重要なステップです。この段階で患者さんの要望を反映させることで、最終的な満足度が高まります。

上部構造(人工歯)の種類

上部構造には様々な材質や形態があり、部位や機能、審美性、予算などを考慮して選択します。主な種類としては以下のようなものがあります。

  • オールセラミック:審美性に優れ、前歯部に適している
  • メタルセラミック:強度と審美性のバランスが良く、幅広く使用される
  • ジルコニア:高い強度と良好な審美性を持ち、奥歯にも適している
  • 金属(チタン合金など):耐久性に優れ、コストパフォーマンスが良い

上部構造の選択は、咬合力や審美的要求、アレルギーの有無なども考慮して行います。担当医と相談しながら、最適な選択をすることが大切です。

最終調整と装着

上部構造が完成したら、口腔内で試適を行い、噛み合わせや形態、色調などを最終確認します。問題がなければ、アバットメントを介してインプラント体に上部構造を装着します。

装着方法には、セメントで固定する方法とスクリューで固定する方法があります。それぞれメリット・デメリットがあり、状況に応じて適切な方法が選択されます。装着後は再度噛み合わせを確認し、必要に応じて微調整を行います。これでインプラント治療の主要なプロセスは完了しますが、長期的な成功のためには、定期的なメンテナンスが不可欠です。

まとめ

インプラント手術は、失った歯の機能と審美性を回復するための有効な治療法です。治療の成功には、事前の十分な検査と計画、適切な手術の実施、そして術後のケアが重要です。

治療の流れとしては、初診時のカウンセリングから始まり、詳細な検査と治療計画の立案、一次手術でのインプラント体埋入、治癒期間を経て、二次手術と上部構造装着へと進みます。その後も定期的なメンテナンスが欠かせません。

インプラント治療は外科手術を伴いますが、適切な麻酔と丁寧な処置により、痛みや不安を最小限に抑えることが可能です。

日本歯科グループのクリニックでは、豊富な治療実績と先端の技術力を活かし、患者さまの希望に沿ったオーダーメイドのインプラント治療を提供しています。専門スタッフのチーム医療と充実したサポート体制で、術前の疑問や不安をしっかりと解消しながら、安全・安心の治療を目指します。まずはお気軽にご相談ください。

この記事の監修

今本院長

日本歯科札幌 院長 今本 芳彦

北海道出身。
卒後、自由診療専門のクリニックで研鑽を積む。
10年間、自由診療専門のクリニックで院長として活躍。
北海道でトップクラスのインプラント実績を誇る。
他にもマウスピース矯正、審美治療を得意とする。

この記事の監修

日本歯科静岡 院長 戸田 紀章

静岡県出身。
卒後、埼玉医科大学口腔外科で研鑽を積む。
その後、静岡歯科で10年間研鑽を積んだ後、日本歯科静岡の院長に就任。
静岡県トップクラスのインプラント治療実績を持つ。
審美治療やマウスピース矯正も得意とする。

この記事の監修

早川理事長

日本歯科グループ 代表 早川 好昭

東京都出身。
静岡県で静岡歯科を開業。
高度先進歯科医療クリニックとして日本歯科グループを開設。
同グループとして静岡歯科、日本歯科札幌、日本歯科静岡、日本歯科名古屋などがある。
日本歯科グループの代表として全てのクリニックを統括。

この記事の監修

稲津副院長

日本歯科名古屋 院長 稲津 由美子

大手歯科グループの院長として長年活躍。
その後静岡歯科の副院長として8年間研鑽を積み、日本歯科名古屋の院長に就任。
女性歯科医師として全国でトップクラスのインプラント実績を持つ。
マウスピース矯正と審美治療を得意とする。