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ほとんど歯がない状態からの治療法とは?噛む力と見た目を取り戻す方法【日本歯科名古屋院長が解説!】

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加齢や病気、事故などによってほとんどの歯を失ってしまった場合でも、現代の歯科治療技術なら噛む力と自然な見た目を取り戻すことが可能です。食事が困難になったり、人前で話すことに不安を感じたりしている方も多いでしょう。

本記事では、ほとんど歯がない状態からの主要な治療選択肢として、オールオンフォー・オールオンシックス、インプラントオーバーデンチャー、総入れ歯などの特徴を解説します。

ほとんど歯がない状態での主要な治療選択肢

歯を大部分失った状態から口腔機能を回復する治療法には、大きく分けて3つの主要な選択肢があります。それぞれに異なる特徴とメリット・デメリットがあるため、ご自身の状況に最適な方法を理解することが重要です。

オールオンフォー・オールオンシックス治療

オールオンフォー・オールオンシックスは、わずか4本または6本のインプラントで全顎の歯を支える画期的な治療法です。従来のインプラント治療では多数のインプラントが必要でしたが、この方法では斜めにインプラントを埋入することで、少ない本数でも十分な固定力を得られます。手術当日に仮歯を装着できるため、歯がない期間がほとんどないのも大きな特徴です。

この治療法は、インプラントと骨が直接結合するため、天然歯に近い噛む力を実現できます。また、取り外し不要の固定式なので、日常生活での違和感が少なく、メンテナンスも通常の歯磨きと定期検診で済みます。ただし、手術が必要なため、全身状態や骨の状態によっては適応できない場合もあります。

インプラントオーバーデンチャー

インプラントオーバーデンチャーは、2〜4本のインプラントで入れ歯を固定する方法で、従来の総入れ歯の安定性を大幅に改善できます。インプラントに特殊なアタッチメントを取り付け、そこに入れ歯を固定するため、食事中にずれたり外れたりする心配がありません。取り外し可能なので、清掃性に優れているのも特徴です。

この治療法は、オールオンフォーよりも少ない本数のインプラントで済むため、手術の負担が軽く、費用も抑えられます。また、既存の入れ歯を改造して使用できる場合もあり、治療期間の短縮が可能です。ただし、取り外し式のため、慣れるまでに時間がかかる場合があります。

従来の総入れ歯治療

総入れ歯は最も歴史のある治療法で、保険適用が可能なため経済的負担が少なく、手術不要で治療を受けられます。現在の総入れ歯は精度が大幅に向上しており、適切に製作されれば十分な機能を発揮できます。特に、レジリエンツテレスコープなどの特殊な固定方式を用いることで、従来の総入れ歯よりも安定性を向上させることも可能です。

総入れ歯の最大のメリットは、全身への侵襲が少なく、年齢や健康状態に関係なく治療を受けられることです。また、破損した場合の修理も比較的簡単で、調整も容易に行えます。一方で、噛む力は天然歯の約3分の1程度に低下し、慣れるまでに時間がかかることがデメリットとして挙げられます。

各治療法の機能性と審美性の比較

ほとんど歯がない状態からの治療を選択する際には、噛む力の回復度、見た目の自然さ、装着感の良さなどを総合的に比較検討することが重要です。以下では、主要な治療法の機能性と審美性について詳しく解説します。

噛む力と咀嚼機能の回復度

オールオンフォー・オールオンシックスは天然歯の約80〜90%の噛む力を回復でき、硬い食べ物でも安心して噛むことができます。インプラントが骨と直接結合するため、力の伝達が効率的で、リンゴや肉類なども問題なく摂取できます。インプラントオーバーデンチャーでは天然歯の約60〜70%の噛む力が得られ、総入れ歯よりも大幅に咀嚼機能が向上します。

従来の総入れ歯では噛む力は天然歯の約30〜40%程度となりますが、適切に製作・調整された入れ歯であれば、日常的な食事には十分対応できます。ただし、硬いものや粘着性の高い食べ物は避ける必要があり、食事内容に制限が生じる場合があります。

自然な見た目の実現

見た目の自然さでは、オールオンフォー・オールオンシックスが最も優れており、歯茎のラインも含めて天然歯に近い仕上がりを実現できます。セラミックやジルコニアなどの高品質な材料を使用することで、透明感のある自然な歯の色調を再現でき、笑顔に自信を取り戻せます。インプラントオーバーデンチャーも、入れ歯部分の材料や形態を工夫することで、十分に自然な見た目を実現できます。

総入れ歯でも、現在の技術により非常に自然な見た目を実現できるようになりました。特に、個人の顔立ちや唇の形に合わせて歯の形や配列を決定することで、その人らしい自然な笑顔を作り出すことが可能です。ただし、歯茎の部分が人工的に見える場合があり、この点では固定式のインプラント治療に劣る場合があります。

日常生活での快適性

装着感の良さでは、取り外し不要なオールオンフォー・オールオンシックスが最も自然で、天然歯とほぼ同じ感覚で使用できます。食事や会話時の違和感が少なく、異物感もほとんどありません。インプラントオーバーデンチャーは、従来の総入れ歯と比較して格段に安定性が向上し、食事中のずれや浮き上がりがほとんどありません。

総入れ歯の場合、慣れるまでに数週間から数か月の期間が必要ですが、適切に調整されれば快適に使用できます。最近では、入れ歯安定剤の性能向上により、装着感も大幅に改善されています。ただし、温度感覚が鈍くなったり、発音に影響が出たりする場合があります。

費用と治療期間・保険適用の実際

治療法を選択する際には、費用と治療期間、保険適用の有無も重要な判断材料となります。それぞれの治療法には特徴的な費用構造と治療プロセスがあり、患者さんの経済状況や時間的制約に合わせて選択する必要があります。

各治療法の費用相場

オールオンフォー・オールオンシックスの費用相場は片顎あたり200万円〜400万円程度で、使用する材料や歯科医院によって幅があります。この費用にはインプラント体、上部構造、手術費用、定期メンテナンス費用などが含まれます。多くの歯科医院では分割払いやデンタルローンに対応しており、月々の支払い額を抑えることも可能です。

インプラントオーバーデンチャーは、使用するインプラント本数により50万円〜150万円程度となります。既存の入れ歯を改造できる場合は費用を抑えられる可能性があります。従来の総入れ歯は保険適用で数万円から可能ですが、自費診療の高品質な入れ歯を選択する場合は30万円〜100万円程度の費用がかかります。

治療期間とそのスケジュールの目安

オールオンフォー・オールオンシックスでは、手術当日に仮歯を装着でき、最終的な歯が完成するまでの期間は約3〜6か月です。インプラントと骨の結合を待つ期間が必要ですが、その間も仮歯で日常生活に支障をきたすことはありません。インプラントオーバーデンチャーの場合、インプラント埋入から最終的な入れ歯完成まで約2〜4か月の期間を要します。

総入れ歯治療は最も治療期間が短く、通常1〜2か月で完成します。型取りから試着、調整を経て完成に至るプロセスは比較的単純で、急いで治療が必要な場合に適しています。ただし、完成後も定期的な調整が必要で、特に初期の調整期間は重要です。

保険適用と医療費控除について

総入れ歯治療は基本的に保険適用となり、3割負担で治療を受けることができます。一方、インプラント関連の治療は自費診療となるため、全額自己負担となります。ただし、医療費控除の対象となるため、年間の医療費が10万円を超える場合は、確定申告により税金の還付を受けることができます。

高額療養費制度は適用されませんが、多くの歯科医院では治療費の分割払いや、金利の低いデンタルローンを利用できます。また、医療保険の先進医療特約に加入している場合、一部の治療で給付を受けられる可能性があります。治療前に各種制度の利用可能性を確認することをお勧めします。

適応条件と治療選択のガイドライン

最適な治療法を選択するためには、患者さんの年齢、健康状態、骨の状態、ライフスタイルなどを総合的に評価する必要があります。また、治療に対する希望や期待値も重要な判断材料となります。

年齢と健康状態による選択基準

インプラント治療は一般的に18歳以上で骨の成長が完了してから適応となり、上限年齢は特に設定されていませんが、全身状態が重要な判断基準となります。糖尿病や心疾患がある場合でも、病状が安定していればインプラント治療は可能です。ただし、免疫抑制剤を服用している場合や、重度の骨粗鬆症がある場合は、治療法の選択に制限が生じる可能性があります。

高齢の方でも、健康状態が良好であればオールオンフォー・オールオンシックス治療を受けることができます。むしろ、手術回数が少なく済むため、体への負担を軽減できる場合があります。一方、手術リスクが高い場合は、総入れ歯やインプラントオーバーデンチャーが適している場合があります。

骨の状態によって変わる治療法

インプラント治療の成功には十分な骨量と骨密度が必要で、CT検査により詳細な骨の状態を評価します。骨量が不足している場合でも、骨移植や上顎洞挙上術などの骨造成手術により、インプラント治療が可能になる場合があります。オールオンフォー・オールオンシックスでは、斜めにインプラントを埋入することで、骨量が少ない場合でも対応できる場合があります。

骨の状態が著しく悪い場合や、骨造成手術を避けたい場合は、インプラントの本数を減らしたオーバーデンチャーや、従来の総入れ歯治療が選択されます。近年では、ショートインプラントや細径インプラントの技術向上により、以前は適応外とされていた症例でも治療可能になっています。

ライフスタイルと希望に応じた選択

食事の質を重視し、何でも噛めるようになりたい方には、オールオンフォー・オールオンシックスが最適です。営業職など人前に出る機会が多い方や、見た目を重視する方にも、固定式のインプラント治療がお勧めです。一方、取り外してしっかりと清掃したい方や、将来的な修理のしやすさを重視する方には、インプラントオーバーデンチャーが適しています。

経済的な負担を最小限に抑えたい場合や、手術を避けたい場合は、保険適用の総入れ歯治療から始めることも有効です。後から段階的にインプラント治療に移行することも可能で、まずは機能回復を優先して治療計画を立てることもできます。治療選択に迷う場合は、セカンドオピニオンを求めることも重要です。

まとめ

ほとんど歯がない状態からでも、現代の歯科治療技術により噛む力と見た目を十分に回復することが可能です。オールオンフォー・オールオンシックス、インプラントオーバーデンチャー、総入れ歯など、それぞれに特徴的なメリットがあり、患者さんの状況や希望に応じて最適な選択肢を見つけることができます。

治療法の選択では、機能性、審美性、費用、治療期間、年齢、健康状態などを総合的に検討することが重要です。どの治療法を選択する場合でも、経験豊富な歯科医師による適切な診査・診断と、患者さんとの十分な相談が成功の鍵となります。一人で悩まず、まずは専門医に相談して、あなたに最適な治療計画を立てることから始めましょう。

日本歯科豊平では、豊富な治療実績と先端の技術力を活かし、患者さまの希望に沿ったオーダーメイドのインプラント治療を提供しています。専門スタッフのチーム医療と充実したサポート体制で、術前の疑問や不安をしっかりと解消しながら、安全・安心の治療を目指します。まずはお気軽にご相談ください。

この記事の監修

文田 遥介