近年人気が高まっているマウスピース矯正には、実はさまざまな種類があります。従来のワイヤー矯正と異なり、透明で取り外し可能なマウスピースを使用するため、見た目を気にせず矯正治療を受けられる点が大きな魅力です。しかし、マウスピース矯正にも様々なメーカーやブランドがあり、それぞれに特徴や適応症例が異なります。この記事では、主要なマウスピース矯正の種類を徹底比較し、最適な選び方を説明します。
マウスピース矯正の仕組みと特徴
マウスピース矯正(アライナー矯正)は、透明なプラスチック製のマウスピースを装着することで歯を少しずつ移動させる矯正方法です。治療の流れとしては、まず歯科医院で精密な型取りを行い、3Dスキャンによるデジタルデータを作成。そのデータをもとに、治療計画に合わせて複数のマウスピースを作製します。
患者さんは1〜2週間ごとに新しいマウスピースに交換しながら、徐々に理想の歯並びへと近づけていきます。従来のワイヤー矯正と比べると、以下のような特徴があります。
- 透明で目立ちにくい
- 取り外し可能で食事や歯磨きの際に邪魔にならない
- 金属アレルギーの心配がない
- ワイヤーのような口内の痛みが少ない
- 清潔な口腔環境を保ちやすい
マウスピース矯正の種類の比較
マウスピース矯正には様々なブランドがありますが、それぞれ対応できる症例や特徴が異なります。主要なブランドを詳しく比較していきましょう。
【種類①】インビザライン(Invisalign)──幅広い症例に対応できる定番ブランド
マウスピース矯正の先駆者であり、世界的に最も普及しているブランドです。
対応範囲 | 軽度から重度まで幅広い症例に対応 | |||
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費用目安 | 全体矯正:80〜100万円程度 | 部分矯正:20〜80万円程度 | ||
治療期間 | 6ヶ月〜2年程度(症状による) | |||
特徴 | ・世界シェアNo.1で1,700万症例以上の実績 | ・独自の素材「スマートトラック」を使用 | ・複雑な歯の動きにも対応可能 | ・アタッチメント(歯に付ける突起)を活用 |
インビザラインの最大の強みは、豊富な臨床データと高い技術力を活かした治療計画が立てられること。また、コンピューターで治療後の状態を確認できるため、安心して治療を進められます。
【種類②】キレイライン(Kireilign)──コスパ重視の日本発ブランド
日本発のマウスピース矯正ブランドで、比較的リーズナブルな価格設定が特徴です。
対応範囲 | 主に前歯部の軽度〜中等度の症例 | |||
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費用目安 | 17〜50万円程度 | |||
治療期間 | 3ヶ月〜1年程度 | |||
特徴 | ・日本人の歯型データを元に開発 | ・比較的安価で始められる | ・国内製造で製作期間が短い | ・若い方に特に人気 |
キレイラインは主に軽度の症例や部分矯正に向いており、費用を抑えながらマウスピース矯正を始めたい方にとって魅力的な選択肢となっています。ただし、症状が重い場合や奥歯を大きく動かす必要がある場合は、他の治療法を検討する必要があるかもしれません。
【種類③】クリアコレクト(ClearCorrect)──インビザラインに次ぐ選択肢
アメリカ発のブランドで、インビザラインに次ぐシェアを持つ人気のマウスピース矯正です。
対応範囲 | 軽度から中等度の症例 | |||
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費用目安 | 70〜90万円程度(インビザラインより費用を抑えられる場合も) | |||
治療期間 | 6ヶ月〜1年半程度 | |||
特徴 | ・ストローマングループが提供 | ・薄型設計で付け心地が良い | ・歯茎部分まで覆うデザインでフィット感向上 | ・耐久性と精密性に優れている |
クリアコレクトは薄型設計により装着時の違和感が少なく、マウスピースが歯茎部分まで覆うデザインによって安定性と快適性を両立させています。インビザラインより費用を抑えられる場合もあります。
【種類④】アソアライナー(ASSO Aligner)──柔軟な対応力が魅力の国産タイプ
日本国内で製造されるマウスピース矯正システムです。
対応範囲 | 主に軽度〜中等度の症例 | |||
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費用目安 | 30〜80万円程度 | |||
治療期間 | 6ヶ月〜1年程度 | |||
特徴 | ・国内製造による迅速な対応 | ・医師による細かい調整が可能 | ・透明度が高く目立ちにくい | ・段階的な治療計画 |
アソアライナーは国内製造のため、マウスピースの修正や追加に素早く対応できます。治療途中での微調整にも柔軟に対応できる点が特徴です。
【種類⑤】シュアスマイル(SureSmile)──高精度なシミュレーション技術が強み
デジタル技術を駆使した高精度な矯正システムです。
対応範囲 | 軽度から重度まで対応可能 | |||
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費用目安 | 70〜90万円程度 | |||
治療期間 | 6ヶ月〜2年程度 | |||
特徴 | ・高精度の3Dシミュレーション | ・カスタマイズ性が高い | ・ワイヤー矯正とマウスピース矯正の併用も可能 | ・歯科医師による正確な治療コントロール |
シュアスマイルは高度な3Dシミュレーション技術により、精密な治療計画を立てられることが大きな特徴です。また、従来のワイヤー矯正と組み合わせた治療も可能なため、複雑な症例にも対応できます。
最適なマウスピース矯正の種類を選ぶポイント
自分に合ったマウスピース矯正を選ぶために、以下のポイントを考慮しましょう。
1. 症例の複雑さで選ぶ
まず考慮すべきは、あなたの歯並びの状態と症例の複雑さです。
- 軽度(前歯のわずかな凸凹や隙間)→どのブランドでも対応可能
- 中等度(全体的な歯並びの乱れ)→インビザライン、クリアコレクト、シュアスマイルなど
- 重度(大きな噛み合わせの問題や顎の不調和)→特別な治療計画が必要な場合も
症状によっては、マウスピース矯正だけでは十分な治療効果が得られない場合もあります。まずは専門医による診断を受けることが大切です。
2. 費用と保証内容で選ぶ
マウスピース矯正は自費診療となるため、費用面も重要な判断材料です。
- 予算重視→キレイラインなどの国産ブランド
- 実績重視→インビザラインやクリアコレクト
- 治療後の保証内容も確認(リテーナー代や再治療費用など)
分割払いやクレジットカードが使えるかどうかも、あらかじめ確認しておくとよいでしょう。
3. 治療期間で選ぶ
治療にかかる期間も重要なポイントです。
- 短期間で結果を出したい→軽い症例向けの専用プラン
- じっくり確実に治したい→通常の矯正プラン
治療期間は症例の程度によって大きく異なります。急いで短い期間で終わらせようとすると、十分な効果が得られない可能性があります。医師と相談しながら適切な計画を立てましょう。
4. 歯科医師の経験と技術で選ぶ
どんなに優れたマウスピース矯正システムでも、それを扱う歯科医師の経験と技術が重要です。
- マウスピース矯正の認定資格を持っているか
- 治療実績は十分か
- 通院のしやすさや診療時間は自分のライフスタイルに合っているか
カウンセリングで疑問点をしっかり解消し、信頼できる医師を選ぶことが成功への近道です。
マウスピース矯正の注意点
マウスピース矯正を検討する際は、以下の点にも注意しましょう。
1. 装着時間の遵守が必要
マウスピース矯正の効果を得るには、患者さん自身の協力が欠かせません。マウスピースは1日20〜22時間の装着が推奨されており、この時間を守れないと治療効果が十分に得られない可能性があります。毎日きちんと装着できるかどうかも選択の判断材料にしましょう。
2. 全ての症例に対応できるわけではない
マウスピース矯正は万能ではありません。以下のような場合は、従来のワイヤー矯正の方が適している場合があります。
- 噛み合わせの問題が重症な場合
- 歯を大きく回転させる必要がある場合
- 顎に骨格的な問題がある場合
- 多数の歯を抜歯する必要がある場合
3.日々のお手入れが必要
マウスピースは毎日の洗浄と適切な保管が必要です。きちんとケアしないと、形が崩れたり色がついたり、不衛生になったりする可能性があります。
4. 治療後の保定期間
どんな矯正治療でも、治療後に歯並びを維持する期間が必要です。これは矯正した歯が元の位置に戻るのを防ぐためのもので、リテーナー(保定装置)の装着が推奨されます。この期間や方法についても、事前に確認しておきましょう。
まとめ
この記事では、代表的なマウスピース矯正の種類をメーカーブランド別に比較しました。自分に合ったマウスピース矯正を選ぶためには、まず専門医の診断を受け、ご自身の症状がどの程度なのかを確認することが大切です。その上で、費用、治療期間、医師の経験・技術、アフターケアなどを総合的に判断して選びましょう。理想の歯並びを手に入れるためには、信頼できる医師との二人三脚が何よりも大切です。まずは複数の医院で相談を受けて、比較してみることをお勧めします。
日本歯科名古屋では、豊富な治療実績と先端の技術力を活かし、患者さまの希望に沿ったオーダーメイドのマウスピース矯正を提供しています。専門スタッフのチーム医療と充実したサポート体制で、術前の疑問や不安をしっかりと解消しながら、安全・安心の治療を目指します。まずはお気軽にご相談ください。