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ワイヤー矯正に合併症はある?起こりうるリスクと対策をチェック【日本歯科札幌院長が解説!】

Risk word on glossy red blocks

ワイヤー矯正は歯並びや噛み合わせを改善する効果的な矯正方法ですが、治療期間中にはいくつかの合併症やリスクが生じる可能性があります。

この記事では、ワイヤー矯正で起こりうるトラブルとその対処法について解説します。矯正治療を検討されている方は、治療開始前にリスクを理解しておくことで、より安心して治療に臨むことができるでしょう。

ワイヤー矯正とは?基本的な仕組みを理解しよう

ワイヤー矯正は、歯の表面に金属やセラミックのブラケットを接着し、それらをワイヤーで連結することで歯に持続的な力を加え、少しずつ歯を移動させる治療法です。歯科矯正の中でも特に広く普及している方法で、複雑な症例にも対応できるメリットがあります。

ワイヤー矯正は様々な歯並びの問題(出っ歯、受け口、すきっ歯、ガタガタの歯並びなど)に対応できる高い治療効果が特徴です。しかし、治療期間中は違和感や合併症が生じる可能性があることも事実です。

ワイヤー矯正で起こりうる合併症

ワイヤー矯正治療中に発生する可能性のある主な合併症やリスクについて詳しく見ていきましょう。

痛みや不快感

ワイヤー矯正を始めたときや、定期的な調整後には痛みや不快感が生じることがあります。

  • 装置装着直後や調整後、2〜3日間は歯に圧迫感や痛みを感じることが多い
  • 通常は1週間程度で徐々に痛みは軽減していく
  • 個人差があり、強い痛みを感じる方もいれば、軽度の不快感だけの方もいる

矯正治療による痛みは、歯が動いている証拠でもあり、治療が進行している良いサインとも言えます。しかし、過度な痛みが続く場合は歯科医師に相談することが重要です。

口内炎や口腔内の傷

ブラケットやワイヤーが頬の内側や唇、舌などに当たって傷ができることがあります。

  • 特に治療初期は口腔内の軟組織に装置が擦れて痛みを感じやすい
  • 装置に慣れるまでの期間(約1〜2週間)は不快感が続くことが多い
  • 長期間放置すると口内炎が悪化する可能性がある
口内炎の場所 主な原因 対処法
頬の内側 ブラケットが擦れる 矯正用ワックスの使用
唇の内側 前歯部のブラケット・ワイヤー 矯正用ワックス、口内炎用軟膏
下の歯のブラケットやワイヤー 矯正用ワックス、注意深い会話や食事

虫歯・歯周病のリスク増加

ワイヤー矯正中は、装置の周りに食べかすや歯垢が溜まりやすくなります。これにより、通常よりも虫歯や歯周病のリスクが高まります。

ブラケットやワイヤーの周囲は複雑な形状をしているため、通常の歯ブラシだけでは取り除きにくい場所が多く、日常のケアが不十分だと虫歯や歯肉炎などのトラブルにつながりやすくなります。

  • ブラケット周囲の歯の表面は特に虫歯になりやすい
  • 歯垢の蓄積により歯肉が腫れたり出血したりすることがある
  • 装置があることで歯間部の清掃が難しくなる

装置の破損やトラブル

日常生活の中で、ブラケットが外れたり、ワイヤーが変形したりする可能性があります。

  • 硬い食べ物を噛むことでのブラケットの脱落
  • ワイヤーの変形や突出による口腔内の痛み
  • ゴムやフックなどの補助装置の紛失

矯正装置が破損すると、治療の進行が遅れるだけでなく、突出したワイヤーで口腔内を傷つけるなどの二次的なトラブルを引き起こす可能性もあります。

歯根吸収のリスク

矯正治療中、一部の患者さまでは歯の根(歯根)が短くなる「歯根吸収」が起こることがあります。

  • ほとんどの場合は軽度で臨床的に問題になることは少ない
  • 稀に中等度から重度の歯根吸収が生じることもある
  • 歯根吸収の程度は定期的なレントゲン検査でチェックされる

歯根吸収の要因は完全には解明されていませんが、矯正力の強さや治療期間の長さ、個人の体質などが関係していると考えられています。

歯の変色や脱灰

ブラケット周囲の清掃不足により、歯の表面に白い脱灰部分(初期の虫歯)が生じることがあります。

特にブラケットの周囲は清掃しにくく、唾液の自浄作用も届きにくいため、適切なケアを行わないと歯の表面が白く濁ったり、変色したりするリスクが高まります。

  • ブラケット周囲の白斑(ホワイトスポット)
  • 装置除去後に残る歯の変色
  • 脱灰部位が進行すると虫歯になる可能性

ワイヤー矯正の合併症リスクを減らす対策

以上のようなリスクや合併症を最小限に抑えるための対策を詳しく見ていきましょう。

痛みへの対応策

矯正治療中の痛みは避けられない場合が多いですが、いくつかの方法で軽減することができます。

  • 市販の鎮痛剤の服用(医師の指示に従って服用)
  • 柔らかい食べ物を選び、硬いものを避ける
  • 冷たい飲み物や氷で口内を冷やす
  • 矯正用ワックスで突出部分を保護する

痛みが強い場合や長期間継続する場合は、無理に我慢せず担当医に相談することが大切です。鎮痛剤の服用や、装置の調整が必要な場合もあります

口内炎・傷の防止と対策

口内炎や口腔内の傷を予防・緩和するための方法がいくつかあります。

  • 矯正用ワックスを装置の突出部に使用する
  • 口内炎用の塗り薬を使用する
  • 塩水でのうがいで炎症を抑える
  • 装置に慣れるまでゆっくり話すよう心がける

矯正用ワックスは歯科医院で処方されますが、市販されているものもあります。常に持ち歩いておくと便利です。

虫歯・歯周病予防のための口腔ケア

矯正治療中は普段よりも念入りな口腔ケアが必要です。

ケアアイテム 使用方法 効果
矯正用歯ブラシ ブラケット周囲を丁寧に磨く 装置周囲の歯垢除去
歯間ブラシ ワイヤーとブラケットの間を清掃 通常の歯ブラシが届かない部分の清掃
ウォーターフロス 水圧で歯間部の食べかすを除去 歯間部の効果的な清掃
フッ素配合歯磨き剤 通常の歯磨きに使用 歯の再石灰化促進、虫歯予防

矯正治療中は毎食後の丁寧な歯磨きと、就寝前の特に念入りな清掃が重要です。定期的な歯科医院でのクリーニングも虫歯や歯周病予防に効果的です。

装置破損を防ぐための注意点

矯正装置の破損を防ぐためには、以下のような点に注意しましょう。

  • 硬い食べ物(飴、ナッツ、固いパンなど)を避ける
  • 粘着性の高い食品(キャラメル、餅など)に注意する
  • 食べ物を小さく切って、前歯で噛み切る動作を避ける
  • スポーツ時はマウスガードを使用する
  • 爪噛みやペンを噛むなどの癖をやめる

装置が破損した場合は、自分で修理しようとせず、早めに歯科医院に連絡して指示を仰ぎましょう。

定期的なメンテナンスの重要性

矯正治療中は通常よりも頻繁に歯科医院を訪れることになりますが、これらの定期検診はトラブルの早期発見と対応のために非常に重要です。

  • 定期的な調整(通常4〜6週間ごと)を欠かさない
  • 違和感や痛みがあれば早めに相談する
  • 定期的なクリーニングとフッ素塗布を受ける
  • レントゲン検査で歯根の状態を確認する

ワイヤー矯正と他の矯正方法のリスク比較

ワイヤー矯正以外にも様々な矯正方法がありますが、それぞれにメリット・デメリットがあります。

矯正方法 メリット デメリット・リスク
ワイヤー矯正 幅広い症例に対応可能
高い治療効果
目立つ
口内炎のリスク
清掃の難しさ
マウスピース矯正 目立たない
取り外し可能
複雑な症例には不向き
装着時間の順守が必要
舌側矯正 外から見えない 発音障害
高コスト
装置の違和感が強い
セラミックブラケット 目立ちにくい
ワイヤー矯正と同等の効果
通常のブラケットより破損しやすい
着色しやすい

矯正方法の選択は、歯並びの状態、希望する見た目、ライフスタイル、予算などを考慮して、歯科医師と相談しながら決めることが大切です。

合併症が起きた時の対処法

万が一、矯正治療中に合併症が生じた場合の対処法を知っておくことも重要です。

強い痛みが続く場合

  • 市販の鎮痛剤でコントロールできない場合は歯科医院に連絡
  • 痛みの原因(ワイヤーの突出など)を特定してもらう
  • 場合によっては緊急での調整が必要

装置が破損した場合

  • 破損部分に触れすぎないよう注意
  • 尖った部分には矯正用ワックスを付ける
  • 早めに歯科医院に連絡し、対応方法を確認
  • 破損した部品があれば保管しておく

口内炎が悪化した場合

  • 市販の口内炎薬を使用
  • 塩水でのうがいを1日数回行う
  • 刺激物(辛いもの、酸っぱいもの)を避ける
  • 改善が見られない場合は歯科医院に相談

いずれの場合も、自己判断での対処には限界があります。不安を感じたり、症状が悪化したりする場合は、できるだけ早く専門家に相談することが重要です。

矯正治療前に知っておくべきこと

矯正治療を始める前に、以下のようなことを理解しておくと、治療中のトラブルを減らすことができます。

  • 治療計画と期間の見通し
  • 治療中の注意事項(食事制限など)
  • 必要なホームケアの方法と道具
  • 起こりうるトラブルとその対処法
  • 定期検診の頻度と重要性

事前に十分な情報収集と歯科医師とのコミュニケーションを行うことで、より安心して治療に臨むことができるでしょう。

まとめ

ワイヤー矯正は多くの歯並びの問題を効果的に解決できる治療法ですが、治療中にはいくつかの合併症やリスクが生じる可能性があります。痛みや不快感、口内炎、虫歯・歯周病リスクの増加、装置の破損、歯根吸収、歯の変色などが主な合併症として挙げられます。

これらのリスクを最小限に抑えるためには、適切な口腔ケア、食事の注意、矯正用ワックスの使用、定期的なメンテナンスなどが重要です。また、何か問題が生じた場合には早めに歯科医師に相談することが大切です。

矯正治療は長期間にわたるものですが、適切なケアと対策を行うことで、より快適に、そして効果的に治療を進めることができます。治療前にこれらのリスクについて理解し、準備をしておくことで、より安心して矯正治療に臨むことができるでしょう。

日本歯科札幌では、豊富な治療実績と先端の技術力を活かし、患者さまの希望に沿ったオーダーメイドのマウスピース矯正を提供しています。専門スタッフのチーム医療と充実したサポート体制で、術前の疑問や不安をしっかりと解消しながら、安全・安心の治療を目指します。まずはお気軽にご相談ください。

この記事の監修

今本院長

日本歯科札幌 院長 今本 芳彦

北海道出身。
卒後、自由診療専門のクリニックで研鑽を積む。
10年間、自由診療専門のクリニックで院長として活躍。
北海道でトップクラスのインプラント実績を誇る。
他にもマウスピース矯正、審美治療を得意とする。