インプラントがダメになったらどうする？次の選択肢と入れ歯への移行【日本歯科名古屋院長が解説！】

インプラント日本歯科名古屋

インプラント治療を受けたものの、何らかの理由でインプラントがダメになってしまった場合、多くの方が「次はどうすればいいのか」と不安を感じるでしょう。インプラントがダメになる原因はさまざまですが、適切な対処法を知っていれば、再び快適な食生活を取り戻すことは十分可能です。この記事では、インプラントがダメになった際の対処法と、入れ歯への移行を含む治療選択肢について詳しく解説します。

インプラントがダメになる原因

インプラントが機能しなくなる原因を理解することで、将来的なトラブルを防ぐことができます。まずは、なぜインプラントがダメになってしまうのか、その主な原因を見ていきましょう。

インプラント周囲炎による感染

インプラント周囲炎は、インプラントがダメになる原因のうち最も多いです。。これは、インプラント周囲の歯肉や骨に細菌感染が起こる状態で、放置すると骨が吸収され、最終的にインプラントが脱落してしまいます。

予防には、毎日の丁寧なブラッシングと歯間清掃が欠かせません。また、定期的な歯科検診により、早期発見・早期治療を行うことが重要です。

事故や歯ぎしりによる破損

事故や転倒による外傷、歯ぎしりや食いしばりなどの過度な咬合力により、インプラント本体や被せ物が壊れる場合があります。特に夜間の歯ぎしりは無意識に行われるため、気づかないうちにインプラントに大きな負担をかけていることがあります。

歯ぎしりや食いしばりの傾向がある方は、ナイトガードの使用を検討することで、インプラントがダメになったら入れ歯に頼る状況を避けられます。

骨との結合不全と骨量不足

インプラント手術時に骨との結合が不十分だった場合や、年月が経って骨が減少すると、インプラントが不安定になることがあります。これらの問題は、手術前の十分な検査と、必要に応じた骨造成手術により予防することができます。

インプラントがダメになったら？診断から入れ歯への対処まで

インプラントに違和感や痛みを感じた場合、まずは適切な診断を受けることが重要です。症状の程度や原因により、取るべき対処法が大きく異なるためです。

初回診査での状態確認

まず、レントゲン撮影やCT検査により、インプラントの状態と周囲の骨の状況を詳しく調べます。同時に、歯茎の腫れや揺れを確認し、保存治療が可能かどうかを判断します。

軽度のインプラント周囲炎であれば、適切な治療により改善を図ることができる場合があります。しかし、重度の感染や骨吸収が進行している場合はインプラントを取り除き、入れ歯などへの変更を検討する必要があります。

インプラント除去の必要性と手術計画

治療で残すのが困難と判断されたら、インプラントの除去手術を行います。除去後は患者さんの希望やお口の状況を考慮し、入れ歯やその他の治療計画を決定します。

除去手術は局所麻酔下で行われ、多くの場合は外来での日帰り手術が可能です。術後の経過観察期間を経て、次の治療ステップに移行します。

治癒期間と入れ歯などの次の治療への準備

インプラント除去後は、感染が治り骨が回復するのを待つ期間が必要です。この期間は個人差がありますが、通常2〜6ヶ月程度を要します。

治癒期間中は、仮歯や仮の入れ歯を使用することで、日常生活への影響を最小限に抑えることができます。

インプラントがダメになったら？入れ歯など代替治療の比較

インプラントがダメになった後の治療選択肢は複数あり、それぞれにメリットとデメリットがあります。年齢、口腔内の状況、予算などを考慮して最適な選択肢を決めます。

インプラント治療を再度行う場合

骨の状態が良好で、全身状態に問題がなければ、再度インプラント治療を行うことが可能です。ただし、初回治療にて失敗した原因を特定し、また同じ問題が起こらないように対策を講じることが重要です。

再埋入には骨造成手術が必要になる場合があり、治療期間が長くなることがあります。また、費用面でも初回治療と同程度の負担が発生します。

ブリッジ治療へ移行

ブリッジは入れ歯より安定感があり、違和感が少ないのがメリットです。これは、失った歯の両隣の歯を削って土台とし、連結した人工歯を装着する方法です。

ブリッジのメリットは、入れ歯と比較して安定感があり、違和感が少ないことです。しかし、健康な歯を削る必要があることや、将来的に土台となる歯に負担がかかることがデメリットとして挙げられます。

入れ歯への移行

入れ歯は年齢を問わず多くの方に適用できる治療法です。近年の技術進歩により、従来のイメージを覆すような快適性と機能性を持つ入れ歯も開発されています。

入れ歯の種類により装着感や見た目、費用が大きく異なるため、患者さんのライフスタイルに合わせた選択が重要です。

インプラントがダメになっても再治療はできる？

一度インプラントがダメになったとしても、適切な処置と最新の技術により再度インプラント治療を成功させることは十分可能です。近年の技術進歩により、初回治療が失敗した症例でも高い成功率を実現できるようになっています。

再埋入における成功率の向上

再インプラント治療の成功率は、適切な診断と治療計画により90%以上を達成することが可能です。初回治療の失敗原因を詳細に分析し、同様の問題を回避する治療戦略を立てることで成功が期待できます。

特に、CT画像解析やコンピューターシミュレーションを活用した精密な診断により、骨の量や質をより正確に評価できるようになっています。これにより、最適な埋入位置と角度を事前に決められ、インプラントがダメになったら入れ歯に頼る状況を避けやすくなります。

インプラント材料とデザインの進化

現在のインプラントは、表面処理技術や形状デザインの改良により、骨との結合能力が飛躍的に向上しています。特に、初期安定性を高める新しいスレッドデザインや、、骨との結合を促進する表面加工により、従来よりも安定した治療結果が期待できます。

このような技術進歩により、再インプラント治療は単なる「やり直し」ではなく、より高いレベルでの治療成果を目指すことができる選択肢となっています。

入れ歯への移行する際の流れ

インプラントから入れ歯への移行には、いくつかのパターンがあります。患者さんの口腔内の状況や希望に応じて、最適な入れ歯の種類と移行方法を選択します。

従来型総入れ歯への移行

全ての歯を失っている場合や、残っている歯の状態が良くない場合は、従来型の総入れ歯への移行を検討します。現代の総義歯は、精密な型取りと咬合調整により、想像以上に快適な使用感を実現できます。

総義歯の製作には通常4〜6回の通院が必要で、完成までに約1〜2ヶ月かかります。保険適用の場合は費用を抑えられますが、自費診療では材料や技術にこだわった高品質な総入れ歯を製作することも可能です。

部分床義歯（部分入れ歯）の選択

一部の歯が残っている場合は、部分入れ歯が適用されます。これは、残存歯にクラスプ（留め具）をかけて固定する入れ歯で、比較的安定性が高く、慣れやすいのが特徴です。

部分床義歯のメリットは、残った歯を利用することで安定性が向上し、噛む機能の回復が期待できることです。ただし、クラスプをかける歯には負担がかかるため、定期的なメンテナンスが重要になります。

アタッチメント付き義歯への移行

インプラントの一部が残存利用可能な場合や、新たに数本のインプラントを埋入する場合は、アタッチメント付き義歯（インプラント義歯）という選択肢があります。これは、インプラントと入れ歯を特殊な留め具で連結する方法です。

アタッチメント付き義歯は、従来の入れ歯と比較して格段に安定性が向上し、しっかりと噛むことができます。特に下顎の総義歯では、その効果が顕著に現れます。

入れ歯の種類	適用条件	治療期間	費用目安（保険適用）
従来型総入れ歯	全ての歯がない場合	1〜2ヶ月	1〜3万円
部分入れ歯	一部の歯がない場合	3〜6週間	5千円〜1万5千円
アタッチメント付き入れ歯	インプラント利用可	2〜4ヶ月	自費診療のみ