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噛む力が弱くなったと感じたら?考えられる原因と回復のための対策【日本歯科静岡院長が解説!】

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最近、食事の際に以前より噛む力が弱くなったと感じていませんか?噛む力は加齢とともに自然に低下するものと思われがちですが、実は様々な原因が考えられます。噛む力が弱くなると、栄養摂取の偏りや消化不良、さらには全身の健康にも影響を及ぼす可能性があります。

この記事では、噛む力が低下する原因や、インプラント治療を含めた効果的な回復方法についてご紹介します。毎日の食事を美味しく楽しむために、噛む力の回復に向けた第一歩を踏み出しましょう。

噛む力が弱くなったと感じる原因

私たちの「噛む力」は加齢とともに自然に低下する傾向がありますが、その背景には様々な要因が隠れています。まずは自分の状態を知ることが対策の第一歩となります。ここでは、噛む力低下の主な原因とそれぞれのチェックポイントを解説します。

加齢による筋力や顎の骨の変化

年齢を重ねると、体全体の筋力低下と同様に、咀嚼に関わる筋肉も衰えていきます。特に咬筋(こうきん)や側頭筋などの咀嚼筋の力が弱まると、噛む力に直接影響します。また、顎の骨密度も低下し、噛む際の安定性が失われることがあります。40代から徐々に始まる咀嚼筋の減少は、60代以降でより顕著になり、80歳では20歳時の約70%程度まで咀嚼能力が低下するとされています。

自分で気づくポイントとしては、りんごやせんべいなど、以前は簡単に噛めていた硬い食べ物が噛みづらくなった、長時間の会話や食事で顎が疲れやすくなったなどの変化が挙げられます。

歯の喪失や歯周病の進行

歯を失ってしまうと噛む力の低下に直結します。歯が一本抜けただけでも、その部分での咀嚼が困難になるだけでなく、残った歯に負担がかかり、さらなる歯の問題を引き起こす可能性があります。特に奥歯は咀嚼能力に大きな影響を与えます。

また、歯周病は歯を支える歯肉や骨の炎症を引き起こし、進行すると歯がグラつき、最終的には抜歯が必要となることもあります。歯周病が進行した歯は、健康な歯と比較して噛む力が最大で50%以上低下するとも言われています。

自己チェックポイントとしては、歯ぐきからの出血や腫れ、歯のグラつき、口臭の悪化などが挙げられます。また、冷たいものや熱いものがしみる、噛むと痛みを感じるといった症状も要注意です。

不適合な入れ歯や修復物のトラブル

入れ歯やブリッジなどの人工的な修復物が合わない場合も、噛む力が弱くなる原因の一つです。特に長期間使用している入れ歯は、顎の形状変化に伴って合わなくなることがあります。

入れ歯の不適合は、食事中の違和感や痛み、入れ歯のずれ、発音の困難さなどの症状として現れます。また、食べ物が入れ歯の下に入り込むといった不快感も生じやすくなります。合わなくなった入れ歯を使用し続けると、噛む力は正常な入れ歯の半分以下になってしまうケースもあり、栄養摂取に影響を及ぼす可能性があります。

噛み合わせの問題

上下の歯の噛み合わせが悪いと、効率よく噛むことができません。噛み合わせのずれは、歯の摩耗や欠損などによって生じることがあります。

噛み合わせの問題は、顎関節の痛みやカクカク音、頭痛や肩こり、特定の部分でしか噛めないといった症状として現れることがあります。また、歯ぎしりや食いしばりの習慣がある方も、咀嚼筋の疲労から噛む力が弱くなることがあります。

全身疾患や服用薬の影響

糖尿病や骨粗しょう症などの全身疾患は、歯周組織や顎の骨に影響を与え、間接的に噛む力を低下させることがあります。また、口腔乾燥を引き起こす薬(降圧剤や抗うつ剤など)の長期服用は、唾液分泌の減少を通じて咀嚼や嚥下に影響を及ぼす可能性があります。

そのため、お薬手帳を確認し、服用中の薬の副作用に口腔乾燥が含まれていないか確認することも大切です。また、持病と噛む力の関係について、かかりつけ医や歯科医師に相談することをお勧めします。

噛む力が弱くなったと感じたら?回復に向けた対策

噛む力が弱くなったと感じても、日常生活での工夫で改善できることがたくさんあります。専門的な治療の前に、まずは自分でできる対策から始めてみましょう。ここでは、噛む力を回復・維持するための日常的な取り組みについてご紹介します。

効果的な咀嚼筋トレーニング法

咀嚼に関わる筋肉は、適切なトレーニングによって強化することができます。定期的な咀嚼筋トレーニングを3か月間継続することで、噛む力が平均20%程度向上したという研究結果も報告されています。

例えば「頬っぺた膨らませ運動」は、口を閉じた状態で頬を膨らませ、10秒間保持するシンプルなエクササイズです。左右交互に、または両方同時に行いましょう。「あいうえお体操」は、「あ・い・う・え・お」の口の形をはっきりと大きく作り、各5秒間保持します。これらを1日3回程度行うことで、口周りの筋肉強化に効果的です。

また、市販の咀嚼トレーニング用ガムやトレーニング器具を活用するのも良い方法です。ただし、顎関節に問題がある方は、歯科医師に相談してから取り組むようにしましょう。

噛む力を高める食生活の工夫

日常の食生活でも、噛む力を意識した工夫ができます。例えば、根菜類(ごぼう、にんじん、れんこんなど)や繊維質の多い野菜、噛み応えのある肉類など、適度に硬さのある食材を取り入れることで、自然と咀嚼筋を使うことができます。

また、一口30回を目標に、意識的によく噛んで食べる習慣をつけることも大切です。よく噛むことは消化を助けるだけでなく、脳の活性化や満腹中枢の刺激にもつながり、認知症予防や肥満防止にも効果があるとされています。

ただし、現在の噛む力に合わない無理な食事は避け、徐々に噛み応えのある食品を増やしていくことをお勧めします。必要に応じて、食材の大きさや硬さを調整する調理の工夫も取り入れましょう。

口腔ケアの重要性と正しい方法

噛む力を維持するためには、歯と口腔内の健康管理が欠かせません。毎日の丁寧な歯磨きに加えて、フロスや歯間ブラシを使用した歯間清掃も重要です。特に歯と歯の間や歯と歯ぐきの境目は、歯ブラシだけでは十分に清掃できないため、補助的な清掃用具を活用しましょう。

また、入れ歯を使用している方は、毎食後の入れ歯の清掃と、就寝時の取り外しを習慣づけることが大切です。入れ歯の清掃不足は口内細菌の増殖を招き、口臭や歯肉炎の原因になるだけでなく、入れ歯の適合性にも悪影響を及ぼす可能性があります。

定期的な歯科検診も忘れずに受け、専門的なクリーニングで取り除けない歯石や歯の表面のくすみを除去しましょう。早期に問題を発見・対処することで、噛む力の維持につながります。

インプラント治療で噛む力はどれだけ回復するのか

日常的なケアや工夫だけでは噛む力の十分な回復が難しい場合、治療が必要になることがあります。特に歯の喪失による咀嚼機能の低下に対しては、インプラント治療が有効な選択肢となり得ます。ここでは、インプラント治療による噛む力の回復について詳しく解説します。

インプラントの仕組みと特徴

歯科インプラントとは、失った歯の代わりにチタンなどの生体親和性の高い材料でできた人工歯根を顎の骨に埋め込み、その上に人工の歯を装着する治療法です。天然歯と同様に顎の骨に固定されるため、入れ歯やブリッジと比較して高い安定性と咀嚼機能を実現できます。

インプラントの最大の特徴は、顎の骨と直接結合する点です。この生体との結合によって、インプラントは天然歯の80〜90%程度の咀嚼能力を発揮することができるとされています。これは従来の入れ歯(40〜60%程度)と比較しても高い機能回復率です。

また、インプラントは周囲の健全な歯を削る必要がないため、残存歯への負担が少なく、適切に管理すれば長期間(10年以上)使用できることがメリットとして挙げられます。

インプラントは初期費用は高いものの、長期的に見ると噛む力や使用感において優れた選択肢といえます。特に複数の歯を失った場合や、入れ歯の不快感に悩まされている方には大きなメリットがあります。

インプラント治療成功のための条件

インプラント治療には多くのメリットがある一方で、理解しておくべきリスクや成功のための条件もあります。まず、インプラント埋入には外科手術が必要となるため、糖尿病や骨粗しょう症などの全心疾患がある方や喫煙習慣がある方は、治療の適応や成功率に影響する可能性があります。

また、インプラント治療には十分な骨量が必要です。歯を失ってから時間が経過していると、顎の骨が痩せてしまい、インプラントを支えるだけの骨量が確保できないケースがあります。そのような場合は、骨造成が必要になることもあります。

インプラント治療を成功させるためには、術前の十分な検査と計画、適切な手術テクニック、そして何より治療後の定期的なメンテナンスが重要です。少なくとも3〜6か月に一度の歯科検診を受けることをお勧めします。

インプラント治療後に噛む力を最大限に活かすための注意点

インプラント治療を受けて噛む力が回復しても、その機能を長期間維持するためには適切なケアと注意が必要です。ここでは、インプラント治療後に噛む力を最大限に活かし、長持ちさせるためのポイントを解説します。

インプラント周囲炎の予防と早期発見

インプラント周囲炎は、インプラント周囲の組織に起こる炎症性疾患で、放置すると骨の吸収を引き起こし、最終的にはインプラントの脱落につながる可能性があります。天然歯の歯周病と似ていますが、進行が早く、気づいたときには手遅れになっていることも少なくありません。

インプラント周囲炎の初期症状としては、インプラント周囲の軽度の出血や腫れ、軽い不快感などが挙げられます。これらの症状に気づいたら、すぐに歯科医院を受診することが重要です。初期の段階であれば、専門的なクリーニングと適切なホームケア指導で改善できる可能性が高いです。

予防のためには、毎日の丁寧な歯磨きに加えて、インプラント専用の歯間ブラシやフロス、水流洗浄器などを使用して、インプラントと歯肉の境目を清潔に保つことが大切です。また、喫煙は周囲炎のリスクを高めるため、禁煙または減煙を心がけましょう。

過度な咬合力からインプラントを守るための対策

インプラントは天然歯と比べて、衝撃を吸収する機能(歯根膜という組織)がないため、過度な噛む力が直接顎の骨に伝わります。特に歯ぎしりや食いしばりの習慣がある方は、無意識のうちにインプラントに大きな負担をかけていることがあります。

歯ぎしりや食いしばりがある場合は、就寝時にナイトガードを装着することで、インプラントへの負荷を分散させることができます。

また、極端に硬い食べ物(氷を噛む、固いナッツ類など)や粘着性の強い食品は、インプラントに過度な負担をかける可能性があるため、注意が必要です。これらの食品を楽しむ際は、小さく切るなどの工夫をしましょう。

定期的なメンテナンスの重要性

インプラント治療の長期的な成功には、専門的なケアが欠かせません。一般的には3〜6か月に一度の頻度で歯科医院を受診し、専門的なクリーニングと検査を受けることが推奨されています。

定期検診では、インプラント周囲の状態、噛み合わせ、インプラント上部構造の状態などを総合的にチェックします。問題があれば早期に対処することで、大きなトラブルを未然に防ぐことができます。

また、定期検診の際には、自宅でのケア方法についても指導を受けることができます。インプラントのケア用品や方法は日々進化しているため、最新の情報を得ることも大切です。

まとめ

噛む力が弱くなったと感じるのは、単なる加齢現象ではなく、様々な原因が関わっています。歯の喪失、歯周病、合わない義歯、噛み合わせの問題など、複数の要因が噛む力に影響を与えていることを理解しましょう。

日常生活では、咀嚼筋トレーニングや噛み応えのある食事、適切な口腔ケアなどの取り組みで、噛む力の維持・向上を図ることができます。これらの習慣は、全身の健康維持にも役立つため、積極的に取り組んでみましょう。

噛む力が弱くなったと感じたら、まずは歯科医師に相談し、自分に合った対策や治療法を見つけることが大切です。適切なケアと必要に応じた治療により、いつまでも美味しく食事を楽しむ生活を維持しましょう。

日本歯科静岡では、豊富な治療実績と先端の技術力を活かし、患者さまの希望に沿ったオーダーメイドのインプラント治療を提供しています。専門スタッフのチーム医療と充実したサポート体制で、術前の疑問や不安をしっかりと解消しながら、安全・安心の治療を目指します。まずはお気軽にご相談ください。

この記事の監修

日本歯科静岡 院長 戸田 紀章

静岡県出身。
卒後、埼玉医科大学口腔外科で研鑽を積む。
その後、静岡歯科で10年間研鑽を積んだ後、日本歯科静岡の院長に就任。
静岡県トップクラスのインプラント治療実績を持つ。
審美治療やマウスピース矯正も得意とする。