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歯がなくても生きていける?治療の選択肢や歯がないことで起こるリスクを紹介【日本歯科名古屋院長が解説!】

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「歯がなくなっても、命に関わらないから大丈夫」「歯がなくても生きていける」と考えたことはありませんか?確かに歯がなくても生きていけますが、歯の喪失は単なる見た目の問題だけではありません。咀嚼機能の低下による栄養摂取の困難さ、発音の問題、顎の骨の吸収、顔の形状変化など、生活の質に大きく影響します。

この記事では、歯を失った状態で放置するリスクと、インプラント、入れ歯、ブリッジといった治療選択肢のメリット・デメリットを解説します。適切な治療法を選ぶことで、健康的な生活を取り戻しましょう。

歯がなくても生きていけるのか?歯の喪失が及ぼす影響

結論から言えば、歯がなくても生きていけます。世界には高齢になってすべての歯を失っても生活している方もいます。しかし、「歯がなくても生きていける」ということと「健康的に快適に生活できる」ということは大きく異なります。

歯の喪失は、単に見た目や食事の楽しみを損なうだけでなく、身体全体の健康に深刻な影響を及ぼす可能性があります。なぜ歯の喪失が重要な問題なのか、その具体的な影響について見ていきましょう。

咀嚼機能の低下による食生活への影響

歯を失うと最も直接的に影響を受けるのが咀嚼機能です。十分に噛めないことで、食べられる食品が制限され、柔らかいものや刻んだものを選びがちになります。食事の選択肢が狭まることで、必要な栄養素を十分に摂取できなくなり、栄養バランスの乱れから全身の健康状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、十分に噛まないことは消化にも影響します。食べ物を細かく噛み砕くことは消化の第一段階であり、唾液と混ぜ合わせることで消化酵素の働きも促進されます。噛む回数が減ると、胃腸への負担が増大し、消化不良や胃腸トラブルの原因となることがあります。

発音の問題と社会生活への影響

歯は発音にも重要な役割を果たしています。特に前歯がない場合、「サ行」や「タ行」などの発音が不明瞭になりがちです。これにより、コミュニケーションに支障をきたし、社会生活にも影響を与えることがあります。

発音の問題は人前で話すことへの自信喪失につながり、社会的な場面を避けるようになる方もいます。コミュニケーションの障壁は精神的ストレスや社会的孤立を引き起こす可能性があり、QOL(生活の質)の低下につながります。

顎の骨の吸収と顔の形状変化

歯を失った部分の顎の骨は、使われなくなることで徐々に痩せていきます。これを「骨吸収」と呼びます。骨吸収は時間の経過とともに進行し、歯を失ってから1年で約25%、3年で約40〜60%の骨量が減少するとされています。

骨吸収が進むと、顔の形状にも変化が現れます。頬がこけたり、口元が内側に入り込んだりして、実年齢よりも老けて見える原因となります。

周囲の歯への悪影響

歯が抜けたままの状態を放置すると、周囲の歯にも悪影響が及びます。歯は互いに支え合う構造になっているため、1本でも失うとバランスが崩れ、隣接する歯が抜けた方向に傾いたり、噛み合う上下の歯が伸びてきたりします。

これにより噛み合わせが悪くなり、残っている歯に過度な負担がかかるようになります。その結果、さらに歯を失うリスクが高まり「連鎖的な歯の喪失」につながる可能性があります。

歯の喪失による影響 短期的な影響 長期的な影響
咀嚼機能 食べにくさ、食事時間の延長 栄養不足、消化不良、体重減少
発音 特定の音が発音しづらい コミュニケーション障害、社会的孤立
顎の骨 初期の骨吸収(年間約25%) 顔の形状変化、入れ歯の不適合
周囲の歯 隣接歯の傾斜、対合歯の伸長 噛み合わせの不調和、さらなる歯の喪失

このように、歯の喪失は見た目の問題だけでなく、機能的・健康的な面でも様々な悪影響をもたらします。したがって、「歯がなくても生きていける」という考えで放置するのではなく、適切な治療を検討することが重要です。

歯がない場合の治療選択肢

歯を失った場合、主な治療法として「インプラント」「入れ歯(義歯)」「ブリッジ」の3つの選択肢があります。それぞれに特徴、メリット、デメリットがあり、患者さまの状態や希望に合わせて最適な治療法を選ぶことが重要です。

インプラント治療の特徴とメリット・デメリット

インプラント治療は、失った歯の根の代わりにチタン製のインプラント体を顎の骨に埋め込み、その上に人工歯を装着する治療法です。最も天然歯に近い機能と審美性を回復できる治療法として、現在の歯科医療では理想的な選択肢と考えられています。

インプラントの最大のメリットは、周囲の健康な歯を削る必要がないことです。ブリッジのように隣接する歯を支えにする必要がなく、独立して機能します。また、固定式なので取り外しの手間がなく、強い咬合力が得られるため、ほぼ天然歯と同じように食事を楽しむことができます。

一方で、インプラント治療には外科手術が必要であり、治療期間が比較的長いというデメリットがあります。また、顎の骨の量が十分でない場合は、骨造成などの追加処置が必要になることもあります。費用面では保険適用外の自費診療となるため、高額になる点も考慮が必要です。

入れ歯(義歯)の特徴とメリット・デメリット

入れ歯は、失った歯の代わりとなる人工歯を樹脂などの床に固定し、口腔内に装着する取り外し可能な装置です。部分的に歯を失った場合は部分入れ歯、全ての歯を失った場合は総入れ歯を使用します。

入れ歯の大きなメリットは、外科手術が不要で、短期間で治療が完了する点です。また、保険診療で作製できるタイプもあるため、費用面での負担が比較的少なくて済みます。顎の骨の状態に関わらず装着できるため、インプラントが適用できない方でも利用可能な点もメリットです。

しかし、入れ歯には安定性や咬合力の面で限界があります。特に従来型の入れ歯は、噛む力がインプラントの約1/5〜1/7程度とされています。また、長期使用による顎の骨の変化に伴い、定期的な調整や作り直しが必要になることもあります。装着感や違和感、発音への影響など、適応に時間がかかる場合もあります。

ブリッジの特徴とメリット・デメリット

ブリッジは、失った歯の両隣の健康な歯を支台として削り、その上に複数の歯が連結した人工歯を固定する治療法です。「橋(ブリッジ)」のように両端の歯で中央の欠損部を支える構造になっています。

ブリッジのメリットは、固定式なので取り外しの必要がなく、咬合力も入れ歯より優れている点です。また、インプラントのような外科手術が不要で、比較的短期間で治療が完了します。保険適用の場合もあるため、インプラントと比べて費用負担が少ない点もメリットです。

デメリットは、支台となる健康な隣接歯を削る必要があることです。これにより、将来的に支台歯がむし歯や歯周病になるリスクが高まります。また、ブリッジは欠損部分の歯の数や位置によって適用できない場合もあります。特に連続して多数の歯が欠損している場合や、欠損部の両隣に健康な歯がない場合は適用が難しくなります。

治療法 メリット デメリット
インプラント ・周囲の歯を削らない
・高い咬合力
・見た目が自然
・取り外し不要
・外科手術が必要
・治療期間が長い
・費用が高額
・骨量が必要
入れ歯 ・外科手術不要
・治療期間が短い
・比較的低コスト
・骨量が少なくても可能
・咬合力が弱い
・装着感・違和感
・定期的な調整が必要
・取り外しの手間
ブリッジ ・外科手術不要
・治療期間が短い
・固定式で違和感が少ない
・中程度の咬合力
・健康な歯を削る
・支台歯への負担
・適用条件に制限
・長期的な耐久性の問題

治療法の選択は、失った歯の本数や位置、顎の骨の状態、全身の健康状態、予算、希望するライフスタイルなど、様々な要素を考慮して行う必要があります。歯科医師との十分な相談を通じて、自分に最適な選択をすることが大切です。

各治療法の費用について

歯の治療を検討する際、治療効果だけでなく費用も重要な判断材料となります。ここでは、インプラント、入れ歯、ブリッジそれぞれの費用相場と保険適用の可否について詳しく解説します。

治療法によって保険適用の範囲が大きく異なるため、事前に費用面での準備や計画を立てることが重要です。各治療法の特徴と合わせて費用面も考慮し、総合的に判断しましょう。

インプラント治療の費用相場

インプラント治療は基本的に保険適用外の自費診療となります。1本あたりの費用は、インプラント体と上部構造を合わせて、一般的に約30〜50万円程度が相場です。複数本のインプラントを行う場合や、骨造成などの追加処置が必要な場合は、さらに費用がかかることがあります。

ただし、顎の骨の欠損が著しい場合や、がんなどの治療で顎の骨を一部切除した場合など、特定の条件を満たす場合には保険適用となるケースもあります。

また、近年ではインプラント治療に医療ローンや分割払いを導入している歯科医院も増えています。高額な治療費の負担を軽減するために、こうした支払い方法についても歯科医院に相談してみるとよいでしょう。

入れ歯(義歯)の費用相場

入れ歯は保険適用と自費診療の両方があり、材質や種類によって費用が大きく異なります。保険適用の入れ歯は、部分入れ歯で約5,000〜10,000円程度、総入れ歯(で約15,000〜20,000円程度(3割負担の場合)と比較的安価です。

一方、自費診療の入れ歯では、金属床義歯やノンクラスプデンチャー、磁性アタッチメントなど様々な種類があり、部分入れ歯で約10〜30万円、総入れ歯で約20〜50万円程度かかることがあります。自費診療の入れ歯は保険適用のものよりも審美性や機能性、装着感に優れているため、長期的に使用する予定の方は検討してみるのも良いでしょう。

入れ歯は使用しているうちに顎の骨の形状変化などにより合わなくなることがあり、数年ごとに調整や作り直しが必要になる場合があります。この点も長期的なコストとして考慮する必要があります。

ブリッジの費用相場

ブリッジは基本的に保険適用が可能ですが、使用する材料や部位によって自費診療となる場合もあります。保険適用のブリッジは、欠損歯1本につき約5,000〜10,000円程度(3割負担の場合)が目安です。ただし、これに支台歯の治療費が加わるため、実際の総額はこれより高くなります。

自費診療のブリッジでは、オールセラミックなど審美性の高い材料を使用する場合、1本あたり約8〜15万円程度かかることがあります。前歯など見た目が重要な部位では、保険適用外の審美性の高いブリッジを選択する方も多くいます。

ブリッジは支台歯にかかる負担が大きく、長期的には支台歯のトラブルから再治療が必要になるケースもあります。そのため、初期費用だけでなく、将来的なメンテナンスや再治療の可能性も考慮して判断することが重要です。

治療法 保険適用の有無 費用相場(1本あたり) 特記事項
インプラント 原則自費診療
(特定条件下のみ保険適用)
約30〜50万円 骨造成等の追加処置で費用増加の可能性あり
入れ歯(保険) 保険適用 部分:約5,000〜10,000円
総:約15,000〜20,000円
3割負担の場合の金額
入れ歯(自費) 自費診療 部分:約10〜30万円
総:約20〜50万円
種類や材質により大きく異なる
ブリッジ(保険) 保険適用 欠損1本につき約5,000〜10,000円 支台歯の治療費は別途必要
ブリッジ(自費) 自費診療 1本あたり約8〜15万円 審美性の高い材料を使用する場合

治療費用は歯科医院によって、また患者さまの口腔内の状態によっても変わってきます。正確な費用については、実際に歯科医院で診察を受け、治療計画と合わせて詳細な見積もりを出してもらうことをおすすめします。

自分に合った治療法の選び方

歯の喪失に対する治療法は一人ひとり最適な選択が異なります。ここでは、自分に合った治療法を選ぶための判断基準や考慮すべきポイントについて解説します。

治療法の選択は、口腔内の状態だけでなく、生活スタイルや価値観、予算など多角的な視点から検討することが大切です。歯科医師とのコミュニケーションを通じて、納得のいく治療計画を立てましょう。

年齢と全身の健康状態による判断

治療法を選ぶ際には、年齢や全身の健康状態が重要な判断材料となります。インプラント治療は外科手術を伴うため、高血圧や糖尿病、骨粗しょう症などの全身疾患がある場合は、注意が必要です。また高齢の方は、骨の治癒力が関わるため、全身状態とのバランスで治療の可否が判断されます。

若年層で健康状態が良好な場合は、長期的な視点からインプラントやブリッジなどの固定式の治療が向いている場合が多いです。一方、高齢者や全身疾患がある方では、身体への負担が少ない入れ歯が選択されることもあります。ただし、これはあくまで一般的な傾向であり、個人差があります。

全身疾患がある場合でも、適切な医科歯科連携のもとで治療を行うことで、安全にインプラント治療を受けられるケースも多くあります。歯科医師と内科医などの主治医との連携が重要です。

喪失した歯の本数と位置による選択

喪失した歯の本数や位置も治療法選択の重要な要素です。1〜2本の歯の喪失であれば、インプラントやブリッジが適していることが多いです。特に隣接歯が健全な場合は、それらを削らずに済むインプラントが理想的です。

連続して多数の歯を失っている場合、ブリッジでは支台歯への負担が大きくなるため、インプラントや部分入れ歯が検討されます。すべての歯を失った場合は、総入れ歯か、複数のインプラントを支えとする固定式の義歯(インプラントオーバーデンチャーやオールオン4など)が選択肢となります。

また、前歯のように見た目が重要な部位では審美性の高い治療法、奥歯のように咬合力が重要な部位では機能性に優れた治療法というように、部位によっても最適な選択は変わってきます。

ライフスタイルと希望に応じた選択

患者さま自身のライフスタイルや希望も治療法選択の重要な要素です。例えば、スポーツや社交の場が多い方は、取り外しの手間がなく、見た目や発音に優れたインプラントが向いているかもしれません。

また、メンテナンスの頻度や手間も考慮すべきポイントです。インプラントは日常的なケアと定期的な専門的クリーニングが重要です。入れ歯は毎日の取り外しと清掃が必要となります。自分のライフスタイルに合ったメンテナンス方法を選ぶことで、長期的な成功率が高まります。

さらに、治療期間についても考慮が必要です。インプラントは埋入から上部構造装着まで数ヶ月かかることがある一方、入れ歯やブリッジは比較的短期間で完成します。急いで歯の機能回復が必要な場合は、この点も判断材料になります。

コストパフォーマンスを考慮した判断

治療費は大きな判断材料ですが、単に初期費用だけでなく、長期的なコストパフォーマンスも考慮することが重要です。インプラントは初期費用は高いものの、適切に管理すれば長期間使用できるため、長い目で見るとコストパフォーマンスが高いこともあります。

入れ歯は初期費用は比較的低いですが、調整や作り直しが必要になる可能性があるため、長期的なコストも考慮する必要があります。また、保険適用の治療と自費診療の治療では、審美性や機能性、耐久性に違いがあるため、単純に費用だけで比較するのではなく、得られる効果とのバランスで判断することが大切です。

医療費控除や歯科医院で提供している分割払いなどの支払い方法も、費用面での検討材料になります。カウンセラーなどに相談し、自分の予算に合った支払い計画を立てることも大切です。

判断基準 インプラントに向いている場合 入れ歯に向いている場合 ブリッジに向いている場合
年齢・健康状態 ・全身状態が良好
・骨の状態が良好
・高齢者
・全身疾患がある
・全身状態が良好
・隣接歯が健康
歯の喪失状況 ・単独1〜数本の欠損
・全顎的な欠損
・多数歯欠損
・全顎的な欠損
・1〜3本程度の限局的欠損
・支台歯が健康
ライフスタイル ・社交的な活動が多い
・スポーツをする
・手入れに時間をかけられる
・費用を抑えたい
・短期間で治療を完了したい
・シンプルな治療を希望
予算・コスト ・長期的な視点で投資できる
・初期費用より効果重視
・初期費用を抑えたい
・保険診療を希望
・中程度の予算
・保険診療を希望

最終的な治療法の決定は、歯科医師による専門的な診断と、患者さま自身の希望や価値観を総合的に考慮して行う必要があります。複数の歯科医院でセカンドオピニオンを求めることも、より良い選択のために有効な方法です。

まとめ

歯がなくても生きていけますが、歯の喪失は咀嚼機能の低下、栄養摂取の問題、発音障害、顎の骨吸収など、生活の質に大きく影響します。放置すると周囲の歯にも悪影響が及び、連鎖的な歯の喪失につながる可能性があります。

治療法としては、インプラント、入れ歯、ブリッジの3つの主要な選択肢があります。インプラントは天然歯に最も近い機能と審美性を提供しますが、外科手術が必要で費用も高額です。入れ歯は比較的低コストで外科手術不要ですが、咬合力や装着感に制限があります。ブリッジは固定式で短期間で治療完了しますが、健康な歯を削る必要があります。

自分に合った治療法を選ぶには、年齢や健康状態、喪失した歯の状況、ライフスタイル、予算などを総合的に考慮することが重要です。「歯がなくても生きていける」と簡単に考えずに歯科医師との十分な相談を通じて、長期的な視点で最適な選択をしましょう。

日本歯科名古屋では、豊富な治療実績と先端の技術力を活かし、患者さまの希望に沿ったオーダーメイドのインプラント治療を提供しています。専門スタッフのチーム医療と充実したサポート体制で、術前の疑問や不安をしっかりと解消しながら、安全・安心の治療を目指します。まずはお気軽にご相談ください。

この記事の監修

稲津副院長

日本歯科名古屋 院長 稲津 由美子

大手歯科グループの院長として長年活躍。
その後静岡歯科の副院長として8年間研鑽を積み、日本歯科名古屋の院長に就任。
女性歯科医師として全国でトップクラスのインプラント実績を持つ。
マウスピース矯正と審美治療を得意とする。