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インビザラインで八重歯は治せる?治療の可否と注意点を解説【日本歯科豊平院長が解説!】

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八重歯(犬歯の突出)は多くの方が悩む歯並びの問題です。近年、目立たない矯正方法として注目されているインビザライン(マウスピース矯正)による治療を検討されている方も多いでしょう。八重歯の改善は可能なのか、どのような治療が必要なのか、そして注意すべきポイントについて詳しく解説します。

従来のワイヤー矯正に比べて審美性に優れたマウスピース矯正ですが、八重歯の程度や骨格的な問題によって治療の可否が変わることもあります。

インビザラインによる八重歯治療の可否

インビザライン治療で八重歯を改善できるかどうかは、八重歯の程度や口腔内のスペースの状況によって大きく異なります。

軽度から中度の八重歯への対応

軽度から中度の八重歯であれば、インビザライン治療による改善が期待できるケースが多いです。犬歯が歯列からわずかに飛び出している程度であれば、適切なスペース確保と段階的な移動によって、理想的な位置への誘導が可能です。特に成人の場合、骨格の成長が完了しているため、治療シミュレーションの予測精度が⾼く、八重歯改善の予測しやすい治療計画を立てることができます。

マウスピースによる矯正のメリットとして、透明で目立たない装置を使用するため、日常生活や仕事への影響を最小限に抑えながら治療を進められることが挙げられます。また、取り外し可能な装置のため、食事や歯磨きが通常通り行えることも大きなメリットです。

重度の八重歯や骨格的な問題を伴う場合

重度の八重歯や骨格的な問題(上顎の狭窄、下顎の後退など)が原因となっている場合、インビザライン単独での治療は困難な場合があります。このような症例では、ワイヤー矯正との併⽤や外科的矯正⼿術を組み合わせて、インビザラインでは補いきれない犬歯移動をサポートする必要があります。

特に犬歯が歯列から大きく逸脱している場合、強い力での移動が必要となり、マウスピース矯正だけでは限界があることも考慮する必要があります。八重歯の原因とリスクを精査したうえで、インビザライン・ワイヤー矯正・外科的処置の組み合わせを含む最適な治療計画を⽴案することが重要です。

治療前カウンセリングでの判断基準

治療の可否を判断するためには、3Dスキャニング技術を用いた詳細な検査が必要です。iTero(アイテロ)などのデジタルスキャナーによって、口腔内の正確な3D画像を取得し、八重歯をインビザラインで治療できるかどうかを総合判断します。

レントゲン撮影による骨格分析、歯根の位置確認、歯周組織の健康状態なども含めた総合的な診断により、患者さまにとって最適な治療方針を決定します。

インビザラインで八重歯治療をする際のスペース確保方法

八重歯をインビザラインで治療する際、犬歯を歯列に収めるためのスペース確保が重要です。

IPR処置によるスペース創出

IPR(Inter-Proximal Reduction)は、歯のエナメル質表面を0.1〜0.5mm程度削り、スペースを創出する処置です。複数⻭にIPRを施すことで、⼩臼⻭⼀本分ほどのスペースを創出でき、この際に痛みや⻭の健康への影響はほとんどありません。

IPR処置は特に軽度から中度の八重歯治療において有効で、抜歯を避けたい患者さまにとって重要な選択肢となります。処置後は専用のマウスピースによって、段階的に犬歯を理想的な位置に移動させていきます。

側方拡大法(歯列拡大)による治療

側方拡大法(歯列拡大)は、歯列全体を横方向に拡大することでスペースを確保する方法です。上顎アーチが狭い八重歯の症例では、アライナーを段階的に拡⼤することで犬歯が並ぶ幅を得られます。

この方法は特に成長期の患者さまに効果的ですが、成人でも適用できる場合があります。ただし、拡大量には限界があるため、事前の診断によって適応を慎重に判断する必要があります。

奥歯移動方法(遠心移動)の活用

奥歯移動方法(遠心移動)は、奥歯を後方に移動させることで前歯部にスペースを確保する治療法です。インビザラインの特性を活かし、奥歯から段階的に後方移動させることで、犬歯の移動に必要なスペースを創出できます。

この方法は抜歯を避けたい場合に特に有効で、歯列全体のバランスを保ちながら治療を進めることができます。ただし、移動量や移動速度には個人差があるため、十分な治療期間を見込んでスケジュールを立てる必要があります。

抜歯の必要性について

重度の八重歯や重篤な歯列不正の場合、抜歯の必要性が生じることがあります。一般的に小臼歯を抜歯すると十分なスペースが生まれ、犬歯という八重歯の大きな移動もインビザラインでコントロールしやすくなります。

抜歯を伴う治療では、治療期間が長くなる傾向がありますが、より理想的な歯列を実現できる可能性が高まります。インビザライン費用も抜歯の有無によって変動するため、治療計画の段階で十分な相談が必要です。

八重歯のインビザライン治療の具体的な流れ

八重歯のインビザライン治療は、綿密な診断から始まり、段階的な治療を経て保定期間まで続きます。

初期診断と治療計画の立案

初回のカウンセリングでは、3Dスキャニング技術を用いて口腔内の詳細な状態を把握し、八重歯の程度や治療の可否を判断します。レントゲン撮影、口腔内写真撮影、歯周組織検査なども併せて行い、総合的な治療計画を立案します。

治療前カウンセリング内容では、患者さまの希望や生活スタイルも考慮し、最適な治療方針を提案します。また、治療期間や費用、注意事項についても詳しく説明し、十分な理解を得た上で治療を開始します。

マウスピースを作成し治療開始

治療計画が確定すると、専用のマウスピースを作成します。インビザラインシステムでは、治療完了まで全てのマウスピースを一度に作成し、八重歯の動きに合わせて段階的に交換します。

装着時間管理はとても重要で、1日20〜22時間の装着が必要です。マウスピースは通常1〜2週間ごとに交換し、徐々に理想的な位置に歯を移動させていきます。

定期的なモニタリング

治療中は定期的な来院により、治療の進行状況を確認します。マウスピースの浮きや装着時間を確認し、必要に応じてインビザライン治療計画を微調整します。

特に八重歯の移動は複雑な動きを伴うため、予想と異なる動きが生じた場合は、追加のマウスピース作成や治療期間の延長が必要になることもあります。患者さまとの密なコミュニケーションにより、最適な治療を目指します。

治療後の保定期間について

治療後の保定期間は、治療効果を維持するために極めて重要です。八重歯の治療後は、特に犬歯の位置を安定させるため、長期間の保定が必要になります。

保定装置(リテーナー)の装着により、歯の後戻りを防ぎ、美しい歯列を維持します。保定期間は通常2〜3年程度ですが、個人差があるため、定期的な経過観察により適切な期間を決定します。

八重歯治療におけるインビザラインとワイヤー矯正の違い

八重歯治療において、インビザラインと従来のワイヤー矯正にはそれぞれ特徴があります。

審美性と生活への影響

インビザラインの最大の利点は、透明で目立たない装置により、治療中の見た目・審美性改善効果を実感しながら矯正治療を進められることです。そのため職業上の制約や社交シーンへの影響が少なく、成人の八重歯治療でインビザラインが選ばれるケースが増えています。

一方、ワイヤー矯正は金属製の装置が目立ちやすく、装着期間中の見た目に影響を与えます。ただし、歯の移動力は強力で、重度の八重歯にも対応可能です。

治療効果が期待できる症状の範囲

ワイヤー矯正は強い力で歯を移動させることができ、複雑な歯の移動や重度の歯列不正にも対応可能です。インビザラインは軽度から中度の八重歯には非常に効果的ですが、重度の八重歯では補助的手段が必要になる場合もあると理解しておくべきです。

八重歯矯正期間についても、ワイヤー矯正の方が短期間で済む場合がありますが、個人差や症例の複雑さによって大きく異なります。

矯正範囲の選択肢

インビザラインでは、部分矯正と全体矯正の両方に対応可能です。八重歯だけを整えたい場合には部分矯正でインビザラインを用いることで、期間短縮とコスト削減が可能です。

ただし、部分矯正では噛み合わせの改善が限定的になる場合があるため、総合的な診断により最適な治療範囲を決定することが重要です。

他治療法を併用する場合

重度の八重歯や複雑な症例では、複合治療が効果的な場合があります。初期段階でワイヤー矯正により大きな移動を行い、その後インビザラインで微調整を行う複合治療により、両治療法の利点を活かすことができます。

また、外科的な処置を併用する場合もあり、患者さまの状態に応じて最適な治療法を組み合わせることが重要です。

治療費用と期間の目安

八重歯のインビザライン治療にかかる費用と期間について、具体的な目安を紹介します。

インビザライン費用の相場

八重歯のインビザライン治療費用は、症例の複雑さや治療範囲により大きく異なりますが、一般的に60万円〜120万円程度が相場とされています。部分矯正の場合は30万円〜70万円程度、全体矯正では80万円〜120万円程度が目安となります。

費用には診断料、装置代、定期的な調整料、保定装置代などが含まれます。また、抜歯の必要性がある場合は、別途で抜歯のための費用が発生することもあります。

治療期間の目安

八重歯矯正期間は、歯の移動距離や治療の複雑さによって決まります。軽度の八重歯であれば6か月〜1年程度、中度から重度の場合は1年半〜3年程度の治療期間が必要になることが一般的です。

治療期間に影響を与える要因として、患者さまの装着時間管理の徹底度、歯の移動反応の個人差、治療計画の複雑さなどが挙げられます。定期的な来院により、適切な進行管理を行うことが重要です。

費用対効果の考慮

インビザライン治療は初期費用が高額になる傾向がありますが、治療中の生活への影響・注意点を考慮すると、多くの患者さまにとって価値のある投資となります。目立たない装置により、治療期間中も自信を持って社会活動を続けることができ、長期的な満足度が高い治療法です。

また、治療後の保定期間も含めた長期的な視点で費用対効果を判断することが重要です。

治療成功のためのポイント

インビザラインによる八重歯治療を成功させるためには、いくつかの重要なポイントがあります。

医院選びのポイント

インビザライン治療の成功は、経験豊富な医師による適切な診断と治療計画に大きく依存します。

また、3Dスキャニング技術や最新の設備を導入している医院では、より精密な診断と治療が可能です。治療実績や症例数も重要な判断材料となります。

装着時間管理の徹底

インビザライン治療の成功には、患者さまの装着時間管理が極めて重要です。1日20〜22時間の装着を徹底することで、予定通りの治療効果を得ることができます。

装着時間が不足すると、歯の移動が遅れ、治療期間の延長や治療計画の変更が必要になる場合があります。食事や歯磨き以外の時間は常に装着するよう心がけることが大切です。

定期的なメンテナンスと経過観察

治療中は定期的に受診し、インビザラインの進行状況と八重歯の位置変化を確認・調整する必要があります。マウスピースの適合性チェック、歯の移動状況の確認、口腔衛生指導などを通じて、治療効果を最大化します。

また、治療中に生じる疑問や不安についても、遠慮なく相談することが重要です。患者さまと医療スタッフが協力して治療を進めることで、最良の結果を得ることができます。

口腔衛生管理の重要性

治療期間中の口腔衛生の管理は、治療成功と歯周組織の健康維持に不可欠です。マウスピースの清掃、歯磨きの徹底、定期的な歯石除去などにより、虫歯や歯周病を予防しながら治療を進めることが重要です。

特に八重歯の治療中は、歯が移動する過程で清掃が困難になる場合があるため、専用ブラシやフロスを活用して細部までケアしましょう。

まとめ

インビザラインによる八重歯治療は、軽度から中度の症例において優れた効果を発揮する治療法です。透明で目立たない装置により、治療期間中も自然な笑顔を保ちながら歯列の改善を目指すことができます。

治療の成功には、適切な診断に基づく治療計画の立案、患者さまの装着時間管理の徹底、定期的なメンテナンスが重要です。重度の八重歯や複雑な症例では、他の治療法との併用も検討する必要があります。

費用や治療期間については個人差が大きいため、まずは詳しい診断を受けることをお勧めします。適切な治療により、美しい歯列と機能的な咬合の両方を実現することが可能です。

日本歯科豊平では、豊富な治療実績と先端の技術力を活かし、患者さまの希望に沿ったマウスピース矯正を提供しています。専門スタッフのチーム医療と充実したサポート体制で、術前の疑問や不安をしっかりと解消しながら、安全・安心の治療を目指します。まずはお気軽にご相談ください。

この記事の監修

文田 遥介