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ホワイトニングは虫歯があってもできる?治療の順番と注意点を徹底解説【日本歯科名古屋院長が解説!】

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「歯を白くしたいけど、虫歯があるとホワイトニングはできないの?」このような疑問をお持ちの方は少なくありません。結論から言うと、虫歯がある場合は原則として先に虫歯治療を行い、その後にホワイトニングを実施します。しかし、虫歯の進行度や状態によっては、同時進行や特別な対応が可能なケースもあります。

今回は歯科医師の立場から、虫歯がある方のホワイトニング治療について、適切な順序や注意点を詳しく解説します。美しい白い歯を手に入れるための正しい知識を身につけましょう。

ホワイトニングは虫歯があってもできるのか

ホワイトニングは歯の表面に特殊な薬剤を塗布して、歯のステイン(着色)や変色を改善する審美歯科治療です。一方、虫歯は細菌によって歯の硬組織が溶かされる疾患であり、放置すると歯を損なう可能性があります。

いずれも歯の状態に関わる重要なテーマですので、まずは両者の関係について基本的な知識を整理しましょう。

虫歯があるとホワイトニングが推奨されない理由

結論としては、虫歯がある場合はホワイトニングは推奨されません。その理由としては、まず、ホワイトニング剤に含まれる過酸化水素や過酸化尿素といった成分が、虫歯によって露出した神経に刺激を与え、強い痛みを引き起こす可能性があるためです。この痛みは一時的なものだけでなく、長期化することもあります。

また、ホワイトニング剤は健康な歯のエナメル質に対して作用するよう設計されています。虫歯で傷んだ部分には効果が均一に現れず、治療後に色むらが目立つ可能性があります。

さらに、ホワイトニング剤が虫歯部分から歯の内部に浸透することで、虫歯の進行を早めたり、細菌感染のリスクを高めたりする可能性も否定できません。そのため、ホワイトニングは健康な歯に対して行うことが基本とされています。

ホワイトニング薬剤が虫歯に与える影響

ホワイトニング薬剤は主に過酸化水素や過酸化尿素といった酸化剤を含んでいます。これらの成分は歯の着色を分解する効果がある一方で、虫歯によって弱くなった歯質をさらに脆くする恐れがあります。特に象牙質が露出している場合、薬剤が歯の内部の神経まで達し、炎症や痛みを引き起こすこともあります。

また、虫歯治療後に装着した仮歯や一部の詰め物・被せ物は、ホワイトニング薬剤によって接着力が弱まることがあります。これにより、せっかく治療した箇所の詰め物が取れたり、隙間から新たな虫歯が発生したりするリスクが高まります。

ホームホワイトニングと虫歯の関係性

ホームホワイトニングは、歯科医院で作製した専用のマウスピースと処方された薬剤を使用して、ご自宅で行うホワイトニング方法です。オフィスホワイトニングと比較して、時間や場所を自由に選べる利点があります。

では、虫歯がある場合のホームホワイトニングについて、詳しく見ていきましょう。

ホームホワイトニングの特徴と虫歯への影響

ホームホワイトニングは、低濃度の薬剤を長時間使用するのが特徴です。使用される薬剤の濃度は10~15%程度で、オフィスホワイトニング(30〜35%)と比較するとかなり低濃度です。低濃度であることから、虫歯に対する刺激はオフィスホワイトニングよりも穏やかですが、長時間の薬剤接触により、小さな虫歯や初期の虫歯が進行するリスクがあります。特に就寝中に装着するタイプのホームホワイトニングでは、唾液の流れが減少するため、薬剤の影響が強まる可能性があります。

また、ホームホワイトニングでは、マウスピースの適合性も重要です。マウスピースと歯の間に隙間があると、そこに薬剤が溜まり、特定の部分に過剰な刺激を与えることがあります。もし未治療の虫歯がその部位にあれば、痛みを感じる原因になることもあります。

ホームホワイトニング前の歯科検診について

ホームホワイトニングを始める前には、必ず歯科医院での詳細な検診を受けることが重要です。歯科検診では、目では見えない初期の虫歯や、レントゲン写真による歯の内部の状態を確認します。また、以前の治療で使用された詰め物や被せ物の状態も確認し、ホワイトニングに適しているかどうかを判断します。これらの検査を通じて、安全にホームホワイトニングを行える状態であるかを総合的に判断します。

検診の結果、虫歯や歯周病などの問題が見つかった場合は、まずその治療を行います。その後、口の中の状態が落ち着いてから、ホームホワイトニングに進むという流れが一般的です。この手順を省くと、予期せぬ問題が起きたり、ホワイトニングの効果が十分に得られない可能性があります。

ホームホワイトニング中に気をつけるべきこと

ホームホワイトニング中は、虫歯予防が特に重要です。ホワイトニング薬剤によって一時的に歯の表面が脆弱になることがあり、この状態で不適切な口腔ケアを行うと、新たな虫歯のリスクが高まる可能性があります。以下の点に注意して実施しましょう。

  • 毎食後の丁寧な歯磨きと、就寝前のケアを徹底する
  • フッ素配合の歯磨き剤を使用し、歯の強化を促進する
  • 糖分の多い食べ物や酸性の強い飲料を控える
  • ホワイトニング直後(2時間程度)は、着色しやすい食品を避ける
  • 違和感や痛みを感じた場合は、すぐに使用を中止し歯科医院に相談する

新たな痛みや知覚過敏を感じた場合は、まだ見つかっていない虫歯がある可能性があります。このような症状が出たら、必ず歯科医師に相談してください。

虫歯とホワイトニングの治療順序

美しい白い歯を手に入れるためには、どのような順序で治療を進めるべきでしょうか。虫歯とホワイトニングの治療順序を正しく理解することで、より効果的な治療が可能になります。

先述の通り一般的には、「まず虫歯を治療してから、ホワイトニングを行う」という順序が推奨されています。これは単に安全性の観点からだけでなく、治療効果を最大限に引き出すための理想的な流れでもあります。

ホワイトニングより先に虫歯治療を行うべき理由

先に虫歯治療を行うべき理由はいくつかあります。虫歯治療を先に行うことで、ホワイトニング中の痛みや不快感を防ぐことができますし、健康な歯であれば、ホワイトニング薬剤による刺激も最小限に抑えられます。これにより、より快適にホワイトニング治療を受けることができるのです。

また、虫歯治療後は歯の状態が改善されますので、ホワイトニングの効果も均一に表れやすくなります。未治療の虫歯があると、部分的に色むらが生じたり、薬剤の効果にばらつきが出たりする可能性があります。

第三に、虫歯治療後に適切な期間を置くことで、歯や歯茎の状態が安定し、ホワイトニングに適した状態になります。特に神経を除去する根管治療を行った場合は、一定期間の経過観察が必要です。

虫歯の進行度によるホワイトニング治療計画の違い

虫歯の進行度によって、ホワイトニングまでの治療計画は変わってきます。初期の虫歯では比較的短期間でホワイトニングに移行できますが、中程度から重度の虫歯の場合は、複数回の治療と経過観察が必要です。特に神経まで達している深い虫歯の場合は、根管治療から被せ物の装着まで、数週間から数ヶ月かかることがあります。

複数の歯に虫歯がある場合は、優先順位をつけて段階的に治療を進めていくことになります。全ての虫歯治療が終わってからホワイトニングを始めるか、部分的に進めるかは、歯科医師と相談して決めることが望ましいです。

例外:虫歯とホワイトニングの治療を並行できる場合

基本的には虫歯治療を先に行うべきですが、例外的に虫歯治療とホワイトニングを同時に進められるケースもあります。例えば、ごく初期の虫歯で、痛みがなく、目で見ても分かりにくい程度の場合は、歯科医師の判断のもと、ホワイトニングと並行して経過を見ることができます。ただし、この判断は必ず歯科医師に任せる必要があります。

また、前歯部と奥歯部に分けて考えることもあります。前歯に虫歯がなく奥歯にのみある場合は、前歯のホワイトニングを行いながら、同時に奥歯の虫歯治療を進めることもできます。

虫歯治療後のホワイトニングで注意すべき点

虫歯治療を終えてホワイトニングに進む場合、いくつか注意すべき点があります。治療の種類や使用した材料によって、ホワイトニングの効果や方法が異なるためです。

ここでは、虫歯治療後のホワイトニングについて、具体的な注意点を解説します。

詰め物・被せ物がある場合のホワイトニング

虫歯治療で使用される詰め物や被せ物は、ホワイトニング薬剤の影響を受けないという特性があります。天然の歯が白くなっても、詰め物や被せ物の色は変わらないため、特に前歯など目立つ部分では色の違いが目立つことがあります。この問題を解決するには、ホワイトニング後に新しい詰め物への交換が必要になることもあります。

また、ホワイトニング直後は歯の色が安定していないため、新しい詰め物を入れる場合は、2週間程度の期間を空けることが推奨されています。この期間中に歯の色が若干戻ることがあり、それを考慮した上で詰め物の色を選ぶことで、長期的に見た目の調和を保つことができます。

治療の種類 ホワイトニングへの影響 推奨される対応
コンポジットレジン充填(白い詰め物) 色調が変化せず、周囲の歯との差が出る可能性あり ホワイトニング後に再度詰め直しを検討
セラミックインレー/アンレー 色調変化なし、境界が目立つ可能性あり ホワイトニング後に再製作を検討
クラウン(被せ物) 色調変化なし、前歯部では特に差が目立つ ホワイトニング後に色調を合わせて再製作
根管治療済みの歯 通常のホワイトニングに加え、ウォーキングブリーチが必要な場合も 歯科医師による診察と治療計画の作成

知覚過敏への対応

虫歯治療後の歯は、一時的に知覚過敏になりやすい状態にあることがあります。このような状態でホワイトニングを行うと、冷たいものや熱いものに対する痛みが強くなったり、薬剤による刺激で不快感を感じたりすることがあります。特に神経を除去した歯は、周りの健康な歯と比べて感覚が異なり、違和感を感じやすくなります。

知覚過敏が心配な場合は、次のような対策が有効です。まず、ホワイトニング前に知覚過敏用の歯磨き剤を使用して、歯の感覚を鈍らせておく方法があります。また、低濃度の薬剤から始めて、徐々に濃度を上げていく段階的なアプローチも効果的です。さらに、ホワイトニングの時間を短くして、少しずつ時間を延ばしていくことで、刺激に対する耐性を徐々に高めることもできます。

治療後の経過観察の重要性

虫歯治療後すぐにホワイトニングを始めるのではなく、適切な経過観察期間が必要です。この期間は、治療した歯が安定し、炎症や痛みがなくなり、新しい詰め物や被せ物が口腔内環境に馴染むための時間として必要です。一般的には、軽度の虫歯治療後は1〜2週間、根管治療後は1〜3ヶ月程度の経過観察期間が推奨されています。問題がなければ、その後ホワイトニングを開始できます。

また、経過観察期間中は、口腔内の清掃状態を良好に保ち、新たな虫歯のリスクを減らすことも重要です。定期的な歯科検診を受けることで、治療の経過を確認するとともに、ホワイトニングの準備を整えましょう。

ホワイトニング中の虫歯予防

ホワイトニング治療中は歯が一時的に敏感になりやすく、通常以上の丁寧なケアが必要です。また、ホワイトニング薬剤の影響で歯の表面が変化している間は、虫歯のリスクが高まる可能性もあります。

ここでは、ホワイトニング中に効果的な虫歯予防法と、万が一の場合の対処法について解説します。

効果的な口腔ケア方法

ホワイトニング中の口腔ケアは、通常以上に丁寧に行うことが重要です。ホームホワイトニングでは、マウスピースの使用前後に適切な歯磨きを行い、口の中を清潔に保ちましょう。歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやフロスで歯と歯の間も丁寧に清掃することが大切です。これらの部位は虫歯が発生しやすく、見落としがちな場所です。

フッ素入りの歯磨き剤を使用すると、歯を強くする効果があります。ただし、ホワイトニング直後(30分〜1時間程度)は、歯の表面が敏感になっているため、刺激の強い歯磨き剤は避け、低刺激のものを選ぶとよいでしょう。

食生活に関するアドバイス

ホワイトニング中の食生活管理は、虫歯予防と治療効果の維持の両面で重要です。柑橘類、炭酸飲料、ワインなどの酸性の強いものは、ホワイトニング中の歯を弱くする可能性があるため、摂取を控えめにすることをお勧めします。また、砂糖を多く含む食品も虫歯のリスクを高めるため、頻繁な摂取は避けるべきです。

定期検診の重要性

ホームホワイトニング中も、定期的な歯科検診が必要です。定期検診では、ホワイトニングの効果を確認するとともに、新たな虫歯の兆候がないかをチェックします。早期発見により簡単な処置で済むため、大きな治療を避けることができます。また、歯科医師からホームホワイトニングの正しい方法や、効果を高めるためのアドバイスを受けることもできます。

一般的には、ホームホワイトニング開始後、1〜2週間後に一度検診を受け、その後は1〜3ヶ月ごとの定期検診が推奨されています。これにより、口の健康維持とホワイトニング効果の持続が期待できます。

まとめ

虫歯があっても、適切な順序で治療を行えばホワイトニングは可能です。基本的には虫歯治療を先に行い、その後にホワイトニングを実施します。ただし、虫歯の状態により治療計画は異なるため、歯科医師との相談が重要です。また、ホワイトニング効果を長持ちさせ新たな虫歯を予防するためには、適切な口腔ケアと定期的な歯科検診、食事の管理が大切です。健康な歯があってこそ、美しい白い歯が実現できます。

日本歯科名古屋では、豊富な治療実績と先端の技術力を活かし、患者さまの希望に沿った審美治療(審美歯科)を提供しています。専門スタッフのチーム医療と充実したサポート体制で、術前の疑問や不安をしっかりと解消しながら、安全・安心の治療を目指します。まずはお気軽にご相談ください。

この記事の監修

稲津副院長

日本歯科名古屋 院長 稲津 由美子

大手歯科グループの院長として長年活躍。
その後日本歯科グループの副院長として8年間研鑽を積む。
日本歯科名古屋の院長に就任。
女性歯科医師として全国でトップクラスのインプラント実績を持つ。
マウスピース矯正と審美治療を得意とする。