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タバコがやめられなくてもインプラントは可能?加熱式も含めた治療のポイント

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インプラント治療を検討している方の中には、「タバコがどうしてもやめられない」という理由で治療を断念しかけている方もいらっしゃるのではないでしょうか。また、喫煙を理由にインプラントが難しいと言われ、不安を抱えている方も少なくありません。しかし近年、医療技術の進歩や治療計画の柔軟化により、喫煙者でもインプラントが可能なケースが増えてきました。この記事では、インプラント治療と喫煙の関係や注意点を解説します。

タバコを吸っていてもインプラントは可能?

「喫煙者はインプラント治療ができない」と思われがちですが、実際には医師の判断や患者さんの協力次第で治療が可能な場合もあります。もちろん、喫煙がインプラントの成功率に影響するのは事実で、禁煙や減煙が推奨されます。

治療可否の基準として、1日20本以下の喫煙者は治療が許容される場合もありますが、1日21本以上の喫煙が続くいわゆる「ヘビースモーカー」だと難しいと判断されることが多いです。ただし、喫煙量にかかわらず、最終的には骨や歯肉の状態を含めた総合的な判断が必要になります。他院で断られた方も、再検査や新しい治療計画でインプラントが可能となる場合がありますので、一度あきらめる前に専門医へ相談してみましょう。

インプラント成功率との関係

喫煙者がインプラント治療で成功率が低くなる理由は、タバコ(ニコチン)の血管収縮作用や免疫力低下にあります。インプラント治療の成功率は、骨とインプラント体(チタンなどでできた人工歯根)がどれだけしっかり結合するかがカギとなります。しかし、喫煙によって血流が悪化すると、骨が再生したり、インプラント体が定着するために必要な酸素や栄養が十分に供給されにくくなります。結果として、オッセオインテグレーション(骨結合)の不良やインプラント周囲炎のリスク増大が起きやすくなるのです。

喫煙がインプラントに与える主な悪影響

喫煙によるインプラントへの影響は多岐にわたります。以下では、その代表的な影響をいくつか紹介します。

影響の種類 具体的な悪影響
免疫力低下
  • 歯肉組織の防御機能が弱まる
  • 感染症リスクの上昇
  • 創傷治癒の遅延
血流障害
  • 血管収縮・血流の減少
  • 酸素や栄養の供給不足
  • 骨の再生能力の低下
唾液分泌低下
  • 口腔内の乾燥が進む
  • 細菌増殖リスクの増加
  • 自浄作用が弱まり、歯周病リスクが高まる

インプラント手術時・術後の具体的リスク

インプラント手術は、顎の骨にインプラント体を埋入し、骨と結合するのを待ってから、上部構造(被せ物)を装着するという流れで進みます。この過程で喫煙がもたらす具体的リスクには、以下のようなものが挙げられます。

  • 骨結合の妨げ:血管収縮により、骨再生に必要な血流が不足する
  • 創傷治癒の遅延:タバコによる組織修復能力の低下で、手術部位が治るまでに時間がかかる
  • インプラント周囲炎のリスク上昇:口腔内の清潔環境が保ちにくくなり、感染症が発症しやすい
  • 審美面への影響:歯肉の退縮が進むと、インプラント周りの見た目にも影響が出る可能性がある

特に喫煙量が多い方ほど、これらのリスクが顕著に高まります。一方で、手術前後だけでも禁煙期間を設けるだけで成功率向上が期待できます。医師からの禁煙指導や自助努力により、可能な限り喫煙期間を短くすることが重要です。

加熱式タバコの場合はどう違う?

近年、従来の紙巻タバコに代わり、加熱式タバコを利用する方が増えています。加熱式タバコは煙ではなく水蒸気を吸引し、タールが少ないとされる一方で、ニコチンは含まれています。このため「従来の喫煙よりリスクが低い」とされるものの、インプラント治療への影響を完全に回避できるわけではありません

ニコチンそのものが血管収縮を引き起こす点に変わりはありませんし、完全にリスクを排除できるわけではありません。紙巻タバコに比べれば有害物質が少ない可能性はありますが、インプラントへの負担を軽減できるほど顕著にリスクが低減されるかどうかについては、まだ確実なデータが十分に揃っていません。したがって、加熱式だから大丈夫と安心せず、できる限り禁煙に近づけることが最良の選択肢であることに変わりはないのです。

加熱式タバコなら少しは許容される?

もちろん、医師によっては「紙巻タバコよりは加熱式タバコのほうがマシ」と判断する場合もあります。タールの影響が紙巻タバコより軽減され、口腔内の着色が減少するため、術後の審美性において一定の利点があるとされます。しかし、ニコチンが含まれている以上、血管収縮と免疫力低下によるマイナスの影響は残存します。インプラント治療の長期安定を考慮するならば、手術前後だけでも可能な限り禁煙の期間を確保したいところです。

インプラント手術前後に必要な対策

喫煙者の場合、インプラント治療を成功させるためには以下のような対策が推奨されます。ここでは、治療前・治療中・治療後に分けて見ていきましょう。

治療前:口腔内環境の整備と禁煙の開始

インプラント手術の成功率を高めるためには、まず歯周病や虫歯などの口腔内トラブルを治療し、清潔な環境を整えることが重要です。さらに、手術の2週間前から禁煙をスタートし、歯肉の状態を少しでも改善させることが望ましいとされています。特にヘビースモーカーの方、一気に禁煙するのが難しい方は、段階的に減煙することも有効です。重要なのは「医師に正直に喫煙状況を伝え、適切なアドバイスを受ける」ことです。

治療中:徹底した口腔ケアと禁煙の継続

インプラント手術は一度で終わる場合もありますが、骨とインプラント体が結合するまでの数ヶ月間は「治癒期間」とされ、慎重な経過観察が行われます。この期間に喫煙をすると、インプラント周囲炎が起きやすくなり、治癒が遅れる原因にもなるのです。治療が落ち着くまでの間は、喫煙を控えることが治療成功率を高めるために重要です。また、毎日の歯磨きに加え、フロスやマウスウォッシュなどを使った口腔ケアを徹底しましょう。

治療後:メンテナンスと禁煙の継続

手術が無事に終わって仮歯や最終上部構造が装着されても、適切なメンテナンスを怠るとインプラントの周囲炎や脱落リスクは高まります。特に喫煙者の場合、メンテナンスは欠かせません。最低でも2〜3ヶ月の禁煙を継続し、その間に定期的な歯科検診を受けて問題がないかを確認する必要があります。もし禁煙が難しい場合でも、少しでも本数を減らし、歯科医と密にコミュニケーションをとりながらリスクを管理しましょう。

定期メンテナンスと生活習慣の改善

インプラントを長持ちさせるためには、術後の定期メンテナンスが欠かせません。歯科医院で専門的なクリーニングを受け、歯周組織やインプラント周囲の状態をチェックしてもらうことで、トラブルの早期発見と早期対処が可能となります。

定期検診の重要性

インプラント治療は「治療完了」と言われる時期はあっても、その後のフォローアップを怠ると長期的なトラブルにつながる可能性があります。特に喫煙者の場合、インプラント周囲炎や骨吸収のリスクが高まるため、術後も定期的に歯科医院で検診を受ける習慣をつけることが望ましいです。初期段階で問題を発見できれば、簡単な処置やクリーニングで済むことが多く、長期的なトラブルを防止できます。

生活習慣の見直し

喫煙者の方にとって、インプラントをきっかけに禁煙を始めることは決して遅くありません。どうしても難しいという場合でも、加熱式タバコやニコチンパッチなど、さまざまな選択肢を組み合わせて減煙・禁煙に取り組むのも一案です。飲酒の量や食生活、歯磨きの習慣など、生活習慣を見直すことがインプラントの寿命を延ばすことにつながります。

まとめ

タバコが完全にやめられない方でも、ケースによってはインプラント治療を受けられる可能性は十分にあります。しかし、喫煙が骨結合や術後の経過に悪影響を及ぼす事実は変わりません。紙巻タバコや加熱式タバコに含まれるニコチンは血管収縮や免疫力の低下を引き起こし、インプラントの成功率を下げるリスクを増大させます。そのため「完全禁煙が無理だからインプラントをあきらめる」のではなく、「できる限りの禁煙・減煙対策、口腔ケアを徹底する」姿勢が重要です。

インプラント治療を検討しているものの、喫煙習慣があるために踏み切れない方、あるいは他院で喫煙を理由に断られた方は、ぜひ別の歯科医師や専門クリニックで相談してみてください。総合的な検査や治療計画の再評価を行い、あなたのライフスタイルに合ったインプラント治療を提案できるかもしれません。インプラントを成功させるためには、医師と患者の二人三脚の努力が欠かせないのです。禁煙や生活習慣の改善は、インプラントを健康的に長持ちさせるための「サポート」であり、最終的な「ゴール」ではありません。ぜひ前向きにチャレンジしてみてください。

日本歯科グループのクリニックでは、豊富な治療実績と先端技術を活かし、患者さまの希望に合わせたオーダーメイドのインプラント治療を提供しています。
専門スタッフによるチーム医療と充実したサポート体制で、術前の疑問や不安を丁寧に解消し、安全かつ安心な治療を目指します。まずはお気軽にご相談ください。

この記事の監修

今本院長

日本歯科札幌 院長 今本 芳彦

北海道出身。
卒後、自由診療専門のクリニックで研鑽を積む。
10年間、自由診療専門のクリニックで院長として活躍。
北海道でトップクラスのインプラント実績を誇る。
他にもマウスピース矯正、審美治療を得意とする。

この記事の監修

日本歯科静岡 院長 戸田 紀章

静岡県出身。
卒後、埼玉医科大学口腔外科で研鑽を積む。
その後、静岡歯科で10年間研鑽を積んだ後、日本歯科静岡の院長に就任。
静岡県トップクラスのインプラント治療実績を持つ。
審美治療やマウスピース矯正も得意とする。

この記事の監修

早川理事長

日本歯科グループ 代表 早川 好昭

東京都出身。
静岡県で静岡歯科を開業。
高度先進歯科医療クリニックとして日本歯科グループを開設。
同グループとして静岡歯科、日本歯科札幌、日本歯科静岡、日本歯科名古屋などがある。
日本歯科グループの代表として全てのクリニックを統括。

この記事の監修

稲津副院長

日本歯科名古屋 院長 稲津 由美子

大手歯科グループの院長として長年活躍。
その後静岡歯科の副院長として8年間研鑽を積み、日本歯科名古屋の院長に就任。
女性歯科医師として全国でトップクラスのインプラント実績を持つ。
マウスピース矯正と審美治療を得意とする。