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インプラントメーカーの違いと選び方|構造・材料・確認ポイント【日本歯科札幌】

woman dentist take implant tooth

結論:インプラントメーカーを選ぶときの決め手は、ブランド名よりも「自分の骨や歯ぐきの状態に合うシステムか」「治療する歯科医院が扱い慣れているか」「将来の部品交換やメインテナンスに対応できるか」の3点です。メーカーごとに構造・表面処理・形状などの違いはありますが、どれを使うかは検査結果をもとに歯科医師が判断します。患者さんは、使用するメーカーと製品名を確認し、記録を保管しておくことが大切です。

この記事では、インプラントの基本的な構造、メーカーごとに異なるポイント、メーカーを確認するときの注意点を、日本歯科札幌院長が解説します。

インプラントメーカーを確認しておく理由

インプラントメーカーを確認しておく最大の理由は、治療後の修理や部品交換、転院の際に、使用したシステムの情報が必要になるからです。インプラントは歯科用の医療機器で、口の中で長期間使い続けます。[1] メーカーや製品ごとに部品の形が異なり、修理や調整には同じシステムに対応した部品や器具が必要になることがあります。

日本口腔インプラント学会も、インプラントの種類は分かりにくく、やむを得ず転院する場合は使用したインプラントの種類や手術方法などの情報を転院先に引き継ぐ必要があると説明しています。[2] 米国食品医薬品局(FDA)も、使用するインプラントシステムのブランドとモデルを確認し、記録として保管するよう勧めています。[1]

インプラントの基本構造

インプラントは一般に、「インプラント体」「アバットメント」「上部構造(人工歯)」の3つの部分で構成されます。[1]

部位 役割
インプラント体(人工歯根) 歯の根の代わりに顎の骨に埋め込む部分
アバットメント(土台) インプラント体にねじなどで固定し、歯ぐきを貫いて人工歯を支える部分
上部構造(人工歯) アバットメントの上に装着する被せ物や入れ歯

メーカーや製品で異なる4つのポイント

インプラントは、構造、材料、表面処理、形状などがメーカーや製品によって異なります。

1. 構造(1ピース型・2ピース型)

  • 1ピース型:インプラント体とアバットメントが一体になったタイプ。手術の回数を少なくできる場合がある一方、角度の調整などの自由度は低くなる傾向があります。
  • 2ピース型:インプラント体とアバットメントが分かれたタイプ。アバットメントの交換や角度の調整がしやすく、多くの症例で用いられています。

どちらが合うかは、骨の状態や手術の方法、人工歯の設計によって異なります。担当の歯科医師に、使用する構造とその理由を確認してみましょう。

2. 材料

インプラントの多くは、チタンや酸化ジルコニウム(ジルコニア)でできています。チタン合金やセラミックなどが使われることもあります。[1] メーカーは国際規格(ISOやASTM)を満たす必要があり、刺激やアレルギー反応についての生体適合性の試験が行われています。[1] 金属アレルギーが心配な方は、治療前に歯科医師へ伝えて相談してください。

3. 表面処理

インプラント体の表面には、骨と結合しやすくするための加工が施されています。代表的なものとして、細かい粒子を吹き付けて表面を粗くするブラスト処理、酸で処理する方法、表面を酸化させて凹凸をつくる方法などがあります。メーカーごとに独自の表面処理を採用していることも多く、製品の特徴の一つになっています。

4. 形状

現在主流なのは、ねじのような形のスクリュータイプです。円柱状のシリンダータイプなどもあります。どの形状や長さ・太さを選ぶかは、骨の量や質、埋め込む位置によって歯科医師が判断します。

メーカーを選ぶとき・確認するときのポイント

患者さん自身がメーカーを指定するより、次のような点を歯科医師に確認することが現実的です。

部品の供給とメインテナンスへの対応

治療後には、ねじの緩みや人工歯の破損などで調整や修理が必要になることがあります。[2][3] 使用するシステムの部品が長く供給されるか、転居した場合にほかの歯科医院で対応しやすいかを確認しておくと安心です。

歯科医院が扱い慣れているか

同じメーカーの製品でも、扱う歯科医院の経験によって治療計画の立て方やメインテナンスのしやすさが変わります。歯科医院がどのメーカーを採用しているか、その理由も聞いてみましょう。

なお、日本歯科グループの公式サイトでは、ストローマン社製インプラントを主に採用しているほか、ネオデントインプラント、バイオテムインプラント(韓国製)も選択肢として掲載しています。どれを使うかは、検査結果やご希望をもとにご相談のうえで決めていきます。

保証の内容

メーカーの保証と、歯科医院独自の保証は内容が異なることがあります。対象となる部分、期間、定期メインテナンスの受診が条件になっているかなどを書面で確認しておきましょう。治療費と治療法を文書で保存しておくことも勧められています。[2] 日本歯科グループの公式サイトでは、保証期間をストローマンインプラント10年、ネオデントインプラント5年、バイオテムインプラント1年と掲載しています。保証の条件など詳しくは各院にお問い合わせください。

骨が少ない場合は「メーカー」より「治療計画」

骨の量が少ない場合は、短いインプラントや角度を工夫できるシステム、骨を補う処置などを組み合わせて検討することがあります。ただし、メーカーを変えるだけで治療できるようになるとは限りません。骨を補う処置が必要な場合は、治療期間が長くなることもあります。[3] まずはCTなどの検査をもとに、治療計画全体の説明を受けることが大切です。

メーカーによる費用の違いと考え方

通常のインプラント治療は健康保険の対象外の自由診療で、費用は医院や使用する製品によって異なります。[3] 費用は、検査・診断、手術、骨を補う処置、上部構造、メインテナンスなど多くの項目で構成されます。[4] メーカーの違いだけでなく、見積もりにどの項目が含まれるかを確認し、検査から人工歯の装着までの総額を事前に確かめましょう。[3]

参考として、日本歯科グループの公式サイトに掲載されているインプラント1本あたりの費用は次のとおりです。レントゲン・CTスキャン・手術代が含まれます。

インプラントの種類 保証 銀・プラスチック ジルコニア セラミック
ストローマンインプラント 10年 35万円 40万円 45万円
ネオデントインプラント 5年 25万円 30万円 35万円
バイオテムインプラント 1年 15万円 20万円 25万円

(税込・公式サイト記載の料金、症例により別途費用あり)骨造成(サイナスリフト・GBR)や静脈内鎮静法などを行う場合は、別途費用がかかります。料金の詳細は日本歯科グループのインプラント治療のページをご覧ください。

費用の安さだけで選ぶと、将来の修理や部品交換の際に対応が難しくなる可能性もあります。初期費用と、治療後の管理を含めた長期的な見通しの両方から考えることが大切です。

インプラント治療の流れ・期間・リスク

どのメーカーを使う場合でも、治療の基本的な流れやリスクは共通しています。

  • 標準的な流れ:検査・診断 → インプラントの埋入手術 → 骨との結合を待つ期間 → 人工歯の装着 → 定期メインテナンス
  • 期間の目安:埋入後に人工歯を付けるまで、下顎で2〜3か月、上顎で4〜6か月程度。骨を補う処置が必要な場合はさらに長くなります。[3]
  • 主なリスク:手術に伴う痛み・腫れ・内出血、人工歯の破損や脱離、ねじの緩み、インプラント周囲炎など。[3] 手術時の周囲組織の損傷、感染、治癒の遅れなどが起こることもあります。[1]

喫煙は治癒を妨げ、長期的な経過にも影響します。[1] 糖尿病などの全身の状態も、治療の可否や経過に関わります。[1] 持病や服用中の薬は、事前に歯科医師へ伝えてください。

インプラントメーカーについてよくある質問

インプラントのメーカーは患者が選べますか?

医院が採用しているメーカーの中から、骨の状態や治療計画に合わせて歯科医師が選ぶのが一般的です。希望がある場合は相談できますが、まずは使用するメーカーとその理由を説明してもらいましょう。

有名なメーカーなら長持ちしますか?

インプラントの経過は、メーカーだけでなく、治療計画、骨や歯ぐきの状態、喫煙などの生活習慣、毎日の清掃と定期メインテナンスによって左右されます。どのメーカーでも、治療後の管理を続けることが大切です。

引っ越しをしたら、別の歯科医院で見てもらえますか?

メインテナンスは対応してもらえることが多いですが、修理や部品交換には同じシステムの部品が必要な場合があります。転院するときは、使用したインプラントの種類や手術の方法などの情報を引き継ぎましょう。

自分のインプラントのメーカーを知るにはどうすればよいですか?

治療を受けた歯科医院に確認してください。治療時に、メーカー名や製品名、治療日などの記録をもらって保管しておくと、将来の転院やトラブルの際に役立ちます。

まとめ

インプラントメーカーには、構造・材料・表面処理・形状などの違いがありますが、患者さんにとって大切なのは、自分の状態に合ったシステムを、扱い慣れた歯科医院で使い、治療後も長く管理できることです。使用するメーカーと製品名を確認して記録を残し、費用や保証の内容も書面で確かめておきましょう。

日本歯科札幌では、検査結果をもとに、使用するインプラントや治療方法、期間、リスク、費用について患者さまのご希望を伺いながらご説明しています。インプラントの初回相談は0円です。インプラント治療に疑問や不安がある方は、お気軽にご相談ください。

参考情報

  1. FDA(米国食品医薬品局)「Dental Implants: What You Should Know」
  2. 日本口腔インプラント学会「治療中・術後のトラブル対策」
  3. 日本口腔インプラント学会「よくあるご質問」
  4. 日本口腔インプラント学会「インプラントの費用は?」