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骨不足でもあきらめない!インプラント治療を可能にする方法

Dental tooth implant

インプラント治療を検討している方の中には、「骨が足りない」と断られてしまった経験のある方も多いのではないでしょうか。実際、インプラントを埋め込むための顎の骨量は重要な要素ですが、歯科医療の進歩により、骨が十分でない場合でも可能になる治療法が増えています。「骨不足だからインプラントは無理」とあきらめる必要はありません

インプラント治療における骨不足とは?

インプラント治療では、チタン製の人工歯根(インプラント体)を顎の骨に埋め込み、その上に人工の歯を装着します。十分な安定性を得るには、インプラント体をしっかりと支えるだけの骨量が必要です。しかし、歯周病や加齢、長期間にわたる歯の欠損など、さまざまな要因で顎の骨が痩せてしまい、インプラントが十分に固定できない場合があります。

骨量不足の場合、従来はインプラント治療を断念するか、部分入れ歯やブリッジなどの他の補綴治療に切り替えるという選択肢しかありませんでした。しかし近年では骨量不足を克服するための最新技術や、骨造成材料、特殊なインプラント埋め込み法などが発達・普及したことで、骨量不足でもインプラントを可能にする選択肢もあります。

骨不足を補う最新技術と骨造成の基本

骨量不足を直接補う方法としては、骨造成と呼ばれる治療が代表的です。骨の幅や高さが足りない部分に人工骨や自家骨を移植して骨を増やし、そこにインプラント体を埋め込む手法です。骨造成にはいくつか種類があり、それぞれ適応症例や特徴が異なります。まずは主な骨造成技術を押さえておきましょう。

GBR法(骨誘導再生法)

GBR法(Guided Bone Regeneration)は、人工の膜を用いて骨の再生を促す技術です。インプラントを埋め込む部位の骨が不十分な場合に、人工骨材や自家骨とともに特殊な膜(メンブレン)を使用し、骨が再生しやすい環境を作ります。通常は3~6か月程度の治癒期間が必要で、骨が十分に再生されれば同時にインプラントを埋め込むことも可能です。

費用は使用する人工骨材料やクリニックによって異なりますが、3万~15万円程度が目安とされています。

ソケットリフト法

ソケットリフト法は、主に上顎の奥歯部分にインプラントを埋め込む際に用いられる骨造成法です。上顎洞(サイナス)と呼ばれる空洞との距離が3~5mm程度残っている場合に適応されます。歯茎の中から少しずつ上顎洞の粘膜を押し上げて空間を作り、そこに人工骨を詰めて骨を増やします。

治癒期間は3~4か月程度で、費用は3万~10万円程度が目安です。サイナスリフト法と比べると術後の負担も軽めですが、高度な骨不足には対応しきれない場合もあるため、医師との相談が欠かせません。

サイナスリフト法

ソケットリフトよりも大規模な骨造成が必要な場合には、サイナスリフト法が選択されます。上顎洞と顎骨の距離が3mm以下の場合に適応され、外科的に上顎洞側の壁を開き、大きな空間を確保してから人工骨を充填します。治癒期間は10~12か月と長めで、費用も15万~30万円程度とやや高額です。しかし、広範囲に渡って骨を増やせるメリットがあるため、重度骨量不足の方でもインプラントが可能になるのが特徴です。

CGF(血液由来材料)や自家骨移植

骨造成に使用する材料には人工骨だけでなく、患者自身の血液から作られるCGF(Concentrated Growth Factors)や自家骨移植も選択肢に含まれます。CGFは成長因子を多く含むため、傷の治りを促し、骨再生をサポートすると言われています。自家骨移植は、患者本人の骨を移植するため、高い生着率が期待できますが、採取した部位に追加の手術が必要となり、身体的な負担が増える点には注意が必要です。

骨不足でも可能な代替的インプラント治療法

骨造成を選択せずに、あるいは最小限の骨造成でインプラントを実現する方法として、オールオン4やザイゴマインプラントなどの特殊な治療法も注目されています。

オールオン4

オールオン4は、上顎または下顎にわずか4本のインプラント体を埋め込み、その上にブリッジを装着して全顎の歯を補う治療法です。歯がほとんど残っていない方や、総入れ歯に抵抗がある方でも短期間で固定式の歯を得られるメリットがあります。骨量が少ない部分を避けてインプラントを斜めに埋め込む設計が特徴で、最小限の骨量でもインプラントが実現可能です。

ただし、噛み合わせや全身状態によっては適応外となる場合もあるため、しっかりとカウンセリングを受ける必要があります。また、4本のインプラントに支えられる構造上、それぞれのインプラントにかかる負担が大きくなる点にも注意が必要です。

ザイゴマインプラント

ザイゴマインプラントは、重度の骨吸収が進んだ上顎に対して、頬骨(ザイゴマ)を利用してインプラントを埋め込む手法です。通常のインプラントよりも長いインプラント体を使用するため、大掛かりな外科手術が必要となりますが、「骨がほとんど残っていない状態」でもインプラントでの補綴が可能になるというメリットがあります。サイナスリフトや骨移植が困難な症例でも、ザイゴマインプラントが適応となる場合があります。

ただし、専門的な知識と技術を要するため、ザイゴマインプラントを実施できるクリニックは限られます。また、術後の腫れや痛みなど、身体的な負担も大きい傾向にあるため、医師と入念に相談して決定することが大切です。

治療選択の基準と考慮すべきポイント

インプラント治療は、骨不足の問題をクリアするためのさまざまな手法が存在しますが、それぞれにメリット・デメリットがあります。治療期間、費用、身体的負担、さらに見た目やメンテナンスのしやすさなど、総合的に検討する必要があります。

1. 骨量・全身状態の把握

まずは歯科医院でCT撮影やレントゲン撮影などを行い、正確な骨量や骨質、全身状態を把握することが重要です。糖尿病などの持病がある場合や喫煙習慣がある場合は、骨の治癒能力が低下することが報告されており、骨造成が難しくなったり、インプラント治療の成功率が下がるリスクもあります。

2. 治療期間とステップ

骨造成を行う場合は、インプラントを埋め込む前に3~12か月程度の治癒期間が必要になる場合もあります。一方、オールオン4やザイゴマインプラントのように、骨移植のステップを大幅に省略できる手法も存在します。どのタイミングで人工歯を装着できるのか、仮歯の期間はどのくらいか、口腔内の状態がどのように変化するかなど、あらかじめ把握しておくことで心構えができます。

3. 費用面と保険適用

インプラント治療の多くは自由診療ですが、先天的・後天的要因による骨欠損などの場合に一部保険適用される可能性があります。例えば腫瘍や外傷、骨髄炎などが原因で顎の骨が失われた場合、また、先天的な理由(永久歯の欠如など)でインプラントを余儀なくされる場合にも、保険適用となる場合があります。保険適用の可否はケースバイケースですので、医療機関や保険組合に確認が必要です。

術後管理とアフターケア

骨造成やインプラント手術後は、細心の注意を払って生活する必要があります。食事制限や運動制限、口腔ケアなど、手術後の経過を左右するポイントは以下の通りです。

1. 生活上の注意

  • 飲食制限: 柔らかい食事を選び、刺激物や硬い食品は避けます。また、禁酒・禁煙も推奨される場合が多いです。
  • 活動制限: 激しい運動や長時間の入浴は避け、術後しばらくは安静を保つようにします。

2. 口腔ケア

インプラント周囲に汚れがたまると、インプラント周囲炎を引き起こし、せっかく埋めたインプラントがダメになってしまうリスクが高まります。術後は腫れや痛みがある場合も多いですが、歯科衛生士や医師が指導するブラッシング法やうがいの手順を守り、常に清潔に保つことが大切です。

骨造成方法・インプラント治療法の比較表

治療法 適応 治療期間 費用目安 特徴
GBR法 骨の幅・高さ不足 3~6か月 3万~15万円 同時埋入が可能
ソケットリフト法 上顎骨が3~5mm不足 3~4か月 3万~10万円 上顎洞への負担が少ない
サイナスリフト法 上顎骨が3mm以下 10~12か月 15万~30万円 広範囲に骨造成可能
オールオン4 全顎治療(骨量少なめ) 短期間(即時荷重) 自由診療
(クリニックにより異なる)
4本のインプラントで全顎補綴
ザイゴマインプラント 重度の上顎骨不足 個別診断による 自由診療
(高額になる傾向)
頬骨を利用し骨造成回避

まとめ

骨不足が原因でインプラント治療を断念せざるを得なかった方でも、GBR法やソケットリフト、サイナスリフトなどの骨造成技術によってインプラントが可能になるかもしれません。さらに、オールオン4やザイゴマインプラントなど、骨造成そのものを省略できる最新の技術が普及してきたことで、重度の骨吸収が進んだ場合でもインプラントが選択肢として選ばれるようになりました。

ただし、骨造成や特殊なインプラント手法はそれぞれ治療期間や費用、身体的負担が異なります。また、場合によっては保険が適用されることもあるため、まずは専門の歯科医院で精密検査を受け、治療プランを立てることが大切です。

最新技術を活用すれば「インプラントで噛める楽しさ」を取り戻すことができるかもしれません。自身の症状やライフスタイルに合わせて最善の選択を行い、後悔のない治療を受けましょう。

日本歯科グループのクリニックでは、豊富な治療実績と先端の技術力を活かし、患者さまの希望に沿ったオーダーメイドのインプラント治療を提供しています。専門スタッフのチーム医療と充実したサポート体制で、術前の疑問や不安をしっかりと解消しながら、安全・安心の治療を目指します。まずはお気軽にご相談ください。

この記事の監修

今本院長

日本歯科札幌 院長 今本 芳彦

北海道出身。
卒後、自由診療専門のクリニックで研鑽を積む。
10年間、自由診療専門のクリニックで院長として活躍。
北海道でトップクラスのインプラント実績を誇る。
他にもマウスピース矯正、審美治療を得意とする。

この記事の監修

日本歯科静岡 院長 戸田 紀章

静岡県出身。
卒後、埼玉医科大学口腔外科で研鑽を積む。
その後、静岡歯科で10年間研鑽を積んだ後、日本歯科静岡の院長に就任。
静岡県トップクラスのインプラント治療実績を持つ。
審美治療やマウスピース矯正も得意とする。

この記事の監修

早川理事長

日本歯科グループ 代表 早川 好昭

東京都出身。
静岡県で静岡歯科を開業。
高度先進歯科医療クリニックとして日本歯科グループを開設。
同グループとして静岡歯科、日本歯科札幌、日本歯科静岡、日本歯科名古屋などがある。
日本歯科グループの代表として全てのクリニックを統括。

この記事の監修

稲津副院長

日本歯科名古屋 院長 稲津 由美子

大手歯科グループの院長として長年活躍。
その後静岡歯科の副院長として8年間研鑽を積み、日本歯科名古屋の院長に就任。
女性歯科医師として全国でトップクラスのインプラント実績を持つ。
マウスピース矯正と審美治療を得意とする。