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金属アレルギーでもインプラントはできる?チタンの特徴と事前検査・注意点

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結論:金属アレルギーがあっても、インプラント治療を検討できる場合があります。インプラント体には、体になじみやすいチタンまたはチタン合金が主に使われています[1]。ただし、チタンアレルギーが疑われた症例も報告されているため[2]、金属アレルギーがある方は事前に歯科医師へ伝え、必要に応じて検査を受けたうえで判断することが大切です。

この記事では、金属アレルギーとインプラントの関係、事前検査、素材選びの注意点、症状が出たときの対応を日本歯科札幌が解説します。

金属アレルギーとは?

金属アレルギーは、金属に触れることで免疫反応が起こり、かゆみや湿疹、腫れなどが出るアレルギーです。

歯科で使われる金属が関係するものは「歯科金属アレルギー」と呼ばれます。日本歯科医師会の資料では、唾液や異なる種類の金属の接触によって金属イオンが溶け出し、免疫反応が始まる仕組みが説明されています[3]。

主な症状は、金属が触れる部分の皮膚炎や粘膜の炎症です[3]。金属が触れていない離れた部位に、湿疹や掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう:手のひらや足の裏にうみをもった発疹が繰り返しできる病気)が現れることもあるとされています[3]。

アレルギーの原因になりやすい金属

日本補綴歯科学会誌に掲載された多施設調査では、パッチテストで陽性が多かった金属は次のとおりでした[4]。

金属 陽性率
ニッケル(Ni) 28.7%
コバルト(Co) 28.0%
パラジウム(Pd) 21.3%
クロム(Cr) 20.5%
水銀(Hg) 15.6%

同じ調査では、口の中の症状で最も多かったのは口腔扁平苔癬(こうくうへんぺいたいせん:頬の内側などに白いレース状の模様や赤いただれができる病気)でした[4]。

金属アレルギーでもインプラント治療はできる?

インプラント体に使われるチタンは、体になじみやすい素材とされ、金属アレルギーがある方も治療を検討できる場合があります。

日本口腔インプラント学会は、チタンを「噛む力に耐えられる強度があり、生体親和性が高い」素材と説明しています[1]。米国食品医薬品局(FDA)も、インプラントの材料は生体適合性の試験で刺激やアレルギー反応を起こさないかを確認したうえで評価されると説明しています[5]。

チタンアレルギーが疑われた症例もある

チタンはアレルギーが起こりにくいといわれますが、起こらないとは言い切れません。日本口腔診断学会雑誌には、インプラント治療から9年後に骨の吸収が進み、検査でチタンアレルギーが強く疑われた症例が報告されています[2]。この報告では、インプラントを撤去したあと骨の再生がみられ、金属アレルギーの検査はインプラントの経過を判断するうえで役立つと述べられています[2]。

金属アレルギーの方がインプラントを受けるときの注意点

金属アレルギーがある方は、「申告」「検査」「素材の確認」の3つが特に大切です。

1. 金属アレルギーがあることを必ず伝える

初診やカウンセリングの段階で、過去にアクセサリーなどでかぶれた経験や、診断されたアレルギーの内容を歯科医師に伝えましょう。

2. 必要に応じて検査を受ける

原因となる金属を調べる代表的な検査がパッチテストです[3][4]。日本歯科医師会の資料では、歯科金属アレルギーの診断の流れとして次の4段階が示されています[3]。

  1. アレルギー症状の経過を確認する
  2. パッチテストで反応する金属を調べる
  3. 口の中にある金属の種類を調べる
  4. 反応した金属を取り除き、症状が改善するか確認する

パッチテストは歯科医師だけでは実施できないことも多く、皮膚科などと連携して行います[3]。

3. インプラント体の材質を確認する

インプラント体には、純チタンとチタン合金があります[1]。合金にはチタン以外の金属が含まれるため、検査結果をふまえて、使用するインプラントの材質を歯科医師に確認しておくと安心です。

4. 人工歯(上部構造)の素材に気をつける

インプラントの上に装着する人工歯にも、さまざまな素材があります。金属を含む素材を使う場合は、アレルギーとの関係を確認しましょう。セラミックやジルコニアなど、金属を使わない素材を選ぶこともできます。日本歯科グループでは、インプラントの人工歯の素材として銀・プラスチックのほか、ジルコニアとセラミックを選ぶことができます。

インプラント治療後に症状が出た場合の対応

治療後に口の中や皮膚に気になる症状が出たら、自己判断で放置せず、早めに医療機関を受診しましょう。

日本歯科医師会の資料では、皮膚の症状がある場合はまず皮膚科や内科で標準的な治療を受け、改善しない場合に歯科と連携して歯科金属の関与を調べる流れが示されています[3]。歯科金属が原因と疑われる場合は、その金属を含む修復物や装置を取り除き、別の素材に置き換える治療を検討します[3]。

インプラント体の材料が原因と判断された場合は、インプラントの撤去を検討することがあります[2]。撤去後は、入れ歯やブリッジなど別の方法で歯を補うことを検討します。

インプラント治療の流れ・期間・リスク

インプラント治療は手術を伴う自由診療です。アレルギー以外のリスクも含めて理解したうえで検討しましょう。

  • 標準的な流れ:相談・検査(必要に応じてアレルギー検査)→ 埋入手術 → 骨と結合するまでの治癒期間 → 人工歯の装着 → 定期メンテナンス
  • 期間:骨の状態や骨造成の必要性によって大きく変わります[1]。
  • 主なリスク:周囲組織や神経の損傷によるしびれ、感染、骨と結合しない、ネジのゆるみなどがあります[5]。
  • 費用:原則として健康保険が適用されない自由診療です[1]。日本歯科グループのインプラント費用は1本あたり150,000円〜450,000円(税込・公式サイト記載の料金、症例により別途費用あり)で、インプラントの種類と人工歯の素材によって異なります。詳しくは日本歯科グループのインプラント治療ページをご覧ください。

まとめ

金属アレルギーがあっても、インプラント治療を検討できる場合があります。インプラント体に使われるチタンは体になじみやすい素材とされていますが、チタンアレルギーが疑われた症例も報告されています。金属アレルギーがある方は、事前の申告と検査、インプラント体や人工歯の素材の確認が大切です。

日本歯科札幌では、アレルギーの有無や検査結果をふまえて、素材や治療計画を一緒に検討しています。パッチテストの実施先や、ジルコニアを使ったインプラント体の取り扱いについては、詳しくは各院にお問い合わせください。インプラントの初回相談は0円です。

よくある質問

金属アレルギーがあるとインプラントはできませんか?

必ずできないわけではありません。インプラント体にはチタンが主に使われ、生体親和性が高い素材とされています[1]。アレルギーの内容や検査結果をふまえて、歯科医師が判断します。

チタンアレルギーは本当にあるのですか?

チタンはアレルギーが起こりにくいとされますが、ゼロではありません。インプラント治療後にチタンアレルギーが強く疑われた症例が報告されています[2]。心配な方は事前に歯科医師へご相談ください。

インプラントの前にパッチテストは必要ですか?

全員に必要なわけではありませんが、金属アレルギーの経験がある方は検討をおすすめします。パッチテストは反応する金属を調べる代表的な検査で、皮膚科などと連携して行います[3]。

インプラントの後に湿疹が出たら、インプラントが原因ですか?

湿疹の原因はさまざまで、インプラントが原因とは限りません。まずは皮膚科などで診察を受け、改善しない場合に歯科金属の関与を調べる流れが示されています[3]。気になる症状があれば、早めにご相談ください。

金属を使わないインプラントはありますか?

セラミックの一種であるジルコニアを使ったインプラント体もあります[5]。取り扱いの有無は各院にお問い合わせください。適応はお口の状態によって異なります。

参考情報

  1. 公益社団法人日本口腔インプラント学会「インプラントQ&A」
  2. 吉谷正純ほか「インプラント治療9年後にインプラント周囲炎とチタンアレルギーを発症した1例」日本口腔診断学会雑誌 31(3): 240-245, 2018
  3. 日本歯科医師会「歯科金属アレルギーと医科歯科連携」(厚生労働省 検討会資料)
  4. 横山敦郎ほか「歯科用金属による金属アレルギーの臨床病態と補綴学的対応に関する多施設調査」日本補綴歯科学会誌 7: 234-235, 2015
  5. U.S. Food and Drug Administration「Dental Implants: What You Should Know」