矯正装置の種類と特徴を徹底解説!自分に合う選び方のポイントとは?
歯並びの悩みは、見た目やかみ合わせ、お口全体の健康にも大きな影響を与える重要な問題です。矯正装置にはさまざまな種類があり、それぞれにメリット・デメリット、適用範囲や費用があります。
この記事では、代表的な矯正装置の種類と特徴を整理し、選び方のポイントも解説します。自分に合う装置を見極めるためには、ライフスタイルや予算、治療のゴールなどを総合的に考える必要があります。ぜひ最後までご覧いただき、歯科矯正の第一歩を踏み出す参考にしてください。
矯正装置とは?
矯正装置は、歯並びやかみ合わせの改善を目的に、歯に一定の力を加えて少しずつ正しい位置に誘導する器具です。基本的に「歯を動かす装置」「あごの成長をコントロールする装置」「治療後の歯を安定させる装置」などに分けられます。見た目を重視して透明な装置を選ぶ方もいれば、費用を重視してシンプルなワイヤー矯正を選ぶ方も多く、選択肢は豊富です。
矯正治療は長期にわたることが多いため、装置の選び方が快適さと治療結果に大きな影響を与えます。患者さま一人ひとりの口腔環境や目的に応じて適した装置が異なるため、まずは主な矯正装置の特徴を理解しましょう。
マウスピース型カスタムメイド矯正装置
近年、矯正装置の中でも特に注目されているのが、マウスピース型カスタムメイド矯正装置です。薄く透明なマウスピースを一定期間ごとに交換し、少しずつ歯を移動させていきます。金属アレルギーの心配が少なく、食事やブラッシングの際に取り外せるため、生活スタイルに合わせて自由に装置を着脱できる点が大きなメリットです。
一方で、着脱可能なため、装着時間が不十分だと計画通りに歯が動かない場合があります。決まった時間(1日20時間以上など)を守って装着できる方には適した装置です。
ワイヤー矯正の種類
ワイヤー矯正とは、歯にブラケットを付けてワイヤーで引っ張ることで歯を動かす方法です。素材や構造、装着位置によって複数のバリエーションがあります。ここでは代表的なものを見ていきましょう。
メタルブラケット
最も伝統的でオーソドックスな矯正装置はメタルブラケットです。金属製のブラケットを歯の表側に装着し、ワイヤーで歯を動かします。強度が高く、費用が比較的安価なため、メリットは多いですが、金属の色が目立つことがデメリットです。
セラミックブラケット
メタルブラケットの金属部分をセラミックに置き換えた装置です。白く半透明の素材が多く、メタルブラケットよりも目立ちにくい特徴があります。強度は高いものの、メタルブラケットほどではないため、硬い物を噛む際は注意が必要です。費用は中程度が一般的です。
プラスティックブラケット
プラスチック素材を用いたブラケットで、目立ちにくいという点ではセラミックと似ています。ただし、長期間使用すると変色することがあり、審美性が損なわれる場合があるため、注意が必要です。価格はセラミックブラケットと同程度か、やや安価なことがあります。
ホワイトワイヤー
ブラケットだけでなく、ワイヤーも白や透明の素材でコーティングされたタイプです。歯の表側に装置する中では最も目立ちにくい選択肢ですが、コーティング部分が剥がれる可能性があり、使用状況によっては注意が必要です。
カラーエラスティック
カラフルなゴムでブラケットやワイヤーを固定し、強調したい色やファッション性を楽しみたい方に向いています。色が目立つため、矯正器具を“見せたい”方には好まれますが、目立たせたくない方には不向きです。
セルフライゲーション型マルチブラケット装置(デーモンシステム)
従来のワイヤー矯正に比べ、ブラケットとワイヤーの摩擦を軽減する工夫が施されているのがデーモンシステムです。少ない力で効率よく歯を動かすため、痛みが少なく、治療期間が短縮される傾向があります。ブラケットも小さめなので、歯磨きがしやすい点もメリットです。
リンガル矯正
リンガル矯正は、歯の裏側(舌側)に装置を装着する方法で、別名「見えない矯正」とも呼ばれています。外からほとんど器具が見えないため、仕事で人前に立つことが多い方や装置を見せたくない方に選ばれることがあります。ただし、舌側に装置があるため、慣れるまで発音しにくいことがあり、価格も高めです。
矯正装置のメリット・デメリットの比較
それぞれの矯正装置のメリット・デメリットを比較してみましょう。
矯正装置 | メリット | デメリット | 価格 |
---|---|---|---|
マウスピース型 | 目立ちにくい 取り外し可能 |
装着時間を守らないと効果減 | 安い~中程度 |
メタルブラケット | 強度が高い 治療が進みやすい |
目立ちやすい | 安い |
セラミックブラケット | 見た目が自然 | やや強度が低い | 中程度 |
プラスティックブラケット | 色が選べる 目立ちにくい |
変色する可能性あり | 中程度 |
セルフライゲーション (デーモンシステム) |
痛みが少ない 治療期間の短縮 |
金属部分が多少目立つ | 中程度 |
リンガル | 装置が見えない | 話しづらい 価格が高い |
高い |
その他の特殊な装置の役割
矯正装置には、歯を直接動かすものだけでなく、成長をコントロールしたり、悪習慣を改善したり、歯を固定して守るための装置もあります。ここからは、それぞれの代表的な例を簡単に紹介していきます。
骨格の成長を促進・抑制する装置
小児期から思春期にかけて、あごの骨の成長を利用した矯正が可能です。「ヘッドギア」は上顎の成長を抑制する装置で、就寝時に装着することで上顎骨が過剰に成長するのを防ぎます。一方、「FKO」「バイオネーター」のように下顎を前方に誘導してあごの骨格を調整する装置もあります。これらは成長期に特有の治療法で、時期を逃すと効果が薄れます。
悪習慣を改善する装置
舌の押し出し癖や指しゃぶり、唇を噛むクセなどは歯並びを悪化させる要因となることがあります。そのため「タングクリブ」や「リップバンパー」のように、舌や唇の動きをガイドして歯列の乱れを引き起こす悪習慣を物理的に排除する装置が活用されます。習慣を矯正することで歯列を整えやすくする狙いです。
歯を固定する装置(バラタルバーなど)
矯正治療中に、動かしたくない歯を固定する必要がある場合もあります。後方の臼歯が前に倒れないように支える「バラタルバー」を使用することで、余計な歯の移動を防ぎ、計画的に矯正を進めることができます。
スポーツガード
ラグビーや柔道など、激しい衝撃を受ける可能性があるスポーツを行う際には「スポーツガード」が有効です。これは唇や歯ぐきを保護するだけでなく、装置が衝撃で壊れるのを防ぐ役割も持っています。競技に合わせて専用のガードを作成することをお勧めします。
後戻りを矯正・防止する装置
矯正治療が終わった後、歯は元の位置に戻ろうとする力が働くため、リテーナーを使用する必要があります。リテーナーには、「ホーレータイプリテーナー」「ベッグタイプリテーナー」「クリアーリテーナー」「犬歯間リテーナー」などがあり、それぞれ固定方法や見た目が異なります。また、歯並びが少し戻ってしまった場合でも、柔らかい材質の「DP(ダイレクトポジショナー)」や「スプリングリテーナー」を使用することで、再び歯を理想の位置に動かすことが可能です。きれいに並んだ歯を維持するには、保定装置の使用が不可欠です。
自分に合った矯正装置を選ぶためのポイント
矯正装置を選ぶときは、見た目や費用だけでなく、ライフスタイルや矯正期間、歯科医の方針も考慮することが重要です。以下のポイントを参考に、最適な装置を選択してみてください。
ライフスタイルと装置の特徴
人前に立つことが多くて装置を見せたくない」「面倒でつけ外しの管理が難しいかも」など、ライフスタイルや性格によって適切な装置は異なります。取り外し可能なマウスピース型なら自由度が高い反面、自己管理が求められます。一方、表側矯正は目立ちやすいものの、確実に歯を動かせます。さらに、金属アレルギーがある場合は、メタルタイプを避けるのが基本です。
費用と期間
矯正治療は高額な印象がありますが、装置の種類によって費用に幅があります。メタルブラケットや一部のマウスピース型矯正などは比較的安価ですが、リンガル矯正は高額です。治療期間は、歯の状態や骨格、装置の特性によって異なります。「なるべく短期間で終わらせたい」「費用を抑えたい」など、何を最優先にするかを明確にすると、選択がスムーズになります。
医療機関との相談
最終的には、歯科医としっかりとカウンセリングを行いながら決めることが大切です。口腔内の状況によっては、希望する装置が適用できない場合もあります。気になることや不安があれば遠慮せず医師やスタッフに相談し、十分な説明を受けて納得した上で治療を開始することが望ましいでしょう。
まとめ
矯正装置にはマウスピース型、ワイヤー型、特殊な骨格矯正装置などさまざまな種類があり、それぞれにメリットとデメリット、費用や見た目の違いがあります。治療のゴールやライフスタイル、年齢、骨格の成長段階を総合的に考慮して選択することが重要です。また、一度きれいに並んだ歯を長期的に維持するためには、保定期間中にリテーナーを正しく使うことが不可欠です。医療機関とのコミュニケーションを密に取りながら、納得のいく矯正治療を進めていきましょう。
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