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歯を抜くしかないと言われたら?歯を残す治療と確認したいこと

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結論:「歯を抜くしかない」と言われたら、まず抜歯が必要な理由と根拠を確認し、歯を残す方法がないかを担当の歯科医師に尋ねましょう。状態によっては、根の再治療や歯周病の治療で歯を残せる場合があります[1][2]。一方で、無理に残すと周りの歯やあごの骨に悪影響が出ることもあるため、検査結果をもとに十分な説明を受けて判断することが大切です[2]。

この記事では、抜歯が検討される主な理由、医師に確認したいこと、歯を残すための治療、抜歯が避けられない場合の選択肢を解説します。

歯を抜くしかないと言われる主な理由

抜歯が検討される主な理由は、重い歯周病、大きなむし歯、歯の根の割れ、根の治療を繰り返しても治らない炎症の4つです。

進行した歯周病で骨が溶けている

歯周病が進むと、歯を支える骨(歯槽骨:しそうこつ)が溶け、歯がぐらつくようになります。骨がほとんど残っていない場合は、治療をしてもぐらつきが残り、抜歯を勧められることがあります[2]。

重い歯を無理に残すと、隣の歯やあごの骨に影響が出たり、抜歯後の骨の形が悪くなってインプラントや入れ歯に不利になったりする場合もあります[2]。歯周病は初期に自覚症状が出にくく、気づいたときには進んでいることが少なくありません。

むし歯で歯が大きく崩れている

むし歯が神経や根まで進み、残っている歯の量が少なくなると、詰め物や被せ物で修復するのが難しくなります。歯ぐきより深い位置までむし歯が広がっている場合も、保存が難しいと判断されることがあります。

歯の根が割れている(歯根破折)

歯の根に縦に入った割れは、修復が難しく、抜歯が検討される理由の一つです。ひびが根まで達しているかどうかで、治療法が変わります[3]。歯ぎしりや食いしばりなどの強い力がきっかけになることもあります。

根の治療をしても炎症が治らない

根の中の感染が取りきれず、根の先の炎症が続く場合に抜歯が検討されることがあります。根管治療を行わなければ歯を抜く必要が出ることがあり、根管治療は歯を残すための治療でもあります[1]。

抜歯を勧められたときに確認したいこと

抜歯を決める前に、理由・残す方法・それぞれの見通しの3点を担当医に確認しましょう。

抜歯が必要な理由と根拠を聞く

「なぜ残せないのか」「どの検査結果からそう判断したのか」を尋ね、レントゲンなどの画像を一緒に確認します。わからない言葉があれば、遠慮せずにわかりやすい説明をお願いしてください。

抜歯以外の方法がないかを聞く

「この歯を残す方法はありますか」と尋ね、残す場合と抜く場合のそれぞれについて、次の点を比べてみましょう。

  • 見込まれる経過と再発のリスク
  • 治療期間と通院回数
  • 保険診療か自由診療か
  • 残した場合に周りの歯や骨へ与える影響

セカンドオピニオンを検討する

判断に迷う場合は、ほかの歯科医師の意見(セカンドオピニオン)を聞く方法もあります。歯周病で保存できるか判断しきれない場合は、歯周病専門医に相談する選択肢もあります[2]。現在の担当医からレントゲンなどの資料を受け取っておくと、相談がスムーズです。

歯を残すための主な治療

状態によっては、次のような治療で歯を残せる場合があります。どの治療が合うかは、検査をしたうえで歯科医師が判断します。以下は一般的な治療法の紹介です。各治療を行っているかどうかは、詳しくは各院にお問い合わせください。

歯の状態 検討される治療
根の先の炎症が治らない 再根管治療、外科的歯内療法
歯周病で骨が溶けている 歯周基本治療、歯周外科、歯周組織再生療法
むし歯が歯ぐきより深い 歯冠延長術などで修復しやすくする
歯にひびがある ひびの範囲に応じて被せ物などで補強

再根管治療

以前に根の治療をした歯に炎症が残っている場合、根の中をもう一度清掃・消毒して詰め直す治療です。根管治療は感染を取り除き、再び感染しないよう歯の中を封鎖する治療で、通常2回以上の通院が必要です[1]。拡大鏡(マイクロスコープ)などを使って行う方法もあります。

外科的歯内療法(歯根端切除術)

根の治療だけでは治らない根の先の病変に対して、歯ぐきを開いて根の先を直接処置する方法です。感染した組織を取り除き、根の先を切除して封鎖します。適応となる歯の状態が限られるため、検査で判断します。

歯周病の治療と歯周組織再生療法

歯周病の治療は、毎日の歯みがきでプラーク(歯垢)を取り除くことが中心で、そのうえで歯石除去や歯の根の清掃を行います[2]。炎症をほぼなくせれば、進行はほぼ止まるとされています[2]。

骨がくさび状に溶けた中等度の歯周病では、失われた骨などの再生を目指す歯周組織再生療法が選択肢になることがあります[2]。適応は限られ、再生の程度は年齢や全身の状態、術後の歯みがきなどに左右されます[2]。一部の方法は保険適用、それ以外は自由診療です[2]。自由診療で行う場合の対応や費用は、詳しくは各院にお問い合わせください。

歯冠延長術

歯ぐきより深い位置までむし歯や割れが及んでいる場合に、歯ぐきや骨の一部を整えて、被せ物を作りやすくする手術です。歯の根の長さや周りの骨の状態によっては適応できないこともあります。

抜歯が避けられない場合の選択肢

抜歯が必要と判断された場合は、インプラント・ブリッジ・部分入れ歯のいずれかで失った歯を補うのが一般的です[4]。

治療法 主な利点 主な注意点
インプラント 自分の歯に近い見た目と噛み心地。隣の歯を削らない 手術が必要。骨の状態などで適応できないことがある。定期的なメンテナンスが必要
ブリッジ 固定式で違和感が少ない 健康な隣の歯を削る。歯ぐきとのすき間が汚れやすい
部分入れ歯 周りの歯への負担が少なく、多くの歯を失っていても対応しやすい 違和感が出やすい。バネをかける歯に負担がかかる

上の表は公的な資料をもとにした一般的な比較です[4]。

インプラント治療(自由診療)について

インプラントは、あごの骨に人工歯根を埋め込み、その上に人工の歯を取り付ける治療です[5]。

  • 標準的な治療内容:検査・診断 → 手術 → 骨と結合するまでの治癒期間 → 人工の歯の装着 → 定期メンテナンス
  • 期間:治癒に数か月以上かかることがあります[5]
  • 主なリスク:周囲の組織の損傷、ネジのゆるみ、インプラントの脱落、感染、しびれなど。喫煙や管理されていない糖尿病はリスクを高めます[5]
  • 費用:日本歯科グループの公式サイトでは、インプラント1本あたりバイオテム15万円、ネオデント25万円、ストローマン35万円から(上部構造が銀・プラスチックの場合。レントゲン・CTスキャン・手術代を含む)としています(税込・公式サイト記載の料金、症例により別途費用あり)

抜歯後の骨を守る処置

抜歯後、あごの骨は時間とともにやせていきます。将来インプラントを検討している場合は、抜歯した穴に骨を補う材料を入れて骨の形を保つ処置(ソケットプリザベーション)を行うことがあります。必要かどうかは、抜歯前に担当医とご相談ください。

まとめ

「歯を抜くしかない」と言われたら、まず理由と根拠を確認し、歯を残す方法がないかを尋ねましょう。状態によっては、再根管治療や歯周病の治療などで歯を残せる場合があります。

一方で、無理に残すことでかえって周りの歯や骨に悪影響が出ることもあります。検査結果をもとに、残す場合と抜く場合の見通しを比べて決めることが大切です。

静岡歯科では、歯を残す治療の可能性と、抜歯が必要な場合のインプラント・ブリッジ・入れ歯の特徴やリスクを、検査結果をもとにご説明しています。抜歯について迷っている方は、お気軽にご相談ください。インプラントの費用や流れは日本歯科グループのインプラントのページでもご案内しています。

よくある質問

抜歯と言われた歯を、別の歯科医院で診てもらってもよいですか?

はい、セカンドオピニオンとして別の歯科医師の意見を聞くことは可能です。現在の担当医からレントゲンなどの資料を受け取っておくと、相談がスムーズです。

グラグラしている歯は必ず抜かなければいけませんか?

ぐらつきの原因や骨の残り具合によって異なります。歯周病の炎症を抑えることで残せる場合もありますが、骨がほとんど残っていない場合は抜歯を勧められることがあります[2]。

歯周組織再生療法は誰でも受けられますか?

適応は限られており、主に骨がくさび状に溶けた中等度の歯周病が対象です[2]。年齢や全身の状態、喫煙習慣なども結果に影響するため、検査をしたうえで判断します。

無理に歯を残すデメリットはありますか?

重い歯を無理に残すと、隣の歯やあごの骨に影響が出たり、抜歯後の骨の形が悪くなったりする場合があります[2]。残す場合と抜く場合の見通しを比べて判断することが大切です。

参考情報

  1. NHS「Root canal treatment」
  2. 日本歯周病学会「歯周病Q&A 治療について」
  3. MSDマニュアル家庭版「歯の破折、動揺、脱臼」
  4. 山形県口腔保健支援センター「青年期・壮年期シリーズ vol.5」(入れ歯・ブリッジ・インプラント)
  5. 米国食品医薬品局(FDA)「Dental Implants: What You Should Know」