Menu

インプラントの二回法とは?一回法との違い・治療期間・選び方を解説

Image photo

結論:インプラントの二回法とは、インプラント体を骨に埋めて歯ぐきで覆い、骨と結合した後に2回目の手術で頭を出す方法です。一回法は、埋入時から頭の部分を歯ぐきの上に出しておき、手術を1回で済ませる方法です。研究では両者のインプラントの失敗率に大きな差は示されておらず、骨の状態や骨造成の有無などに応じて使い分けます[1]。

この記事では、二回法の流れ、一回法との違い、それぞれのメリット・デメリットと選び方の目安を解説します。

インプラントの二回法とは

二回法は、インプラント体の埋入と、歯ぐきの上に出す処置を2回の手術に分けて行う方法です。日本歯科医学会の指針では、骨と結合させるために荷重を避ける目的で、通常は二回法の術式が用いられるとしています[2]。

二回法の流れ

  1. 1回目の手術(一次手術):歯ぐきを切開し、インプラント体(人工歯根)を顎の骨に埋め込みます。カバーをして歯ぐきを縫い閉じるため、インプラントは外から見えなくなります。
  2. 治癒期間:インプラント体と骨が結合するのを待ちます。指針では通常3〜4ヶ月とされています[2]。海外の大学病院の案内では4〜6ヶ月程度としており[3]、骨の状態などで変わります。この間は仮歯や入れ歯で過ごすことがあります。
  3. 2回目の手術(二次手術):歯ぐきを小さく切開してインプラントの頭を出し、歯ぐきの上に出る部品を付けます。1回目より小さな処置です[3]。
  4. 型取り・最終的な歯の装着:二次手術後、歯ぐきの治りを1〜2週間ほど待ってから型取りをし、上部構造(人工の歯)を作ります[2]。

二回法が選ばれやすいケース

二回法は、治癒期間中にインプラントを歯ぐきの下で守り、力がかからないようにしたい場合に選ばれます。主な例は次のとおりです。

  • 埋入直後の固定(初期固定)が十分でない場合[1]
  • 骨や歯ぐきを再生させる膜を使う骨造成などを同時に行う場合[1]
  • 取り外し式の仮の入れ歯が、インプラントに余計な力をかけるおそれがある場合[1]
  • 骨の量や質が十分でない場合
  • 見た目が重要な前歯で、歯ぐきの形を慎重に整えたい場合

一回法と二回法の違い

一回法と二回法の主な違いは、手術の回数と、治癒期間中にインプラントが歯ぐきの上に出ているかどうかです。

項目 一回法 二回法
手術回数 1回 2回(2回目は小さな処置)
治癒期間中のインプラント 頭の部分が歯ぐきの上に出ている 歯ぐきの下に完全に覆われる
治療期間の目安 2〜4ヶ月 4〜8ヶ月
体への負担 手術が1回で済む 手術は2回になる
向いているケース 骨の状態が良く、初期固定が十分な場合など 初期固定が不十分、骨造成を行う場合など

期間はあくまで目安で、骨の状態や治りぐあいによって変わります。

成功率に差はあるのか

ランダム化比較試験をまとめたコクラン・システマティックレビューでは、一回法と二回法で、インプラントや上部構造の失敗に統計的に有意な差は認められませんでした[1]。ただし対象の研究は小規模で、確定的な結論は出せないとされています[1]。歯がすべてない方では、二回法がやや有利な傾向も示されています[1]。

つまり「どちらが優れているか」ではなく、お口の状態に合った方法を選ぶことが大切です。

一回法・二回法のメリットとデメリット

一回法は負担や期間の面で、二回法はインプラントを守りながら治せる点で、それぞれ利点があります。

一回法

  • メリット:手術が1回で済み、治療期間が短くなりやすい。部分的に歯がない方では、手術を1回減らせるため一回法が好ましい場合があるとされています[1]。
  • デメリット:治癒期間中もインプラントの頭が口の中に出ているため、清掃や力のかかり方に注意が必要です。骨の状態によっては選べません。

二回法

  • メリット:治癒期間中にインプラントを歯ぐきの下で守れる。骨造成を同時に行う場合など、幅広い状況に対応しやすい。
  • デメリット:手術が2回になり、治療期間も長くなりやすい。

一回法と二回法を選ぶ基準

どちらの方法にするかは、骨の状態、全身の状態、生活上のご希望を合わせて歯科医師が判断します。

骨の状態

最も重要な判断材料は、顎の骨の量と質です。骨の厚みや高さが十分で、埋入直後にしっかり固定できる場合は、一回法も選択肢になります。骨造成が必要な場合は、新しい骨を安定させるため二回法が選ばれることが多くなります。

全身の状態と生活習慣

糖尿病などの持病や服用中の薬は、治りや手術のリスクに関わります[2]。喫煙は傷の治りや骨との結合に影響し、インプラント周囲炎を悪化させる可能性があるとされています[2]。治療前に、持病・服薬・喫煙の有無を正確に伝えましょう。

ご希望

通院や手術の回数を減らしたい、治療期間を短くしたいなどのご希望も考慮します。ただし、お口の状態によっては希望どおりにできない場合もあります。

インプラント治療の費用とリスク

インプラント治療は原則として保険適用外の自由診療で、費用は治療内容によって異なります。日本歯科グループのインプラント費用(1本あたり、上部構造が銀・プラスチックの場合)は、バイオテム15万円〜(1年保証)、ネオデント25万円〜(5年保証)、ストローマン35万円〜(10年保証)です。いずれもレントゲン・CTスキャン・手術代を含みます(税込・公式サイト記載の料金、症例により別途費用あり)。骨造成などが必要な場合は別途費用がかかります。詳しくは日本歯科グループのインプラント治療ページをご覧ください。初回相談は0円です。

主なリスクとして、手術時の神経損傷や出血、術後のインプラント周囲炎、上部構造の破損、インプラントの動揺や脱落などが挙げられています[2]。術後の痛みや腫れは最初の数日が強く、落ち着くまで2週間ほどかかることがあります[3]。治療前には、治療法・費用・リスクについて説明を求めることが勧められています[4]。

まとめ

二回法はインプラントを歯ぐきの下で守りながら骨との結合を待つ方法で、一回法は手術を1回で済ませる方法です。研究では両者の失敗率に大きな差は示されておらず、骨の状態や骨造成の有無などに応じて選びます。ご自身に合う方法は、検査結果をもとに歯科医師と相談して決めましょう。

日本歯科グループでは、検査結果をもとに治療方法と期間をご説明し、患者さまのご希望を伺いながら治療計画を立てています。まずはお気軽にご相談ください。

よくある質問

二回法の2回目の手術は痛いですか?

2回目の手術は、歯ぐきを小さく切開してインプラントの頭を出す処置で、1回目より小さな処置です。局所麻酔で行うのが一般的です。術後の痛みには個人差があり、痛み止めの使い方は歯科医師の指示に従ってください。

一回法と二回法はどちらが安全ですか?

研究では、両者のインプラントの失敗率に統計的に有意な差は示されていません。どちらが適しているかは、骨の状態や骨造成の有無などによって変わります。検査結果をもとに歯科医師が判断します。

二回法の治療期間はどのくらいですか?

埋入後の治癒期間は通常3〜4ヶ月とされ、骨の状態によってはそれ以上かかります。その後、二次手術、歯ぐきの治癒、型取りを経て最終的な歯が入ります。全体では4〜8ヶ月程度が目安です。

二回法の治療中は歯がない状態になりますか?

治癒期間中は、仮歯や一時的な入れ歯で見た目を補えることが多いです。ただし入れ歯がインプラントに力をかけないよう、調整が必要な場合があります。見た目を補う方法は事前に歯科医師へ相談してください。

参考情報

  1. Esposito M, et al.「One-stage versus two-stage implant placement. A Cochrane systematic review of randomised controlled clinical trials」Eur J Oral Implantol. 2009(抄録)
  2. 日本歯科医学会「歯科インプラント治療指針」(厚生労働省 掲載)
  3. Cork University Dental School & Hospital「Patient Information Leaflet: Implant Surgery」
  4. 国民生活センター「あなたの歯科インプラントは大丈夫ですか-なくならない歯科インプラントにかかわる相談-」