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歯を失うとどうなる?放置が招く将来のリスクと後悔【日本歯科名古屋院長が解説!】

Tooth extraction with a dental instrument with forceps.

歯を失うことは、単に見た目や食事の問題だけではありません。実は、抜けた歯をそのまま放置することで、将来的に様々な健康リスクが生じる可能性があります。噛み合わせの崩れによる顎関節症、残った歯への負担増大、顔の形の変化、さらには認知症リスクの上昇や消化器系の問題まで、その影響は全身に及びます。特に年齢を重ねるにつれ、これらの問題は深刻化していくため、早期の適切な対応が重要です。

この記事では、歯の喪失がもたらす将来的なリスクや、インプラントなどの治療法について詳しく解説していきます。歯を失った方、将来の歯の健康に不安を感じている方にとって、後悔しない選択をするための情報をお届けします。

歯を失うことで生じる身体的リスク

歯を失うことは、見た目の問題だけでなく、将来的に私たちの体全体に様々な影響を及ぼします。ここでは、歯の喪失が引き起こす身体的リスクについて詳しく見ていきましょう。

噛み合わせの崩れと顎関節症

歯を1本でも失うと、それまで保たれていた口腔内のバランスが崩れ始めます。歯が抜けた部分を補うように、周囲の歯が少しずつ移動し、本来あるべき噛み合わせが徐々に変化していきます。この変化は、顎の関節に過度な負担をかけることになります。

顎関節症の症状は、顎を動かす際の痛みや違和感、開口制限、さらには顎がカクカクと音を立てる「顎関節雑音」などが挙げられます。これらの症状は、日常生活における食事の楽しみを奪うだけでなく、会話時の不快感や頭痛の原因にもなりえます。

さらに、噛み合わせの不調和は姿勢にも影響を及ぼすことがあります。顎のバランスが崩れることで、首や肩のこり、背中の痛みなど、一見すると歯とは関係ないように思える症状を引き起こすケースも少なくありません。

残存歯への過剰な負担

私たちが食事をする際、本来なら全ての歯で均等に噛む力を分散させています。しかし、歯を失うと、残された歯に過剰な力がかかるようになります。この状態が続くと、残っている歯の寿命を縮める大きな要因となります。

具体的には、過剰な負担により歯の周りの骨が徐々に吸収され、歯がグラつき始めます。また、歯の根元に小さなヒビが入ったり、最悪の場合は歯が割れてしまうこともあります。

さらに、噛む力が集中することで、残存歯の歯周病リスクも高まります。歯と歯肉の間に過度な力がかかることで、歯周組織にダメージが蓄積し、歯周病が進行しやすい環境が作られてしまうのです。

顔の形の変化と老け顔

笑った時に歯の欠損が見えて気になる、という患者さまは多いですが、歯を失うことで他にも見た目の問題が生じる可能性があります。歯を支えていた顎の骨は、歯を失うと徐々に痩せていき、その結果として顔の形自体が変化していきます。特に複数の歯を失った場合、この変化は顕著になります。

口元がへこんだり、頬がこけたり、口角が下がったりすることで、実際の年齢よりも老けて見える「老人性顔貌」と呼ばれる状態になることがあります。また、下顎が上顎に近づくことで、顔の下半分が短くなる「オーバークローズド」と呼ばれる状態になることもあります。

このような顔の形の変化は、自己イメージの低下や社会生活における自信の喪失につながることもあり、精神的な健康にも影響を及ぼします。若々しい印象を保つためにも、歯の喪失後には適切な処置が重要なのです。

食事の質の低下と栄養不足

歯を失うことで直接的に影響を受けるのが、食事の能力です。特に硬いものや繊維質の多い食品は、歯が少なくなると噛みづらくなります。噛む能力の低下により、食品選択が制限され、柔らかく加工された食品に偏りがちになります。この結果、栄養バランスが崩れ、特に食物繊維やタンパク質の摂取不足に陥るリスクが高まります。

実際、歯の数が少ない高齢者は、野菜や果物、肉類の摂取量が少なく、反対に炭水化物や加工食品の摂取が多い傾向にあることが、研究により分かっています。これにより、ビタミンやミネラルの不足、さらには消化不良や便秘などの消化器系の問題も生じやすくなります。

また、よく噛むことは唾液の分泌を促進し、消化を助ける重要な役割を担っています。噛む能力が低下すると、唾液分泌も減少し、消化の第一段階からつまずくことになります。これが長期間続くと、全身の健康状態に悪影響を及ぼす可能性があるのです。

歯の喪失が引き起こす全身疾患

歯の喪失は口の中だけの問題ではなく、全身の健康状態と密接に関連しています。近年の研究では、歯の健康状態と様々な全身疾患との関連性が明らかになってきました。ここでは、歯の喪失がどのように全身の健康に影響を与えるかについて解説します。

認知症リスクの上昇

歯の喪失と認知機能の低下には、意外にも関連性があることが近年の研究で明らかになっています。複数の研究によると、歯を多く失っている高齢者は、歯を保持している高齢者と比較して認知症を発症するリスクが1.5倍から1.8倍高いことが報告されています。

咀嚼活動は脳の血流を増加させ、脳の活性化につながります。噛む行為自体が、脳への刺激となり、認知機能の維持に重要な役割を果たしているのです。

また、歯周病の原因となる細菌やその毒素が血流に乗って脳に到達し、慢性的な炎症を引き起こすことで、認知機能の低下を促進するという仮説もあります。さらに、歯の喪失による食事内容の変化や栄養摂取の偏りも、脳の健康に影響を与える要因となります。

消化器系への影響

消化は口の中から始まります。食べ物を細かく砕き、唾液と混ぜ合わせることで、胃や腸での消化吸収を助ける準備が整います。歯の喪失によって咀嚼機能が低下すると、食べ物を細かく砕く過程が十分に行われず、消化器系全体に負担をかけることになります。

このような状態継続すると、胃酸の過剰分泌や胃もたれ、胸やけなどの症状を引き起こす可能性があります。また、食べ物が十分に消化されないまま腸に運ばれることで、腸内細菌のバランスが乱れ、腹部膨満感や便秘、下痢などの不快な症状が現れることもあります。

さらに、前述したように栄養素の吸収効率も下がるため、長期的には栄養不足や免疫力の低下につながる恐れもあります。特に高齢者においては、このような消化器系の問題が健康寿命に影響する可能性があるため、注意が必要です。

心臓疾患と糖尿病への影響

歯周病と歯の喪失は、心臓疾患や糖尿病などの全身疾患とも深く関連していることが分かっています。歯周病菌やその毒素が血流に入り込むことで、血管の炎症を引き起こし、動脈硬化のリスクを高める可能性があります。実際、複数の研究で歯周病と心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患との関連性が指摘されています。

また、糖尿病と歯周病は互いに影響し合う関係にあります。糖尿病があると歯周病が悪化しやすく、逆に歯周病があると血糖コントロールが難しくなるという悪循環が生じます。歯を失うということは、多くの場合歯周病が進行した結果であり、これらの全身疾患のリスク要因となる可能性があるのです。

さらに、前述した食事内容の変化や栄養バランスの乱れも、心臓疾患や糖尿病のリスク要因となります。特に繊維質の少ない食事や加工食品への偏りは、血糖値の急激な上昇や悪玉コレステロールの増加を招く恐れがあります。

全身の免疫機能低下

口腔内の健康状態は、全身の免疫システムとも密接に関連しています。歯の喪失、特に歯周病が原因で歯を失った場合、口腔内には慢性的な炎症が存在していることが多く、これが全身の免疫応答に影響を与える可能性があります。慢性炎症状態が続くと、免疫系が常に活性化された状態となり、本来必要な場所で適切に機能しにくくなるのです。

また、栄養摂取の問題も免疫機能に直接影響します。ビタミンCやビタミンE、亜鉛などの栄養素は免疫細胞の働きをサポートする重要な成分ですが、歯の喪失によって食事が上手く摂れず、栄養が不足すると、免疫力の低下につながります。

免疫機能の低下は、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなるだけでなく、回復にも時間がかかるようになります。特に高齢者においては、この免疫力の低下が肺炎などの感染症のリスクを高める要因となるため、歯の健康維持は全身の健康維持という観点からも非常に重要なのです。

歯の喪失による生活の質(QOL)への影響

歯の喪失は、身体的な健康だけでなく、私たちの生活の質(QOL)にも大きな影響を与えます。食事や会話など日常生活の基本的な行為から、社会的な交流や心理的な健康まで、様々な側面に変化をもたらします。ここでは、歯の喪失がQOLに与える影響について詳しく見ていきましょう。

食事の楽しみの喪失

私たちの人生において、食事は栄養摂取の手段だけではなく、楽しみの一つでもあります。家族や友人との食事は社交の場であり、様々な食文化を楽しむことは人生の喜びでもあります。しかし、歯を失うことで食べられるものが制限されたり、噛む際に痛みや不快感を感じたりすると、この「食事の楽しみ」が大きく損なわれてしまいます。

硬い食べ物や繊維質の多い食品を避けるようになり、食事のバリエーションが減少します。また、公の場での食事に不安を感じ、外食や会食を避ける傾向も見られます。これは社会的な交流の機会の減少にもつながります。

さらに、噛む回数の減少は満腹感を得るまでの時間にも影響し、食事の満足度を下げることにもなります。食事は日々の生活の中で何度も繰り返される行為であるだけに、この楽しみの喪失が生活の質全体に与える影響は非常に大きいと言えるでしょう。

コミュニケーションへの影響

特に前歯部分の欠損がある場合、発音に影響を与えることがあります。「サ行」や「タ行」などの発音が不明瞭になり、コミュニケーションに支障をきたす可能性があります。また、話している最中に義歯がずれる不安や、口元を見られることへの恥ずかしさから、積極的な会話を避けるようになることもあります。

職場でのプレゼンテーションや重要な商談、新しい人との出会いなど、様々なシーンでコミュニケーションの質が低下することは、社会生活全般に大きな影響を与えます。特にビジネスの場では、明瞭な発音と自信を持った話し方が重要視されるため、歯を失うことによる影響は見過ごせません。

また、歯を失ったことにより笑顔に自信が持てなくなると、それが対人関係にも影響を及ぼす可能性があります。コミュニケーションの質の低下は、長期的には社会的孤立や心理的ストレスの原因にもなりうるのです。

自己イメージと社会的自信の低下

歯の喪失は、自己イメージに大きな影響を与えることがあります。特に見た目を気にする現代社会において、前歯の喪失や目立つ歯の欠損は、自信の喪失や社会的な場面での不安感につながりやすいものです。鏡を見るたびに感じる自己イメージの変化は、日常生活にも影響を与えます。

例えば、写真撮影を避ける、人前で笑わないようにする、社交の場を避けるなど、様々な行動を制限してしまうことがあります。これらの行動は、徐々に社会的な交流の機会を減少させ、結果として孤立感や孤独感が高まる可能性があります。

また、特に就職活動や恋愛などの対人関係において、歯の状態が与える印象は意外と大きいものです。笑顔に自信が持てないことは、新たな人間関係の構築にも障壁となりうるのです。

精神的健康への影響

様々な問題が複合的に作用するため、歯を失うことは精神的健康にも影響を及ぼす可能性があります。食事の楽しみの減少、コミュニケーションへの不安、自己イメージの低下など、日常生活のあらゆる場面での制限や不安が積み重なると、うつ症状や不安障害などの精神的問題のリスクが高まることが研究でも示されています。

特に、高齢の方は人との交流が減ることで刺激が少なくなり、認知機能の低下が加速する可能性もあります。また、食事の楽しみが減ることは日々の生活の質を大きく下げ、生きがいを失うことにもつながりかねません。

このように、歯を失うことが精神的健康に与える影響は単純な「見た目の問題」にとどまらず、生活全体の質や幸福感に関わる重要な問題であることを認識する必要があります。適切な歯科治療を受けることは、身体的健康だけでなく、精神的健康の維持・向上にも役立つのです。

歯の喪失後の対処法:インプラント治療のメリット

歯を失った後の対処法にはいくつかの選択肢がありますが、中でもインプラント治療は多くのメリットを持つ治療法として注目されています。ここでは、インプラント治療の基本的な仕組みから、他の治療法と比較した際のメリット、そして治療の流れについて詳しく解説します。

インプラント治療とは

インプラント治療は、失った歯の根の部分を人工的に再現する治療法です。チタンなどの生体親和性の高い金属でできたインプラント体を顎の骨に埋め込み、その上に人工の歯を装着します。これにより、天然歯に最も近い形で歯の機能と見た目を回復することができます。

インプラントの最大の特徴は、歯の根の部分から再現することで、顎の骨に直接固定される点にあります。これにより、入れ歯やブリッジでは得られない安定性と噛む力を実現します。また、インプラントは顎の骨に刺激を与え続けることで、歯を失った後に起こりがちな骨の吸収を防ぐ効果もあります。

インプラント治療は通常、インプラント体を埋入する手術と、それが骨と結合した後に上部構造を装着する2段階で行われますが、症例によっては即時荷重(手術当日または数日以内に仮歯を装着する方法)も可能です。治療期間は個人差がありますが、通常3〜6ヶ月程度かかることが一般的です。

インプラントと他の治療法の比較

歯の喪失に対する主な治療法には、インプラントの他に入れ歯(義歯)とブリッジがあります。それぞれの治療法には特徴があり、患者さまの状態や希望に応じて選択されます。インプラントは初期費用は高いものの、長期的な機能性や審美性、メンテナンスの容易さを考慮すると、コストパフォーマンスの高い選択肢となります。

治療法 メリット デメリット
インプラント 天然歯に近い機能と見た目、骨吸収の防止、周囲の歯への負担なし、長期的な安定性 初期費用が高い、手術が必要、治療期間が長い、骨量が不足している場合は追加処置が必要
ブリッジ 比較的短期間で治療完了、手術不要、インプラントより費用が安い 健康な隣在歯を削る必要あり、食べかすが溜まりやすい、10年程度で交換が必要なことも
入れ歯 非侵襲的、比較的安価、短期間で完成 安定性に欠ける、噛む力が弱い、装着感・異物感がある、定期的な調整が必要

インプラントは、天然歯に最も近い機能と審美性を得られ、周囲の健康な歯を傷つけることなく、骨の吸収も防げるというメリットがあります。特に若い方や活動的な生活を送りたい方には、長期的な視点でインプラントをおすすめすることが多いでしょう。

インプラント治療の流れ

インプラント治療は複数のステップで行われる治療です。一般的なインプラント治療は、初診・診断から始まり、治療計画の立案、インプラント埋入手術、治癒期間を経て、最終的な人工歯の装着という流れになります。各ステップにおいて、歯科医師による綿密な検査と処置が行われます。

まず初診では、レントゲンやCTスキャンによる詳細な検査を行い、骨の状態や神経・血管の位置を確認します。その後、患者さまの全身状態や口腔内の状況、希望などを総合的に考慮した治療計画を立てます。

インプラント埋入手術は局所麻酔下で行われ、多くの場合1時間程度で終了します。手術後は骨とインプラントが結合するまで、通常3〜6ヶ月の治癒期間が必要です。この間、必要に応じて仮歯を装着することも可能です。

治癒期間が終わると、患者さまの口腔内に合わせた最終的な人工歯を作製します。これを装着して調整を行えば、インプラント治療は完了です。その後は定期的なメンテナンスを受けることで、長期間にわたって機能と審美性を維持することができます。

インプラント治療の注意点

インプラントの長期予後に影響を与える要因として、患者さま自身の全身状態(糖尿病などの全身疾患の有無やコントロール状態)、喫煙習慣、口腔衛生状態、定期的なメンテナンスの有無などが挙げられます。特に喫煙は、インプラント周囲炎というインプラント特有の炎症性疾患のリスクを高めることが知られているため、治療を機会に禁煙を検討するのも良いでしょう。

また、インプラント治療後の適切なケアも長期予後に大きく影響します。天然歯と同様に、毎日の丁寧な歯磨きや定期的な歯科検診が重要です。インプラント専用の歯ブラシやフロスなどを使用することで、インプラント周囲の清掃効果を高めることができます。

インプラント治療は、技術の進歩により安全性と予測性が向上し、現在では標準的な歯科治療の一つとして確立されています。ただし、成功率を高めるためには、経験豊富な歯科医師による適切な診断と治療、そして患者さま自身による継続的なケアが不可欠です。

まとめ

歯を失うことは、見た目の問題だけでなく、全身の健康や生活の質に大きく影響します。放置することで、噛み合わせの崩れや顎関節症、残存歯への過度な負担、顔の形の変化などの身体的問題が生じるリスクが高まります。

さらに、認知症リスクの上昇や消化器系への影響、心臓疾患や糖尿病との関連性など、全身疾患のリスク増加も懸念されます。また、食事の楽しみの喪失、コミュニケーション能力の低下、自己イメージの悪化など、生活の質にも大きな影響を与えます。

これらのリスクを軽減するためには、歯を失った後の適切な対処が重要です。特にインプラント治療は、天然歯に最も近い機能と審美性を回復できる選択肢として注目されています。初期費用は高いものの、長期的な視点ではコストパフォーマンスが高く、高い成功率と良好な長期予後が期待できます。

歯を失ったら、早期に歯科医師に相談し、自分に最適な治療法を選択することが、健康な未来への第一歩となるでしょう。

日本歯科名古屋では、豊富な治療実績と先端の技術力を活かし、患者さまの希望に沿ったオーダーメイドのインプラント治療を提供しています。専門スタッフのチーム医療と充実したサポート体制で、術前の疑問や不安をしっかりと解消しながら、安全・安心の治療を目指します。まずはお気軽にご相談ください。

この記事の監修

稲津副院長

日本歯科名古屋 院長 稲津 由美子

大手歯科グループの院長として長年活躍。
その後静岡歯科の副院長として8年間研鑽を積み、日本歯科名古屋の院長に就任。
女性歯科医師として全国でトップクラスのインプラント実績を持つ。
マウスピース矯正と審美治療を得意とする。