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マウスピース矯正で八重歯は治せる?治療の可否・期間・注意点を解説

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結論:軽度〜中等度の八重歯は、マウスピース矯正(マウスピース型矯正装置)で改善を目指せる場合があります。一方で、歯を大きく動かす必要がある症例や骨格に原因がある症例では、ワイヤー矯正や外科的な治療との併用が必要になることがあります。治療できるかどうかは、精密検査をもとに歯科医師が判断します。

この記事では、八重歯の原因、マウスピース矯正が向いているケースと向かないケース、スペースの作り方、治療の流れ、費用と期間の考え方、主なリスクを順に解説します。

八重歯とは?叢生(そうせい)の一種です

八重歯は、歯が並びきらずに重なる「叢生(そうせい)」の一種です[1]。

  • 原因:歯の大きさと、歯が並ぶあごの大きさのアンバランスです[1]。
  • できやすい理由:犬歯があとから生えてくるため、スペースが足りないと列からはみ出しやすくなります[1]。
  • 治療:アンバランスが大きい場合は、永久歯を抜いて矯正治療で並べることがあります[1]。

マウスピース矯正で八重歯を治せるケース・難しいケース

マウスピース矯正が向いているのは、歯の移動量が比較的小さい八重歯です。日本矯正歯科学会の指針でも、軽度の叢生など大きな歯の移動を伴わない非抜歯症例が推奨される症例として挙げられています[2]。

状態 マウスピース矯正での対応の目安
犬歯が少しだけ列から出ている(軽度〜中等度) スペースを確保して段階的に動かすことで、改善を目指せる場合が多い
犬歯が大きく外れている・大きな回転や上下の移動が必要 マウスピース単独では難しい場合があり、ワイヤー矯正の併用を検討
あごの骨格に原因がある(上あごが狭い、下あごが後ろにある等) 骨格性の不正はアライナー治療が推奨されない症例とされる[2]。外科的矯正を含めて検討
装置を決められた時間着けるのが難しい 協力度が低い場合は推奨されない[2]

厚生労働省のe-ヘルスネットでも、マウスピース型装置はある種の不正咬合には有効と考えられる一方、比較研究ではマルチブラケット装置(ワイヤー矯正)に劣るとされていると紹介されています[3]。そのため「どの方法が合うか」は、症状に合わせて選ぶことが大切です。

治療前の検査で確認すること

治療の可否は、精密検査の結果をもとに担当の歯科医師が判断します。学会の指針でも、診断と治療計画は治療を担当する歯科医師が行うこと、歯根の位置や歯周組織の状態を評価することが求められています[2]。

  • 口腔内スキャナーによる歯列の3Dデータ
  • レントゲン撮影(あごの骨格や歯根の位置の確認)
  • 口腔内・顔の写真、歯周組織(歯ぐき)の検査

歯並びの診断では、模型や写真、あごの位置関係をみるX線写真(セファログラム)などを用いて検査します[4]。

八重歯を並べるためのスペースの作り方

八重歯を治すには、犬歯が並ぶためのすき間(スペース)を作る必要があります。主な方法は次の4つで、症状に応じて組み合わせます。

IPR(歯の側面をわずかに削る)

IPRは、歯と歯が接する面のエナメル質を0.1〜0.5mm程度削って、すき間を作る処置です。複数の歯に少しずつ行うことで、スペースを確保します。削る量は歯の状態を見て歯科医師が決め、抜歯を避けたい軽度〜中等度の症例で検討されます。

歯列の側方拡大

歯列を横方向に少しずつ広げて、犬歯が並ぶ幅を作る方法です。上あごの歯列が狭い症例で用いられます。ただし、広げられる量には限界があるため、適応は事前の診断で慎重に判断します。

奥歯の後方移動(遠心移動)

奥歯を後ろへ少しずつ動かして、前歯側にスペースを作る方法です。抜歯を避けたい場合に検討されます。動かせる量や速さには個人差があるため、治療期間に余裕を持った計画が必要です。

抜歯

スペースの不足が大きい場合は、小臼歯などを抜歯することがあります[1]。ただし、抜歯症例では予期しない歯の移動が起こることがあるとされ、移動量の大きい症例はアライナー治療が推奨されない場合があります[2]。抜歯の有無で期間や費用も変わるため、計画段階でよく相談しましょう。

八重歯のマウスピース矯正治療の流れ

治療は「検査・診断→マウスピース作製→装着と通院→保定」の順に進みます。

  1. カウンセリング・精密検査:3Dスキャン、レントゲン、写真、歯周組織検査を行い、治療の可否を判断します。
  2. 治療計画の説明:方法・期間・費用・リスクを説明し、納得いただいてから治療を始めます。
  3. マウスピースの装着:計画に沿って作製したマウスピースを、通常1〜2週間ごとに交換しながら歯を少しずつ動かします。装着時間は1日20〜22時間が目安です。
  4. 定期的な通院:マウスピースの浮きや歯の動きを確認し、必要に応じて計画を調整します。予定と違う動きがあれば、マウスピースの再作製や期間の延長が必要になることがあります[2]。
  5. 保定:治療後は、歯が元の位置に戻る「後戻り」を防ぐため、保定装置(リテーナー)を使います[4]。保定期間は2〜3年程度が目安ですが、個人差があります。

学会は、手軽さへの過度な期待や、定期的な対面での確認をおろそかにすると、十分な結果が得られない可能性があると注意を呼びかけています[5]。

マウスピース矯正とワイヤー矯正の違い

マウスピース矯正は見た目と生活面の負担が少なく、ワイヤー矯正は複雑な歯の動きに対応しやすいのが特徴です。

項目 マウスピース矯正 ワイヤー矯正
見た目 透明で目立ちにくい 装置が見えやすい(透明・裏側タイプもある[3])
取り外し できる(食事・歯みがきがしやすい) できない
得意な症例 軽度〜中等度で移動量が小さい症例[2] 移動量が大きい症例や複雑な動き
結果を左右する点 装着時間の自己管理[2] 通院時の調整

八重歯だけを整える部分矯正を選べる場合もありますが、かみ合わせの改善は限られることがあります。重度の症例では、最初にワイヤー矯正で大きく動かし、仕上げにマウスピース矯正を使うなど、併用する方法もあります。どの範囲・方法が合うかは診断で決めます。

費用と治療期間の目安

マウスピース矯正は自由診療(保険適用外)で、費用と期間は症状や治療範囲によって大きく変わります[2]。

費用

費用は医院によって異なり、診断料、装置代、調整料、保定装置代などのどこまでが含まれるかも医院ごとに違います。抜歯が必要な場合は別途費用がかかることがあります。

日本歯科グループの公式サイトでは、マウスピース矯正のコース料金を107,800円(4回コース)〜880,000円(30回コース)(税込・公式サイト記載の料金、症例により別途費用あり)と案内しています。治療完了までの通院費を含むパッケージ料金で、紛失・破損による再作成や追加の装置が必要な場合は別途費用がかかる場合があります。使用するマウスピースの種類や詳しい内容は、マウスピース矯正のページをご覧いただくか、各院にお問い合わせください。

マウスピース型矯正装置には、国内の薬機法上の承認を受けていない海外製の装置もあります。使用する装置の承認状況や入手経路、国内での承認品の有無については、治療前に各院でご確認ください。

期間

軽度の八重歯で6か月〜1年程度、中等度〜重度で1年半〜3年程度が一般的な目安です。装着時間の守り方や歯の動きの個人差、計画の複雑さによって変わります。

主なリスク・副作用と治療中の注意点

マウスピース矯正治療には、事前に知っておきたいリスクがあります。

  • 装着時間が足りないと、歯が計画どおりに動かず、期間が延びることがあります[2]。
  • 歯が傾くように動きやすい、奥歯が沈み込むことがある、など装置の特性による限界があります[2]。
  • 計画どおりに動かない場合、マウスピースの再作製やワイヤー矯正の併用が必要になることがあります[2]。
  • 歯が動く時期に、締めつけ感や痛みが出ることがあります。
  • IPRでは歯の表面をわずかに削るため、一時的にしみることがあります。
  • 治療後に保定装置を使わないと、後戻りすることがあります[4]。

治療中は、食事と歯みがき以外の時間は装着を続けましょう。マウスピースの清掃、歯みがき、歯間ブラシやフロスでのケア、定期的な歯石除去で、むし歯や歯周病の予防も大切です。

まとめ

マウスピース矯正での八重歯治療は、軽度〜中等度の症例で検討しやすい方法です。一方、移動量が大きい症例や骨格に原因がある症例では、ほかの治療との併用が必要になることがあります。

大切なのは、精密検査にもとづく治療計画、装着時間の管理、定期的な通院です。日本歯科札幌(札幌市中央区北3西1-1-1 ブリックキューブ2階、地下鉄「さっぽろ駅」より徒歩1分)では、3Dシミュレーションソフトや精密スキャナーを用いて治療計画を立て、検査結果をもとに、患者さまのご希望に沿った治療方法をご提案しています。マウスピース矯正の初回相談は0円です。治療前の疑問や不安も、お気軽にご相談ください。

よくある質問

八重歯は必ず抜歯が必要ですか?

抜歯が必要かどうかは、スペースの不足量によって変わります。軽度〜中等度であれば、IPRや歯列の拡大、奥歯の後方移動で対応できる場合があります。不足が大きい場合は抜歯を検討することがあり、検査結果をもとに歯科医師が判断します。

八重歯だけの部分矯正はできますか?

症状によっては、八重歯周辺だけを整える部分矯正を選べる場合があります。期間や費用を抑えやすい一方、かみ合わせの改善は限られることがあります。全体矯正が必要かどうかは診断で確認します。

マウスピースは1日どのくらい着ける必要がありますか?

1日20〜22時間の装着が目安です。治療の効果は装着時間に左右されるため、食事と歯みがき以外の時間は着けておくことが大切です。

治療後に八重歯が戻ることはありますか?

歯は治療後に元の位置へ戻ろうとする「後戻り」が起こることがあります。そのため、治療後は保定装置(リテーナー)を使います。保定期間は2〜3年程度が目安で、経過を見ながら決めます。

マウスピース矯正は保険が使えますか?

マウスピース矯正は自由診療のため、保険は使えません。費用は治療範囲や抜歯の有無などで変わるため、詳しくは医院へお問い合わせください。

参考情報

  1. 厚生労働省 e-ヘルスネット「叢生」
  2. 日本矯正歯科学会「アライナー型矯正装置による治療指針」
  3. 厚生労働省 e-ヘルスネット「不正咬合の治療法の概要」
  4. 日本歯科医師会 テーマパーク8020「口腔習癖(指しゃぶりなど)」
  5. 日本矯正歯科学会「矯正歯科治療における昨今の問題点」