結論:口内炎とは口の中の粘膜に起こる炎症の総称で、一般に「口内炎」と呼ばれるものの多くは、白っぽい小さな潰瘍ができる「アフタ性口内炎」です[1]。原因ははっきり分かっていないことが多いものの、口の中のけがやストレス、特定の食べ物などがきっかけになるとされ、小さなものは多くが1週間〜10日ほどで自然に治ります[1][2][4]。痛いときは刺激の強い食べ物を避け、やわらかい食事と口の清潔を心がけましょう[3]。2週間以上治らない、何度も繰り返す場合は歯科医院に相談してください[1]。
口内炎とは?「アフタ性口内炎」が最も多い
口内炎は、口の中の粘膜(ほおの内側・舌・歯ぐき・唇の裏など)に起こる炎症や潰瘍をまとめて呼ぶ言葉です[1][3]。
佐賀県歯科医師会のコラムでは、「口内炎」は口の粘膜全体の炎症を意味する言葉で、正確な病名ではないと説明されています[1]。日常よく見られる口内炎の多くは、医学的には「アフタ性口内炎」と診断されます[1]。MSDマニュアルでも、口内炎の最も一般的な原因として再発性アフタ性口内炎が挙げられています[3]。
アフタ性口内炎の見た目と特徴
- 直径数mm程度の、丸みを帯びた小さな潰瘍[1]
- 表面は白っぽい膜で覆われ、まわりが赤くなる[1][2]
- 大きさの割に痛みが強いことが多い[1][2]
- ほおや唇の内側、舌、口の底など、やわらかく動く粘膜にできやすい[2]
- 2〜3個まとまってできることもある[2]
はっきりした原因がないまま繰り返すものは「慢性再発性アフタ」と呼ばれます[1]。子どものころに始まることが多く、年齢とともに回数が減り、症状も軽くなる傾向があるとされています[2]。
口内炎ができる原因
アフタ性口内炎の原因は、はっきりとは分かっていません[2][4]。
免疫のはたらきの乱れや体質など、複数の要因が関わると考えられています[2][4]。そのうえで、次のようなことが「きっかけ(誘因)」になるとされています[2][3]。
| きっかけ | 具体例 |
|---|---|
| 口の中のけが | ほおや唇をかんでしまう、合わない入れ歯や欠けた歯が当たる、歯ブラシで傷つける[1][3] |
| ストレス | 試験期間など、精神的な負担が大きい時期[2] |
| 食べ物 | 人によっては特定の食品がきっかけになることがある[2][4] |
| 歯みがき剤などの成分 | 歯みがき剤やうがい薬の成分が関わる場合がある[2][3][4] |
| 栄養の不足 | ビタミンB群・ビタミンC・葉酸・鉄・亜鉛などの不足[3] |
アフタ性以外の口内炎もある
口内炎のなかには、アフタ性とは原因が異なるものもあります。佐賀県歯科医師会は、次のような原因を挙げています[1]。
- ウイルス感染:ヘルペスウイルス、エンテロウイルスなど[1]
- 全身の病気:ベーチェット病、天疱瘡など[1]
- 薬の副作用:抗がん剤や一部の血圧の薬、リウマチの薬など[1][3]
見た目が似ていても原因によって対処が変わるため、どのタイプかは歯科医師や医師の診察で判断します[2]。
口内炎が治るまでの期間
小さなアフタ性口内炎は、多くが1週間〜10日ほどで自然に治り、あとは残りません[1][2][4]。
口内炎の大きさやタイプによって、治るまでの期間は次のように異なります[2][4]。
| タイプ | 大きさ・特徴 | 治るまでの目安 |
|---|---|---|
| 小さいタイプ(最も多い) | 直径1cm未満。再発する口内炎の8割以上[4] | 約1週間〜10日以内。傷あとは残らない[2][4] |
| 大きいタイプ | 直径1cm以上になることが多い[4] | 2週間以上〜数週間。傷あとが残ることがある[2][4] |
| 小さな潰瘍が集まるタイプ | ごく小さい潰瘍がたくさんできる[4] | 通常1週間ほど[4] |
痛みのピークと経過
アフタ性口内炎は、ヒリヒリ・焼けるような感じから始まり、1〜2日後に潰瘍が現れます[2]。痛みは4〜7日ほど続くことがあり、その後少しずつ落ち着いていきます[2]。
口内炎が痛いときの過ごし方
痛いときは「刺激を避ける」「口の中を清潔に保つ」「傷つけない」の3つが基本です。
食事の工夫
- 酸味や塩味の強い食べ物を避け、やわらかい食事にする[3]
- きっかけになりそうな食品に心当たりがあれば控える[3][4]
- 食事がとりにくいときも、水分はこまめにとる(口内炎が強いと脱水や栄養不足につながることがある)[3]
口のケアの工夫
- 毛先のやわらかい歯ブラシを使い、患部に当てないようにみがく[3]
- 口の中を清潔に保ち、二次感染を防ぐ[3]
- アルコールを含む洗口液はしみやすいため避ける[3]
- 歯みがき剤や洗口液を替えると改善することがある[3][4]
繰り返す人は記録をつける
米国口腔内科学会の患者向け資料では、口内炎ができた日や、そのときの食事・歯みがき剤・生活の様子を記録しておくと、きっかけを探す手がかりになり、受診時にも役立つとされています[4]。
また、口の中のけがを避け、ストレスを減らすことも予防につながると考えられています[2]。
歯科医院・医療機関での口内炎の治療
口内炎は自然に治ることが多いものの、痛みが強い場合は治療で痛みを和らげることができます。
症状が強い場合には、レーザー治療やステロイド軟膏の塗布などが行われます[1]。ほかにも、患部を保護する薬や、うがい薬が使われることがあります[2][3]。ただし、ヘルペスウイルスによる口内炎ではステロイドで悪化するおそれがあるため、使う前に原因を確認することが大切とされています[2]。
合わない入れ歯やとがった歯がこすれて口内炎ができている場合は、その原因を調整することも治療の一つです[1][3]。
受診したほうがよい口内炎のサイン
2週間以上治らない口内炎や、何度も繰り返す口内炎は、歯科医院に相談しましょう[1]。
口の中には全身の状態が現れやすく、口の診察がきっかけで全身の病気が見つかることもあります[1]。次のような場合は、早めの受診をおすすめします[1][3][4]。
- 2週間以上たっても治らない[1]
- 何度も繰り返す、1か月に3回以上できる[1][4]
- 口内炎がない期間がほとんどない[4]
- 発熱、皮膚の水ぶくれ、目の炎症を伴う[3]
- 強い全身のだるさ、腹痛、体の他の部分にも潰瘍や赤みがある[3][4]
- 抗がん剤や放射線の治療中・治療後である[3]
これらに当てはまるかどうかにかかわらず、気になる口内炎があれば自己判断せず、診察を受けてください。
よくある質問
口内炎は何日くらいで治りますか?
最も多い小さなアフタ性口内炎は、多くが1週間〜10日ほどで自然に治ります。直径1cmを超える大きなものは、2週間以上かかることがあります。2週間以上治らない場合は歯科医院に相談しましょう。
口内炎がとても痛いときはどうすればいいですか?
酸味や塩味の強い食べ物を避けてやわらかい食事にし、口の中を清潔に保ちましょう。アルコールを含む洗口液はしみやすいため避けます。痛みで食事がとれないほどつらい場合は、歯科医院で痛みを和らげる処置を相談できます。
口内炎はストレスでできますか?
ストレスは、アフタ性口内炎のきっかけの一つとされています。ただし原因ははっきり分かっておらず、口の中のけがや食べ物、体質など複数の要因が関わると考えられています。
口内炎は人にうつりますか?
アフタ性口内炎は、免疫のはたらきの乱れなどが関わると考えられています。一方、ヘルペスウイルスなどのウイルス感染による口内炎もあり、見た目だけでは区別がつきにくいことがあります。小さな水ぶくれがたくさんできるなど、いつもと違う場合は受診しましょう。
口内炎を何度も繰り返すのはなぜですか?
原因がはっきりしないまま繰り返すものは「慢性再発性アフタ」と呼ばれます。まれに全身の病気のサインのこともあるため、繰り返す場合は歯科医院で相談しましょう。できた日や食事を記録しておくと、受診時に役立ちます。
口内炎の原因や治り方は人によって異なります。気になる症状がある方は、歯科医師にご相談ください。日本歯科札幌でのレーザー治療や軟膏処方など口内炎の処置の取り扱いについては、詳しくは各院にお問い合わせください(日本歯科札幌のクリニック紹介)。