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大人の反対咬合(受け口)矯正の費用は?保険適用の条件と治療法別の違い

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結論:大人の反対咬合(受け口)の矯正は、原則として自由診療です。ただし、あごの骨の形や位置に問題がある「顎変形症(がくへんけいしょう)」と診断され、矯正治療と外科手術を組み合わせる場合は、健康保険が適用されます[1][2]。保険適用の場合の総額は40〜70万円前後が目安とされています[1]。

自由診療の矯正費用は、治療法や歯並びの状態、医院の料金体系によって異なります。この記事では、反対咬合の種類と治療法、保険適用の条件、費用の内訳で確認したい点、治療期間とリスクを解説します。

反対咬合(受け口)とは

反対咬合とは、下の前歯が上の前歯より前に出ている噛み合わせで、一般に「受け口」と呼ばれます。

反対咬合の主な種類

種類 状態 主な治療
歯が原因のタイプ あごの骨に大きな問題はなく、歯の傾きで噛み合わせが逆になっている 矯正治療だけで改善できることがある[1]
骨格が原因のタイプ 上下のあごの大きさ・形・位置の不調和があり、ずれが大きい 外科手術を併用する矯正治療(外科的矯正治療)[1]

どちらのタイプかは、レントゲンなどの精密検査をもとに歯科医師が判断します。大人はあごの成長が終わっているため、成長を利用した治療はできません。

反対咬合をそのままにしておくと

噛み合わせの乱れは、噛みにくさや発音のしにくさ、見た目の悩みにつながることがあります。歯並びが整うと清掃しやすくなり、むし歯や歯周病の予防に役立つ場合があります[3]。

反対咬合の主な治療法

治療法は、反対咬合の原因が歯か骨格か、ずれの大きさによって選びます。

ワイヤー矯正(表側・裏側)

歯にブラケットという装置を付け、ワイヤーで弱い力を持続的にかけて歯を動かす方法です[3]。幅広い歯並びに対応でき、必要に応じて抜歯を行います[3]。歯の裏側に装置を付ける方法は表から見えにくい一方、発音や清掃に慣れが必要です。

マウスピース矯正

透明なマウスピースを順番に交換しながら、少しずつ歯を動かす方法です[3]。目立ちにくく取り外せますが、1日の装着時間を守る必要があります。骨格のずれが大きい反対咬合では、適応できないことがあります。

外科的矯正治療(顎矯正手術の併用)

あごの骨の不調和が大きい場合に、矯正治療と外科手術を組み合わせて行う治療です[1][3]。矯正歯科と口腔外科などがチームで治療します[1]。

保険が適用される条件

反対咬合の矯正に健康保険が使えるのは、主に顎変形症で手術を併用する場合です[1][2]。

  • 顎変形症と診断され、矯正治療と外科手術を併用すること[1]
  • 国の基準を満たした指定の医療機関(顎口腔機能診断施設)で治療を受けること[1][4]
  • 保険の範囲内で治療を行うこと(自由診療との組み合わせはできない)[1]

このほか、唇顎口蓋裂など国が定める疾患による不正咬合も保険の対象です[2][4]。見た目の改善を目的とした矯正は、保険の対象になりません。

保険適用の場合の費用の目安

日本臨床矯正歯科医会の資料では、保険適用(自己負担3割)の場合の目安を次のように示しています[1]。

項目 費用の目安(3割負担)
矯正治療(手術前後の合計) 20〜30万円前後
入院・手術(下あごのみ) 20万円前後
入院・手術(上下のあご) 30〜40万円前後
総額の概算 40〜70万円前後

入院・手術費用は高額療養費制度の対象になります[1]。実際の金額は治療内容や医療機関によって異なります。

自由診療の矯正費用について

手術を併用しない反対咬合の矯正は、自由診療になります。費用は治療法・歯並びの状態・治療期間・医院の料金体系によって大きく異なるため、検査後に見積もりを受けて確認しましょう。

参考として、日本歯科グループのマウスピース矯正は、治療完了までの通院費込みのパッケージ料金で、4回コース107,800円〜30回コース880,000円としています(税込・公式サイト記載の料金、症例により別途費用あり)。マウスピースの紛失・破損による再作成や、追加の装置が必要な場合は別途費用がかかることがあります。受け口の状態によってはマウスピース矯正が適応にならない場合もあるため、詳しくはマウスピース矯正のページをご覧のうえご相談ください。

費用の内訳で確認したいこと

矯正費用は「装置代」だけでなく、さまざまな項目で構成されます。総額に何が含まれているかを確認しておくと安心です。

  • 相談料・精密検査料・診断料
  • 装置の費用
  • 通院ごとの調整料(定額制か、毎回かかるか)
  • 抜歯が必要な場合の費用
  • 治療後の保定装置(リテーナー)と経過観察の費用
  • 装置の破損・紛失時の費用
  • 治療が予定より長引いた場合の追加費用

医療費控除について

歯列矯正の費用は、年齢や矯正の目的から見て必要と認められる場合に、医療費控除の対象になります[5]。見た目をよくするための費用は対象外です[5]。ご自身のケースが対象になるかは、税務署などでご確認ください。

治療期間と通院の目安

治療期間は、治療法と歯並びの状態によって異なります。

  • 矯正治療のみ:平均して1年半〜2年ほどで、複雑な場合はさらに長くかかります[6]
  • 外科的矯正治療:手術前の矯正(約1〜2年)→ 入院・手術(1〜2週間)→ 手術後の矯正(約1年)→ 保定、という流れで進みます[1]

装置を外した後も、歯が元の位置に戻ろうとするため、保定装置(リテーナー)を使い続ける必要があります[6]。通院の間隔は治療法によって異なり、診察時に担当医からご説明します。

矯正治療の主なリスク・副作用

矯正治療には、次のようなリスクや副作用があります。

  • 装置の周りの清掃が不十分だと、むし歯や歯の表面の白い・茶色いしみが残ることがある[6]
  • 歯を動かすと、歯の根がわずかに短くなる(歯根吸収)ことがある[6]
  • 治療後に保定装置を使わないと、歯並びが元に戻る(後戻り)ことがある[6]
  • 装置を付けた直後や調整後に、痛みや違和感が出ることがある
  • 外科的矯正治療では、手術・入院にともなうリスクがあり、治療の途中で一時的に噛みにくくなることがある[1]

リスクは治療法や歯並びによって異なるため、治療前の説明で確認しましょう。

治療を始める前に確認したいポイント

  • 反対咬合の原因が歯か骨格か、精密検査で確認する
  • 選べる治療法と、それぞれの期間・リスク
  • 保険適用の可能性と、保険で治療できる医療機関か[1][4]
  • 総額と内訳、支払い方法
  • 通院の頻度と、仕事や生活への影響

判断に迷う場合は、ほかの歯科医院の意見(セカンドオピニオン)を聞く方法もあります。

まとめ

大人の反対咬合の矯正は原則として自由診療ですが、顎変形症と診断され、手術を併用する場合は保険が適用されます。保険適用の総額は40〜70万円前後が目安とされています。

自由診療の費用は治療法や歯並びの状態によって異なるため、精密検査を受け、総額と内訳、期間、リスクの説明を受けてから判断しましょう。

日本歯科グループでは、マウスピース矯正について、検査結果をもとに適応の可否や期間、リスクをご説明しています。保険が適用される外科的矯正治療の対応については、詳しくは各院にお問い合わせください。受け口が気になる方は、お気軽にご相談ください。

よくある質問

大人の受け口でも矯正で治せますか?

歯の傾きが原因の受け口は、矯正治療だけで改善できることがあります[1]。あごの骨のずれが大きい場合は、手術を併用する外科的矯正治療が必要になることがあります。どちらにあたるかは精密検査で判断します。

受け口の矯正に保険は使えますか?

顎変形症と診断され、矯正治療と手術を併用し、指定の医療機関で治療を受ける場合は保険が適用されます[1]。手術を併用しない矯正は、原則として自由診療です。

マウスピース矯正で受け口は治せますか?

歯の傾きが主な原因の軽い受け口では、選択肢になることがあります。骨格のずれが大きい場合は適応できないことがあるため、検査をしたうえで判断します。

矯正費用は医療費控除の対象になりますか?

年齢や目的から見て矯正が必要と認められる場合は対象になり、見た目をよくするための費用は対象外です[5]。個別のケースは税務署などでご確認ください。

参考情報

  1. 日本臨床矯正歯科医会「歯と歯並びのニューズレター Vol.13」(2023年)
  2. 東京都 歯科保健対策推進協議会資料「子供の矯正歯科治療 医療保険適応の経緯と矯正歯科分野における今後の取り組み」
  3. MSDマニュアル プロフェッショナル版「不正咬合」
  4. 日本臨床矯正歯科医会「矯正歯科治療の保険適応疾患について」
  5. 国税庁「No.1128 医療費控除の対象となる歯の治療費の具体例」
  6. East Kent Hospitals University NHS Foundation Trust「Orthodontic treatment: what you need to know」