結論:噛み合わせの違和感は、詰め物・かぶせ物の高さ、歯ぎしりや食いしばり、上下の歯を接触させ続ける癖、加齢による変化、矯正中の歯の移動などが主な原因です。治療直後や矯正装置の交換直後の軽い違和感は数日で落ち着くことが多い一方、続く場合や痛み・口の開けにくさを伴う場合は、歯科医院で原因を調べてもらいましょう。
この記事では、違和感が起こる原因、マウスピース矯正中の注意点、自宅でできる対処法、受診の目安を静岡歯科がまとめました。
噛み合わせの違和感とはどんな状態か
噛み合わせの違和感とは、上下の歯の当たり方がいつもと違う、特定の歯だけが強く当たると感じる状態です。健康な噛み合わせでは、奥歯でしっかり噛め、前歯で食べ物を噛み切れ、口を開け閉めしても顎に痛みや音がありません。
違和感は次のような形で現れます。
- 噛んだときに特定の歯だけが当たる、浮いた感じがする
- 噛む位置が定まらず、どこで噛めばよいか分からない
- 食事中に噛みにくい、顎が疲れる
- 口を開けると顎が痛い、音が鳴る、開けにくい
同じ違和感でも原因はさまざまです。自己判断で決めつけず、続く場合は歯科医師の診察で確認しましょう。
噛み合わせに違和感が出る主な原因
噛み合わせの違和感の主な原因は、歯科治療による変化、歯ぎしり・食いしばり、歯を接触させ続ける癖、加齢による変化の4つです。
歯科治療後の詰め物・かぶせ物
詰め物やかぶせ物の高さがわずかに合わないと、噛み合わせが変わって違和感が出ることがあります。大きな治療の後は慣れるまで時間がかかることもありますが、数日たっても違和感が続く場合は、噛み合わせの調整が必要な可能性があります。治療を受けた歯科医院に早めに伝えましょう。
歯ぎしり・食いしばり
歯ぎしりや食いしばりは、歯や歯を支える組織に強い力をかけ、噛み合わせの違和感につながります。眠りが浅いときに起こりやすく、強いストレスや疲労、飲酒で悪化するとされています[1]。歯がすり減ったり、歯周病が重症化しやすくなったりすることもあります[1]。
上下の歯を接触させ続ける癖(TCH)
TCH(歯列接触癖)とは、口を閉じているときに上下の歯が触れ続けている癖のことです。本来、上下の歯は2〜3ミリ離れているのが正しい状態で、食事や会話以外で歯が触れているのは1日10〜12分程度とされています[2]。
TCHでは強い力はかからないものの、顎周りの筋肉が縮み続けます。歯を支える歯根膜(しこんまく)が押され続けることで、噛み合わせの違和感や知覚過敏が起こることがあり、顎関節症の主な要因のひとつとも考えられています[2]。本人が気づきにくいのが特徴です。
加齢による変化
年齢を重ねると、歯のすり減り、歯ぐきの後退、歯周病などによって噛み合わせが変わることがあります。歯周病を放置すると、舌の圧力で歯が前に押し出され、すき間ができて噛み合わせが悪くなることもあるとされています[3]。
マウスピース矯正中に起こる噛み合わせの違和感
マウスピース矯正中は歯が少しずつ動くため、一時的に噛み合わせが不安定に感じられることがあります。とくに新しいマウスピースに交換した直後は、違和感や締めつけ感が出やすい時期です。
様子を見てよい変化
交換直後の軽い違和感や痛みは、数日ほどで落ち着くことが多いとされています。日本矯正歯科学会によると、装置を入れた直後の痛みは子どもで約3日、成人で約1週間続くことがあります[4]。
早めに相談したい変化
- 強い痛みが長く続く、食事ができない
- 明らかに噛み合わせが悪くなっている
- マウスピースが割れた、変形した、はまらなくなった
- 装着時間が足りない日が続いた
装着時間が不足すると、計画どおりに歯が動かず、違和感が長引く原因になります。1日20時間以上の装着が一般的な目安です。マウスピースの順番を間違えたり、自己判断で装着時間を減らしたりせず、気になることがあれば担当の歯科医師に相談しましょう。
自宅でできる噛み合わせの違和感への対処法
軽い違和感であれば、顎への負担を減らし、歯を接触させる癖に気づくことで和らぐことがあります。ただし、これらは原因を治すものではなく、症状が続く場合は受診が必要です。
顎に負担をかけない食事と動作
- 食べ物は小さく切り、硬いものは避ける[5]
- 急に大きく口を開けない。あくびのときは下顎の下に拳を当てて開きすぎを防ぐ[5]
- 痛みが落ち着いたら、蒸しタオルで温めたり、指先で優しくマッサージしたりする。強くもむのは逆効果とされています[5]
歯を接触させる癖に気づく
- タイマー法:10分おきにタイマーを鳴らし、そのとき歯が触れていないか確認します[2]。
- 貼り紙法:「リラックス」などと書いた付箋を目につく場所に貼り、見るたびに歯を離します[2]。
- 深呼吸:歯が触れていると気づいたら深呼吸をすると、自然に上下の歯の間にすき間ができます[2]。
生活習慣を見直す
前かがみの姿勢や強いストレスは、顎に力が入りやすくなる要因です[2]。デスクワーク中の姿勢を見直し、十分な睡眠やリラックスできる時間を確保しましょう。夜間の歯ぎしりには、マウスピースで歯や顎への力を分散させる方法もあります[1]。市販品ではなく、歯科医院で歯型に合わせて作るものを使うことをおすすめします。
歯科医院で行う検査と治療
歯科医院では、違和感の原因を調べたうえで、原因に合わせた治療を行います。
| 主な原因 | 主な治療・対応 |
|---|---|
| 詰め物・かぶせ物の高さ | 詰め物・かぶせ物の調整や作り直し |
| 歯ぎしり・食いしばり | 夜間のマウスピース(スプリント)の使用、生活習慣の指導 |
| 顎関節症 | スプリント療法、鎮痛薬、開口訓練などの運動療法[5][6] |
| 歯並びの問題 | 矯正治療の検討 |
顎関節症が疑われる場合
顎関節症では、夜間にスプリント(マウスピース)を使って顎や筋肉への負担を減らす治療が主に行われます[5]。日本顎関節学会のガイドラインでは、口が開きにくい一部の顎関節症に対して、患者さん自身が行う開口訓練が推奨されています[6]。一方、歯を削って噛み合わせを変える治療は、顎関節症の治療としては勧められていません[5]。治療を始めて2週間たっても改善しない場合は、専門医への紹介を担当医に相談するとよいとされています[5]。
歯並びが原因の場合
歯並びそのものに問題がある場合は、矯正治療で噛み合わせ全体を整えることを検討します。矯正治療は多くの場合自由診療で、全体矯正では1〜3年程度が目安です[4][7]。装置による痛み、むし歯や歯ぐきの炎症、治療後の後戻りなどのリスクがあり、治療後は保定装置の使用が必要です[4]。費用は症状や装置によって異なります。静岡歯科で行っているマウスピース矯正は、治療完了までの通院費込みのパッケージ料金で、4回コース107,800円〜30回コース880,000円です(税込・公式サイト記載の料金、症例により別途費用あり)。詳しくは日本歯科グループのマウスピース矯正をご覧ください。
噛み合わせの違和感を放置するとどうなるか
違和感を放置すると、特定の歯に負担が集中し、歯のすり減りや破折、歯周病の悪化につながるおそれがあります。歯ぎしりや食いしばりは歯周病を重症化しやすくするとされ[1]、TCHは知覚過敏や顎関節症の要因になると考えられています[2]。
顎関節症は、噛み合わせだけでなく、ストレスや不安、癖などさまざまな要因が積み重なって発症すると考えられています[1]。原因を一つに決めつけず、歯科医師と一緒に確認していくことが大切です。
歯科医院に相談するタイミング
強い痛み、口の開けにくさ、食事ができないほどの違和感がある場合は、早めに受診してください。症状の程度ごとの目安は次のとおりです。
| 症状の程度 | 対処 | 相談の目安 |
|---|---|---|
| 軽い違和感 | 顎に負担をかけない生活、癖の見直し、経過観察 | 1週間以上続く場合 |
| 中程度の違和感 | 生活習慣の見直し | 数日以内 |
| 強い違和感・痛み、口が開けにくい | 歯科を受診する | できるだけ早く |
マウスピース矯正中の方は、マウスピースの破損や変形に気づいた時点で担当医に連絡しましょう。治療後に違和感が出た場合も、治療を受けた歯科医院に伝えることで、調整が必要かを確認できます。
まとめ
噛み合わせの違和感は、詰め物の高さ、歯ぎしり・食いしばり、上下の歯を接触させ続ける癖、加齢、矯正中の歯の移動など、さまざまな原因で起こります。軽い違和感は生活の工夫で和らぐこともありますが、続く場合や痛みを伴う場合は、自己判断せず歯科医院で原因を確認しましょう。
静岡歯科では、マウスピース矯正をはじめ、噛み合わせに関するご相談をお受けしています。矯正中の違和感や治療後の噛み合わせなど、気になることがあればお気軽にご相談ください。マウスピース矯正の初回相談は0円です。
よくある質問
詰め物をした後の違和感はどれくらいで治まりますか?
新しい詰め物やかぶせ物に慣れるまで、数日かかることがあります。数日たっても違和感が続く場合や、特定の歯だけが強く当たる場合は、高さの調整が必要なことがあるため、治療を受けた歯科医院に相談してください。
マウスピース矯正中の違和感は正常ですか?
新しいマウスピースに交換した直後の軽い違和感や痛みは、歯が動く過程でよく見られ、数日ほどで落ち着くことが多いものです。強い痛みが続く、マウスピースが合わなくなった、割れたといった場合は早めに担当医へ連絡しましょう。
上下の歯が触れているのはよくないのですか?
本来、口を閉じているときの上下の歯は2〜3ミリ離れているのが正しい状態とされています。歯が触れ続ける癖(TCH)は、噛み合わせの違和感や知覚過敏、顎関節症の要因になると考えられています。
顎関節症は歯を削って治しますか?
顎関節症の治療では、夜間のスプリント(マウスピース)や開口訓練などが主に行われます。歯を削って噛み合わせを変える治療は、顎関節症の治療としては勧められていません。
市販のマウスピースを使ってもよいですか?
歯ぎしりや食いしばりへの対策には、歯科医院で歯型に合わせて作るマウスピースをおすすめします。合わないものを使うと、かえって噛み合わせに影響する可能性があるため、まずは歯科医師に相談してください。