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奥歯が欠けたらどうする?原因と対処法を紹介

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奥歯の破折や欠けは、食事中に突然起こることも多く、痛みを伴うケースもあれば、気づかないうちに進行していることもあります。奥歯は見えにくい場所にあるため発見が遅れがちです。この記事では、奥歯が欠けた際の適切な応急処置から受診のタイミング、考えられる原因、そして歯科医院での治療法まで詳しく解説します。

奥歯が欠けた時の応急処置と受診の目安

奥歯が欠けた場合、まずは冷静に状況を把握することが大切です。痛みの有無や欠けた部分の大きさによって対応が変わってきます。

奥歯が欠けた直後にすべきこと

奥歯が欠けたと気づいたら、まずは口の中を確認しましょう。欠けた破片が口の中に残っている場合は、誤って飲み込まないように注意して取り出し、水で軽くすすいでください。破片が大きい場合は、歯科医院に持参すると修復の参考になることがあります。

次に、清潔なガーゼやティッシュで軽く押さえて出血を止めます。冷たい水でゆすぐことで痛みを和らげる効果もあります。ただし、刺激の強い飲食物や極端な温度の飲み物は避けるべきです。

欠けた部分が鋭利で舌や頬の内側を傷つける場合は、市販の歯科用ワックスを使って一時的に覆うことができます。ワックスがない場合は、清潔なガムを柔らかくして代用することも可能です。

痛みがある場合の対処法

奥歯が欠けて痛みがある場合、神経が露出している可能性があります。冷たい水や温かい飲み物で痛みが強くなる場合は、神経が刺激を受けているサインですので、早急に歯科医院を受診する必要があります。一時的な痛み止めとして市販の鎮痛剤を服用することも選択肢ですが、あくまで応急処置として考えましょう。

痛みを和らげるために、冷却パックを頬の外側から当てることも効果的です。ただし、直接歯に冷たいものを当てると痛みが増す可能性があるので注意してください。また、患部を清潔に保つために、ぬるま湯で軽くすすぐことをお勧めします。

歯科医院を受診

奥歯が欠けた場合、基本的には早めに歯科医院を受診することをお勧めします。特に、強い痛みがある、出血が止まらない、大きく欠けている、または咬み合わせに影響がある場合は、できるだけ早く受診しましょう。たとえ痛みがなくても、欠けた部分から細菌が侵入して虫歯が進行するリスクがあります。

多くの歯科医院では、このような緊急事態に対応する枠を設けています。まずは電話で状況を説明し、適切な対応を相談するとよいでしょう。状況によっては応急処置のアドバイスをもらえることもあります。

欠けた部分が小さく、痛みもない場合でも、放置せずに次の定期検診時に歯科医師に相談することが重要です。小さな欠けでも時間の経過とともに大きくなる可能性があります。

奥歯が欠ける主な原因

奥歯が欠ける原因はさまざまですが、日常生活における習慣や口腔内の状態が大きく関わっています。原因を知ることで適切な予防策を講じることができます。

虫歯による歯の脆弱化

奥歯が欠ける最も一般的な原因の一つが虫歯です。虫歯によって歯の構造が弱くなると、通常の咀嚼圧でも歯が欠けやすくなります。特に大きな虫歯が進行している場合、歯の内部から徐々に崩壊していくため、ある日突然大きく欠けることがあります。

虫歯予防には、正しい歯磨き習慣と定期的な歯科検診が欠かせません。特に奥歯は磨き残しが多い部位なので、フロスや歯間ブラシを使用して丁寧に清掃することが重要です。また、砂糖を多く含む食品や飲料の摂取を控えることも効果的な予防策です。

強い咬合圧や食いしばり

日常的な強い咬合圧や無意識の食いしばりも、奥歯が欠ける原因となります。特に就寝中の歯ぎしり(ブラキシズム)は、歯に過度な力がかかり、微細なひび割れを引き起こし、やがて歯の破折につながることがあります。ストレスや不規則な咬み合わせが原因となるケースが多いです。

予防策としては、ナイトガード(マウスピース)の使用が効果的です。これは就寝時に装着することで、歯ぎしりや食いしばりによる歯への負担を軽減します。また、ストレス管理や咬み合わせの調整も重要な予防策となります。

硬いものを噛む習慣と不適切な歯の使い方

硬い食べ物を頻繁に噛む習慣や、歯を使った袋の開封など不適切な使い方も奥歯の破折リスクを高めます。特に氷を噛む習慣や堅い飴、未調理のナッツ類を頻繁に食べる習慣は、歯にマイクロクラック(微細なひび)を発生させる可能性があります。これらのひびは徐々に大きくなり、最終的に歯の欠けにつながることがあります。

予防には、極端に硬いものを噛むことを避け、歯を道具として使用しないことが大切です。また、バランスの良い食事を心がけ、歯の健康を維持することも欠けの予防につながります。

過去の治療に伴う歯の弱体化

過去に大きな虫歯治療や根管治療(神経を取る治療)を受けた歯は、健全な歯と比べて構造的に弱くなっていることがあります。特に適切な被せ物(クラウン)で保護されていない根管治療後の歯は、欠けるリスクが高まります。また、大きな詰め物が入っている歯も、残存歯質が少ないため破折しやすい傾向があります。

予防策としては、根管治療後の歯には適切な被せ物を装着し、定期的に歯科医院で状態をチェックすることが重要です。また、大きな詰め物がある歯に過度な力がかからないよう、咬み合わせの調整や必要に応じてナイトガードの使用なども検討すべきでしょう。

欠けた奥歯の治療方法

奥歯が欠けた場合の治療法は、欠けた部分の大きさや状態、歯の健康状態によって異なります。適切な治療法を選択することで、機能と見た目の両方を回復することができます。

小さな欠けに対するレジン修復

奥歯の小さな欠けや浅いひび割れには、コンポジットレジン(歯科用プラスチック)による修復が一般的です。レジン修復は比較的短時間で完了し、歯の色に合わせた材料を使用するため、見た目も自然に仕上がります。保険適用となるケースも多く、費用面でも負担が少ない治療法です。

レジン修復の利点は、歯の削除量が少なく済むことと、必要に応じて修正や再治療が行いやすい点です。ただし、強い咬合圧がかかる奥歯の場合、経年による摩耗や変色、破損のリスクがあるため、定期的なメンテナンスが必要です。

中程度の欠けに対するインレー修復

奥歯の中程度の欠けには、インレー(詰め物)による修復が選択されることが多いです。インレーは、欠けた部分の型を取り、その形に合わせて金属やセラミック、ハイブリッドレジンなどの材料で作製した詰め物を接着します。直接レジンを詰める方法よりも耐久性が高く、適合性にも優れています。

材料によって特性が異なり、金属(ゴールドや銀合金)は耐久性に優れますが見た目に問題があり、セラミックは審美性と生体親和性に優れますが比較的脆いという特徴があります。保険診療では主に銀合金が使用されますが、自由診療ではセラミックやゴールドなど様々な選択肢があります。

インレー素材 特徴 適応
金属(銀合金) 耐久性が高い、保険適用、金属アレルギーの可能性 奥歯の修復、強い咬合圧がある場合
セラミック 審美性が高い、生体親和性良好、比較的高価 見た目を重視する場合、金属アレルギーがある場合
ハイブリッドレジン 中程度の耐久性、適度な審美性、手頃な価格 耐久性と審美性のバランスを求める場合

大きく欠けた場合のクラウン(被せ物)治療

奥歯が大きく欠けた場合や、歯の構造強度が著しく低下している場合には、クラウン(被せ物)による治療が適しています。クラウンは歯の全体を覆うため、残存歯質を外部の力から保護し、本来の形態と機能を回復することができます。特に噛む力が強くかかる奥歯では、クラウンによる保護が重要です。

クラウンの材料には、金属、メタルボンド(金属の上に陶材を焼き付けたもの)、オールセラミック、ジルコニアなど様々な選択肢があります。保険診療では主に金属冠が適用されますが、審美性を重視する場合は自由診療でのセラミック系の選択も可能です。

クラウン治療では、歯を形成(削る)して土台を作り、精密な型取りを行った後、技工所で作製したクラウンを装着します。通常2〜3回の通院が必要で、治療期間は約2週間程度です。

神経に達する深い欠けの場合の根管治療

奥歯の欠けが深く、神経(歯髄)まで達している場合や、すでに神経が感染している場合には、根管治療(いわゆる「神経を取る治療」)が必要になります。根管治療では、歯の内部の感染した神経や組織を除去し、消毒・洗浄した後、根管充填材で密閉します。その後、歯の強度を回復するためにクラウンなどの被せ物を装着するのが一般的です。

根管治療は複数回の通院が必要で、治療期間も長くなる傾向があります。ただし、現代の歯科治療技術の進歩により、以前よりも成功率が高く、治療中の不快感も軽減されています。根管治療後の歯は生きた歯と比べて若干脆くなるため、適切な被せ物による保護が重要です。

奥歯の欠けを放置するリスク

奥歯の欠けを放置すると、様々な問題が生じる可能性があります。また、日常のケアによって奥歯の欠けを予防することも重要です。

放置した場合に起こりうる問題

奥歯の欠けを放置することは、口腔内の健康に深刻な影響を及ぼす可能性があります。まず、欠けた部分から細菌が侵入しやすくなり、虫歯が急速に進行するリスクが高まります。特に欠けた部分が深く、象牙質や神経に近い場合、痛みを伴う重度の虫歯に発展することがあります。

また、欠けた奥歯を避けて反対側で噛むようになると、健康な歯に過度の負担がかかり、顎関節症や咬み合わせの不調和を引き起こすことがあります。さらに、欠けた部分の鋭利な縁が舌や頬の内側を傷つけ、口内炎の原因となることもあります。

長期的には、欠けた歯が完全に破折するリスクも高まります。その場合、抜歯が必要になることもあり、結果として治療の難易度と費用が増大する可能性があります。

正しい歯磨き方法と口腔ケア

奥歯の欠けを予防するためには、正しい歯磨き方法と日常の口腔ケアが重要です。奥歯は磨き残しが生じやすい部位ですので、歯ブラシを小刻みに動かし、歯と歯茎の境目や噛み合わせの溝もしっかりと清掃することが大切です。フッ素配合の歯磨き粉を使用することで、歯のエナメル質を強化する効果も期待できます。

また、歯ブラシだけでは届かない歯と歯の間の清掃には、デンタルフロスや歯間ブラシの使用をお勧めします。就寝前の歯磨きは特に重要で、寝ている間は唾液の分泌が減少するため、細菌が繁殖しやすい環境になります。

定期的なうがいや洗口液の使用も、口腔内の細菌数を減らし、歯の健康維持に役立ちます。特に食後のうがいは、食べかすを除去し、口内を中性に保つのに効果的です。

定期的な歯科検診の重要性

奥歯の欠けを早期に発見し、予防するためには、定期的な歯科検診が不可欠です。プロフェッショナルによるチェックは、自分では気づきにくい初期の問題を発見するのに役立ちます。特に奥歯は自分で確認しづらい部位なので、専門家による定期的な検査が重要です。

一般的には、半年に一度の歯科検診がお勧めですが、過去に歯のトラブルが多い方や、矯正装置を装着している方などは、より頻繁な検診が必要かもしれません。歯科医院では、専門的なクリーニング(PMTC)も受けることができ、自宅でのケアでは除去しきれない歯垢や歯石を効果的に取り除くことができます。

また、定期検診では、初期の虫歯や微細なひび割れの早期発見・早期治療が可能になります。結果として、大がかりな治療を避け、治療費の節約にもつながります。

食生活と生活習慣の見直し

奥歯の健康を維持するためには、食生活と生活習慣の見直しも重要です。砂糖を多く含む食品や飲料の過剰摂取は虫歯のリスクを高めるため、摂取頻度や量を制限することが望ましいです。また、酸性の強い飲食物(柑橘系ジュースや炭酸飲料など)の頻繁な摂取は、歯のエナメル質を溶かし、歯を弱くする原因となります。

硬い食べ物を噛む習慣や、氷を噛む癖がある場合は見直しましょう。特に奥歯は噛む力が集中しやすいため、過度な負担がかかると微細なひび割れが生じやすくなります。また、歯ぎしりや食いしばりの習慣がある場合は、ナイトガードの使用や、ストレス管理の方法を歯科医師に相談することをお勧めします。

喫煙も歯の健康に悪影響を及ぼします。タバコに含まれる有害物質は歯肉の血流を悪くし、歯周病のリスクを高めます。歯周病が進行すると、歯を支える骨が減少し、結果的に歯の安定性が損なわれ、欠けやすくなることもあります。

まとめ

奥歯が欠けた場合、まずは冷静に状況を把握し、適切な応急処置を行うことが大切です。痛みがある場合や大きく欠けている場合は、早急に歯科医院を受診しましょう。小さな欠けでも放置せず、専門家に相談することをお勧めします。

治療法としては、欠けの程度に応じてレジン修復、インレー、クラウン、必要に応じて根管治療などの選択肢があります。どの治療法が最適かは、歯科医師との相談の上で決定しましょう。また、定期的な歯科検診と適切な口腔ケア、健康的な食生活を心がけることが、奥歯の健康維持に欠かせません。

日本歯科グループのクリニックでは、豊富な治療実績と先端の技術力を活かし、患者さまの希望に沿ったオーダーメイドのインプラント治療を提供しています。専門スタッフのチーム医療と充実したサポート体制で、術前の疑問や不安をしっかりと解消しながら、安全・安心の治療を目指します。まずはお気軽にご相談ください。

この記事の監修

今本院長

日本歯科札幌 院長 今本 芳彦

北海道出身。
卒後、自由診療専門のクリニックで研鑽を積む。
10年間、自由診療専門のクリニックで院長として活躍。
北海道でトップクラスのインプラント実績を誇る。
他にもマウスピース矯正、審美治療を得意とする。

この記事の監修

日本歯科静岡 院長 戸田 紀章

静岡県出身。
卒後、埼玉医科大学口腔外科で研鑽を積む。
その後、静岡歯科で10年間研鑽を積んだ後、日本歯科静岡の院長に就任。
静岡県トップクラスのインプラント治療実績を持つ。
審美治療やマウスピース矯正も得意とする。

この記事の監修

早川理事長

日本歯科グループ 代表 早川 好昭

東京都出身。
静岡県で静岡歯科を開業。
高度先進歯科医療クリニックとして日本歯科グループを開設。
同グループとして静岡歯科、日本歯科札幌、日本歯科静岡、日本歯科名古屋などがある。
日本歯科グループの代表として全てのクリニックを統括。

この記事の監修

稲津副院長

日本歯科名古屋 院長 稲津 由美子

大手歯科グループの院長として長年活躍。
その後静岡歯科の副院長として8年間研鑽を積み、日本歯科名古屋の院長に就任。
女性歯科医師として全国でトップクラスのインプラント実績を持つ。
マウスピース矯正と審美治療を得意とする。