Menu

歯が痛い時にしてはいけないこと|NG行動と受診までの正しいケア

Image photo

結論:歯が痛い時は、飲酒・喫煙、痛む歯を触る・噛む、体を温めすぎる、甘い物や熱い・冷たい物をとる、といった行動を避けましょう。自宅でのケアは受診までの一時的な対策です。痛みの原因は歯科医師の診察で確かめ、早めに治療を受けることが大切です。

この記事では、歯が痛い時のNG行動、痛みの種類別の対処法、市販の痛み止めの注意点、すぐに受診すべきサインを順に解説します。

歯が痛い時にしてはいけない4つのこと

歯が痛い時に避けたいのは「飲酒・喫煙」「患部への刺激」「体の温めすぎ」「甘い物・刺激物・極端な温度の飲食物」の4つです。どれも痛みや炎症を強めたり、治りを遅らせたりするおそれがあります。

NG行動 避けたい理由
飲酒・喫煙 血流や治りに影響し、痛み・出血・感染のリスクを高める
痛む歯を触る・噛む 炎症を刺激し、ひびや割れを広げるおそれがある
熱いお風呂・長風呂・サウナ 血行がよくなり、ズキズキした痛みや腫れが強まることがある
甘い物・酸っぱい物・熱い物・冷たい物 しみる痛みを誘発しやすい

アルコールやタバコをとる

痛みがある間は、飲酒と喫煙を控えましょう。アルコールは血管を広げるため、炎症のある部分の痛みや腫れが強まることがあります。

喫煙は歯ぐきの血管を縮めて血流を減らし、歯周病を進めやすくします。治療後の治りも悪くなることが知られています[1]。抜歯の後は、少なくとも24時間は飲酒・喫煙を避けるよう案内されています。痛み・感染・出血のリスクが高まるためです[6]。治療後いつから再開してよいかは、歯科医師に確認してください。

痛みのある部分を触ったり噛んだりする

痛む歯を舌や指で触る、ぐらつく歯を動かす、といった行為は避けましょう。患部の刺激で炎症が悪化したり、指から細菌を持ち込んだりするおそれがあります。

痛みを確かめようと硬い物を噛むのも控えてください。歯にひびがある場合、割れが広がる可能性があります。食事はやわらかい物を選び、痛む歯で噛まないようにしましょう[4]。

熱いお風呂や長風呂に入る

熱いお湯での長い入浴やサウナは、ズキズキする痛みが強い時は控えめにしましょう。全身の血行がよくなると、炎症のある部分の痛みや腫れが増すことがあるためです。

入浴する場合は、ぬるめのお湯で短時間にするか、シャワーで済ませます。入浴中に痛みが強まったら、すぐに上がってください。抜歯当日の入浴や運動については、歯科医院の指示に従いましょう。

甘い物・刺激物・熱すぎる/冷たすぎる物をとる

虫歯や知覚過敏(冷たい物などで歯がしみる状態)がある時は、甘い物、酸っぱい物、極端に熱い物・冷たい物を避けましょう[4]。これらは歯がしみる痛みを誘発しやすい食べ物です。

酸の強い飲食物は、歯の表面のエナメル質を溶かす原因にもなります。痛みがある間は常温に近い物を選び、痛くない側でゆっくり噛みましょう。冷たい物や冷たい空気で痛みが出るなら、それも避けてください[5]。

痛みの種類別の対処法

痛みの出方によって考えられる原因と応急的な対処は異なります。ただし、どれも受診までのつなぎです。原因は歯科医師の診察で判断します。

痛みの特徴 考えられる主な原因 受診までの対処
甘い物・冷たい物でしみる、ズキズキする 虫歯など 患部を清潔に保つ、刺激を避ける、用法どおり鎮痛薬を使う
歯ぐきの腫れ・出血・鈍い痛み 歯周病など やわらかい歯ブラシで丁寧に清掃する
抜歯後の痛み・腫れ 抜歯による一時的な炎症 当日はうがいを控え、処方薬を指示どおり飲む

虫歯によるズキズキする痛み

甘い物や冷たい物でズキズキ痛む場合は、虫歯が進んでいるサインのことがあります。虫歯菌が出す酸で歯が溶け、内部の象牙質(エナメル質の内側の層)や神経に近づいている可能性があります。

受診までは、ぬるま湯で軽く口をすすいで食べかすを流し、患部を清潔に保ちましょう。痛みには、市販の鎮痛薬を説明書どおりに使う方法があります[4]。ただし、薬は痛みを一時的に抑えるだけで、虫歯は治りません。

虫歯は自然には治らず、放置すると進行します。痛みに加えて熱や腫れがある場合は、すぐに歯科医院へ連絡してください。

歯周病による腫れや鈍い痛み

歯ぐきの腫れや出血、鈍い痛みは歯周病のサインの一つです。歯周病は、歯と歯ぐきのすき間(歯周ポケット)で細菌が増え、炎症が起こる病気です。

日本歯周病学会によると、歯周病は慢性の炎症では痛みを感じにくい一方、体調が悪い時にひどく腫れて痛むことがあります。進行すると歯を支える骨が溶け、歯がぐらついたり、膿が出たりします[2]。腫れが引いても治ったとは限らない点にも注意が必要です[2]。

受診までは、やわらかめの歯ブラシで優しく丁寧に磨き、口の中を清潔に保ちましょう。歯周病はセルフケアだけでは改善しにくいため、歯科医院での検査と治療を受けてください。

親知らずなど抜歯後の痛み

抜歯後の痛みや腫れは、多くの場合数日かけて落ち着いていきます。治りを助けるために、次の点を守りましょう。

  • 出血が続く時は、たたんだガーゼを傷口に当て、15分以上しっかり噛む[6]
  • 当日(24時間)は強いうがいを避け、翌日以降は歯科医院の指示に従って口をすすぐ[6]
  • 当日は激しい運動を控え、安静に過ごす[6]
  • 食事は硬い物・熱い物・噛みにくい物を避ける[6]
  • 痛み止めは処方薬を指示どおり飲む。アスピリンは出血を招くおそれがあるため避ける[6]

腫れが気になる時は、頬の外側から冷やすと楽になることがあります。ただし、冷やしすぎは避けましょう。痛みが3日たっても改善しない・強くなる、出血が止まらない、傷の治りが心配な場合は歯科医院へ連絡してください[6]。

歯の痛みを和らげる正しいケア

自宅でできるケアは「口の中を清潔に保つ」「刺激を避ける」「鎮痛薬を正しく使う」の3つです。いずれも一時的な対策なので、強い痛みが続く時は早めに受診しましょう。

ぬるま湯や塩水でやさしくすすぐ

ぬるま湯で口をすすぐと、痛む部分にたまった食べかすを流せます。塩水(ぬるま湯コップ1杯に塩少量)でのすすぎは、抜歯後のケアとして案内されることもあります[6]。

ただし、抜歯当日の強いうがいは、傷口をふさぐ血の塊がはがれる原因になるため控えます。塩分がしみて痛みが増す場合も中止しましょう。

市販の痛み止めを使う時の注意点

市販の鎮痛薬は、受診までの痛みを一時的に和らげるのに役立ちます。歯の痛みには、アセトアミノフェンやイブプロフェンなどが使われます[3][4]。

  • 用法・用量を必ず守る[4]
  • 迷ったら薬剤師や歯科医師に相談する[4]
  • 出血がある時や抜歯後は、アスピリンを避ける[5][6]
  • 以前に使って副作用がなかった薬を選ぶ[5]
  • 持病がある方、他の薬を飲んでいる方、妊娠中・授乳中の方は、事前に医師や薬剤師に相談する

胃腸が弱い方など、体質によって適した薬は異なります。薬で痛みが治まっても原因は残っているため、自己判断で受診を先延ばしにしないでください。

歯磨きと口腔ケアを続ける

痛みがあっても、口の中を清潔に保つことは大切です。痛む部分は、やわらかい毛の歯ブラシで優しく磨きましょう。

歯ブラシの刺激が強い場合は、知覚過敏用など刺激の少ない歯磨き粉を使うのも一つの方法です。痛む部分のフロスや歯間ブラシは無理をせず、ほかの歯のケアはいつもどおり続けましょう。痛みが落ち着いたら、歯科医院で歯石除去やクリーニングを受けることも大切です。

歯科医院をすぐ受診すべきタイミング

強い痛み、長引く痛み、顔の腫れや発熱を伴う痛みは、自己判断で様子を見ずに早めに受診してください。歯の感染症は痛みから始まることが多く、医療者向けの資料では、痛みや感染がある患者は遅くとも翌日までに歯科医師へつなぐべきとされています[3]。

痛みの強さや続き方で判断する目安

次のような痛みは、早めの受診が必要なサインです。

  • 鎮痛薬を飲んでも痛みが治まらない
  • 痛みが日ごとに強くなっている
  • 脈打つようなズキズキした痛みが続く
  • 噛むと強く痛む
  • 痛みが顔・耳・首のほうへ広がる

歯の痛みは、副鼻腔炎や顎関節の不調、耳の病気など、歯以外の原因で起こることもあります[4]。原因を自分で決めつけず、歯科医師の診察を受けましょう。判断に迷う時は、まず歯科医院に電話で相談してください。

歯の痛み以外の危険なサイン

顔や歯ぐきの腫れが広がる、発熱がある、といった症状は、感染が周りに広がっているサインのことがあります[3]。このような場合は、すぐに歯科医院へ連絡してください。

  • 顔や歯ぐきの腫れが急に広がる[3]
  • 発熱など全身の症状がある[3]
  • あごの下などのリンパ節が腫れる[3]
  • 膿が出る、いやなにおいがする[2]
  • 抜歯後、ガーゼで押さえても1時間以上出血が止まらない[6]

休日や夜間に症状が出た場合は、地域の休日夜間歯科診療所や、口腔外科のある病院に相談しましょう。いざという時のために、近くの対応先を事前に調べておくと安心です。

まとめ

歯が痛い時は、飲酒・喫煙、患部への刺激、体の温めすぎ、甘い物や刺激物を避けることが基本です。口の中を清潔に保ち、市販の鎮痛薬は用法・用量を守って使いましょう。

ただし、これらは受診までの一時的な対策です。強い痛みや長引く痛み、腫れ・発熱などがある時は、早めに歯科医院を受診してください。

日本歯科グループでは、歯の痛みの原因を診察で確かめたうえで、患者さまのご希望を伺いながら治療方針をご相談しています。気になる症状があれば、お気軽にご相談ください。各院は完全予約制で、お電話の受付時間は10:00〜13:30/14:30〜18:00です(受付曜日は院によって異なります)。各院の住所・受付曜日はクリニック紹介のページでご確認いただけます。

よくある質問

歯が痛い時、お酒を飲んでもいいですか?

痛みがある間は控えましょう。アルコールで血管が広がると、痛みや腫れが強まることがあります。抜歯後は少なくとも24時間、飲酒を避けるよう案内されています。

歯の痛みに市販の痛み止めを飲んでもいいですか?

用法・用量を守れば、受診までの一時的な対策として使えます。アセトアミノフェンやイブプロフェンなどが使われます。出血がある時や抜歯後はアスピリンを避け、持病や服用中の薬がある方は薬剤師に相談してください。

歯が痛い時にお風呂に入ってもいいですか?

ぬるめのお湯で短時間なら問題ないことが多いです。熱いお湯での長風呂やサウナは血行がよくなり、痛みや腫れが強まることがあります。抜歯当日の入浴は歯科医院の指示に従ってください。

痛みが治まったら歯科医院に行かなくてもいいですか?

痛みが治まっても、原因が治ったとは限りません。虫歯は自然に治らず、歯周病も腫れが引いただけで治ったとは言えません。一度歯科医院で原因を確かめましょう。

すぐに受診したほうがいいのはどんな時ですか?

鎮痛薬が効かない強い痛み、顔や歯ぐきの腫れが広がる時、発熱を伴う時は、すぐに歯科医院へ連絡してください。抜歯後に出血が1時間以上止まらない場合も同様です。

参考情報

  1. 厚生労働省 e-ヘルスネット「喫煙と歯周病の関係」
  2. 日本歯周病学会「歯周病Q&A 症状について」
  3. MSDマニュアル プロフェッショナル版「歯科的緊急事態の概要」
  4. NHS 111 Wales「Toothache」
  5. Royal Devon University Healthcare NHS Foundation Trust「Advice on managing dental pain」
  6. Wirral Community Health and Care NHS Foundation Trust「Advice after Tooth Extractions」

この記事は、参考情報に掲載した公的機関・学会などの情報をもとにした一般向けの解説です。診断や治療方針の決定には、歯科医師の診察が必要です。