歯医者の定期検診とは?内容と頻度の目安|保険での費用・受けるメリット
歯医者の定期検診では、むし歯や歯周病のチェック、歯のクリーニング、歯みがきの指導などを受けます。受ける間隔はお口の状態に合わせて決め、むし歯や歯周病の検査・管理として行う場合は保険が適用されます。
歯医者の定期検診とは
定期検診は、治療が終わった後や、特に困りごとがないときにも、一定の間隔で歯科医院に通い、お口の状態を確認してもらうことです。むし歯や歯周病は、初期にはほとんど症状がなく、痛みが出たときにはかなり進んでいることがあります。厚生労働省も、定期的な健診で病気の早期発見・治療につなげられるとしています[1]。
国の調査(令和6年歯科疾患実態調査)では、過去1年間に歯科検診を受けた人の割合は63.8%で、前回調査の58.0%から増えました。また、80歳で20本以上の自分の歯を保っている人の割合は、75〜84歳の結果からの推計で61.5%でした[2]。
定期検診で行う主な内容
検診の内容は、お口の状態や前回からの変化によって変わりますが、一般的には次のようなことを行います。
| 項目 | 主な内容 | 目的 |
|---|---|---|
| 問診 | 気になる症状、持病や服用中の薬、生活習慣の変化を確認 | 全身の状態に合わせた診療のため |
| むし歯のチェック | 歯の表面や詰め物・かぶせ物の状態を確認し、必要に応じてレントゲンを撮影 | 見えにくい場所のむし歯の早期発見 |
| 歯周病の検査 | 歯ぐきの腫れや出血、歯周ポケットの深さ、歯の揺れを確認 | 歯周病の進み具合の把握 |
| かみ合わせの確認 | かみ合わせ、歯のすり減り、入れ歯の状態などを確認 | 歯の欠けやトラブルの予防 |
| 歯のクリーニング | 歯石の除去や、歯の表面の汚れの清掃 | 歯ブラシでは落とせない汚れの除去 |
| 歯みがきの指導 | 磨き残しの多い場所を確認し、歯ブラシやフロスの使い方を説明 | 毎日のセルフケアの改善 |
検査の結果、むし歯や歯周病が見つかった場合は、検診とは別に治療の計画を立てます。厚生労働省は、家庭での歯みがきと歯科医院でのケアを両輪で行うことで、予防の効果が高まるとしています[1]。
定期検診の頻度の目安
定期検診の間隔は、すべての人に同じではありません。むし歯や歯周病のなりやすさ、これまでの治療歴、歯みがきの状態などによって、一人ひとりに合わせて決めるのが基本です。
英国の国立医療技術評価機構(NICE)の指針では、検診の間隔は患者さんごとに病気の状態やリスクを評価して決めるとされ、最も短い間隔は3か月、最も長い間隔は18歳未満で12か月、18歳以上で24か月とされています[3]。
| 間隔を短めにすることが多い方 | 間隔を長めにできることがある方 |
|---|---|
| 歯周病の治療中、または治療後に状態を保っている | むし歯や歯周病がなく、状態が長く安定している |
| むし歯ができやすい、詰め物・かぶせ物が多い | 歯みがきが行き届き、歯石がつきにくい |
| 矯正装置や入れ歯、インプラントを使っている | 前回の検診から変化が少ない |
次回の時期は、検診の結果をふまえて歯科医師から提案があります。気になることがあれば、予定の時期を待たずに相談してください。
定期検診の費用の目安(保険診療)
健康保険は病気の診断や治療を対象としているため、定期検診は、むし歯や歯周病の検査・管理として行う場合に保険が適用されます。窓口での負担は、行う検査や処置、レントゲンの有無などによって変わります。参考として、令和8年度の歯科点数表をもとにした主な項目の目安を示します[4]。
| 項目 | 点数 | 3割負担の目安 |
|---|---|---|
| 初診料 | 272点 | 約820円 |
| 再診料 | 59点 | 約180円 |
| 歯科疾患管理料(継続的な管理を行う場合) | 90点 | 約270円 |
| 歯周病継続支援治療(1〜9歯) | 170点 | 約510円 |
| 歯周病継続支援治療(10〜19歯) | 200点 | 約600円 |
| 歯周病継続支援治療(20歯以上) | 350点 | 約1,050円 |
歯周病継続支援治療は、一連の歯周病治療を終えた方に、状態の維持や重症化の予防を目的として、歯石の除去や歯面の清掃などを継続して行うものです[4]。実際の窓口負担には、歯周病の検査やレントゲンなどの費用が加わることがあります。症状や病気がなく検診だけを希望する場合は、保険外となることがあります。
自治体の歯科健診も活用しましょう
自治体では、歯周疾患検診や、後期高齢者医療の被保険者を対象とした歯科健診、妊産婦を対象とした健診などが行われています[1]。対象や費用は自治体によって異なるため、お住まいの地域の案内を確認してください。
定期検診を受けるメリット
- むし歯や歯周病を早く見つけやすい:初期の段階で見つかれば、削る量の少ない治療で済む可能性が高くなります。
- 歯周病の進行を抑えやすい:検査で変化を確認し、歯石を取り除くことで、悪化を防ぎやすくなります。
- 治療した歯を長持ちさせやすい:詰め物やかぶせ物のすき間などのトラブルを早めに確認できます。
- セルフケアを見直せる:磨き残しの多い場所がわかり、毎日の歯みがきの質を上げるきっかけになります。
すぐに受診したい症状
定期検診の予定がまだ先でも、次のような症状があるときは、早めに受診してください。
- 歯がしみる、かむと痛い、何もしなくても痛む
- 歯ぐきから血が出る、腫れている、膿が出る
- 歯がぐらぐらする、かみ合わせが急に変わった
- 詰め物やかぶせ物が取れた、歯が欠けた
まとめ
歯医者の定期検診では、むし歯や歯周病のチェック、歯のクリーニング、歯みがきの指導などを受けられます。受ける間隔はお口の状態やリスクによって異なり、歯科医師と相談して決めます。症状がないうちから続けることで、病気の早期発見や、治療した歯を長持ちさせることにつながります。
ご相談はクリニック一覧から、通いやすい医院をご確認ください。
よくある質問
定期検診はどのくらいの間隔で受ければよいですか
間隔は、むし歯や歯周病のなりやすさ、治療歴などによって一人ひとり異なります。英国の指針では、リスクに合わせて3か月から24か月(18歳未満は12か月まで)の間で決めるとされています。検診の結果をふまえて、歯科医師と相談して決めましょう。
定期検診に保険は使えますか
むし歯や歯周病の検査・管理として行う場合は、健康保険が適用されます。症状や病気がなく、検診だけを希望する場合は保険外となることがあります。受診時に確認してください。
痛いところがなくても検診に行ったほうがよいですか
むし歯や歯周病は、初期にはほとんど症状がないことが多いため、痛みがないうちの検診が早期発見につながります。治療を終えた歯の状態を確認するためにも、定期的な受診をおすすめします。
しばらく歯医者に行っていなくても、検診から始められますか
はい、始められます。まずはお口全体の状態を確認し、治療が必要な歯があれば治療の計画を立て、その後に定期検診へ移ることが一般的です。
参考文献
- 厚生労働省「広報誌『厚生労働』2022年6月号 特集 年代別にやるべき予防とお口のケアを紹介」https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou_kouhou/kouhou_shuppan/magazine/202206_00001.html
- 厚生労働省「令和6年歯科疾患実態調査の結果(概要)」https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59190.html
- National Institute for Health and Care Excellence (NICE). Dental checks: intervals between oral health reviews (Clinical guideline CG19). https://www.nice.org.uk/guidance/cg19
- 厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第69号)別表第二 歯科診療報酬点数表」https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001665293.pdf